「『女優をやっています』と言うには、まだまだ程遠い」――。ショートドラマアプリ「BUMP」のオリジナル作品『浅はかなシンデレラたちの婚活大戦争 シーズン2』に出演する橋本梨菜は、演技への率直な思いをそう明かす。
苦手意識を乗り越え、演技を楽しいと思えるようになった現在の心境や、仕事との向き合い方を聞いた。(前後編インタビューの後編)

○2025年は『キューティーハニー BELOVED ENEMY』と『グラぱらっ!』に出演

――ここからは俳優業についてもお話を聞かせてください。インタビュー前に行われた記者会見で、演技のお仕事は数年に1回と話されていましたが、昨年は『キューティーハニー BELOVED ENEMY』(DMMショート)、『グラぱらっ!』(ABCテレビ)と2作品に出演されていました。

確かに! ありがたいです。

――今年は『浅はかなシンデレラたちの婚活大戦争 シーズン2』にも出演され、今後さらに俳優仕事が増える兆候のように感じます。ご自身では演技の仕事とどのように向き合っていますか?

昔からちょっとだけ苦手意識があって、演技のお仕事が決まると、撮影に入るまでに気持ちを乗せるのに時間がかかったり、自信がなくて、不安や緊張があったりして。でも、この1、2年くらいで、やっと演技を楽しいと思えるようになってきました。

周りの方からも「絶対に続けたほうがいいよ」「演技できてるから、頑張ったほうがいいよ」と言っていただいて、少しずつ自信を持てるようになったという感じですかね。ただ、「女優をやっています」と言うには、まだまだ程遠いなと思っています。

――素人意見ですが、橋本さんは普通に演技ができている印象です。それでも、そう感じるのでしょうか。

グラビアをやっている人が、ゲストの枠で演技のお仕事に呼んでもらうところから始まることが多いじゃないですか。
そういうときに、全然求められていないなと感じることがあったんです。

注意されることもなければ、自分では今のは微妙だったよなと思っていても、「はい、OKです」と流れることも多くて。そもそも期待されていないのが、すごく悔しいなとは思っていて。

ただ同時に、役者さんたちと同じ土俵で考えること自体、自分にはおこがましいという気持ちもあるので、いつか自信を持って「女優もやっています」と言えるようになれたらいいなと思っています。

――昨年出演された作品は、単なるゲストというより、一人の役者として呼ばれた仕事だったと思います。

どちらも胸が大きい役だったので、見た目から入ってそうではあるんですけど(笑)。だから、見た目とは全然違う役が来たときに、初めて「演技で呼んでもらえた」と思えるのかもしれないですね。

天海祐希主演ドラマ『Chef~三ツ星の給食~』出演裏話

――芸能記者の中西正男さんのインタビューで、天海祐希さん主演のドラマ『Chef~三ツ星の給食~』(フジテレビ系)が、初めてのドラマ出演だったと話されている記事を拝読しました。

そうですね。たぶん、初めてレギュラーで出演させていただいたドラマだったと思うのですが、周りの皆さんがすごい方ばかりだったので、そういうところから少しビビっていたのかなとは思います。

でも、そのときも皆さんが「頑張って続けたほうがいい」と言ってくださったので、細々とではありますけど、続けてきてよかったなと思いますし、余裕のある方々を見ていると、やっぱり格好いいなとすごく思うので、私もそうなれたらいいなと思いますね。

――『Chef~三ツ星の給食~』も、橋本さんのスタイルの良さを生かした役だったんですか?

いえ、全然! この時の役は体型も関係なくて、もともとは同じ事務所の別の方がやる予定だった、役名もないAD役だったんですけど、その方が急きょ体調不良で休むことになって、事務所から「急だけど行ってきて」と言われて。


ほとんどエキストラのような感じで現場へ行ったんですけど、そこにいたおじさんから「来週、何してる?」と聞かれて、この人、誰なんだろう? 口説かれてるのかな? と思いながら話していたら、その方が監督だったんです(笑)。

「暇なんだったらおいでよ」と言われて、そこから役を作ってくださって、そのまま12話にレギュラー出演させていただきました。だから、その方が監督だとも分からないくらいの立場だったんです。

――急に現場に行くことになったから。

そうなんです。朝に集合して、「ちょっと、そこでカメラ持ってて」と言われるくらいの役だったのが、セリフをもらえて。そこからちょこちょこと登場させていただいて、めちゃくちゃラッキーでした(笑)。

――何か目に留まるものがあったんでしょうね。それこそ、スタイルの良さで呼ばれたゲストでもなければ、ほとんどエキストラ状態からの参加だったにもかかわらず、天海さんは優しく接してくださったそうですね。

そうなんです! 天海さんは本当に優しくて。寒い現場だったんですけど、カイロを貼ってくださったりして、とにかく優しかったです。

――その人の立場に関係なく、接してくれる。
かっこいいですよね。橋本さんもグラビアアイドルの後輩から慕われている印象があるので、役者として経験を積んでいったら、お芝居の現場でも後輩に優しくしている姿が想像できます。

いつか自分にも余裕ができたときに、やっと周りの方にも気を配れるようになるんだろうなと思います。グラビアは長く続けてきたので、そこでは後輩に優しくしたり、言葉をかけたりすることもできるようになりました。
○橋本梨菜が演技の仕事に感じる達成感と楽しさ

――先ほど、ここ数年で演技が楽しいと思えるようになってきたとお話しされていました。演技の仕事には、グラビアとは違うどんな楽しさがありますか?

役者の方はよく、「普段とは違う自分になれる」「別の人を演じられることが楽しい」とおっしゃるじゃないですか。

私も、その感覚を味わいたいと思うんですけど、今の私としては、今日のシーンは大変だな、セリフがすごく多いな、という気持ちのほうが大きいので、セリフ量の多い1日が終わったときに、すごく気持ちいい達成感がある。だから、今日も乗り切った、やり切ったという楽しさですね。

何か新しいことを始めたときには、そういう気持ちがあったはずなのに、いつの間にか忘れていたなと思って。演技の仕事では、その達成感や楽しさを味わえています。「別の人間になれることが楽しい」という感覚にたどり着くのは、もう少し先かもしれないです。

――台本を覚え、段取りを覚えた上で、役として話す。
役者の皆さんはそれを当然のようにされているわけですもんね。ドラマや映画について、役者の方にインタビューでお話を聞いていて、すごいなといつも思います。

本当に難しいです。家でドラマや映画を観ているときも、そういうふうに(役者の演技を)見るようになってきてるんですけど、やっぱりすごいなと思いますね。意識することがたくさんあるのに、その人間になりきっている。かっこいいですよね。

○『浅はかなシンデレラたちの婚活大戦争 シーズン2』の見どころは?

――先ほどの役づくりのお話を聞くと、橋本さんも当たり前に演じる側の人になっているように思います。

そうだとうれしいです。でも、本当にセリフは大変です(笑)。

――そうですよね(笑)。皆さん、どうなふうにセリフを覚えているんですかね。

皆さん、結構バラバラで。
お風呂で覚えるという方もいれば、セリフを録音して、自分の耳で聞いて覚えるという方もいらっしゃいました。

――橋本さんは?

私は、とにかく何度も口に出して覚えています。(今回のドラマの)撮影の前後に別の仕事があって、沖縄や北海道へ行くロケが続いていたんですけど、飛行機の中でずっと一人でボソボソしゃべっていました。周りの方には、気持ち悪がられていたかもしれません(笑)。でも、それくらいしないと、なかなか覚えられなくて。本当に役者の皆さんを尊敬します。

――ほかの方の方法を聞くことはヒントになりますが、最後は自分に合うやり方を見つけることが必要なのでしょうね。

そうですね。「ちょっとしたコツを見つけられると早いよ」と言われたことがあります。そう言われてみると、グラビアのポーズも、いちいち自分で考えて動くというより、今は体が自然に動くので、演技も同じなのかなと思いますね。まだ慣れていないか、慣れているかの違いなのかもしれません。

――その域にたどり着くには、経験を重ねることが大切だと。


そうですね。現場に入る期間が空いてしまうと、また緊張してしまうので、演技の仕事は継続的にやりたいですね。

――マネージャーさんにも頑張っていただいて。

(マネージャーに向かって)お願いします(笑)!

――最後に改めて『浅はかなシンデレラたちの婚活大戦争 シーズン2』の見どころを教えてください。

最初から、いきなり面白いです。悪い女性たちそれぞれの物語が進んでいくので、無料で公開されている5話までを観たら、そこでやめることはできないはずです。私自身、本当にとにかく面白いと思っています。

男性が観たら、「うわ、女子怖い」と思う面白さがありますし、女性が観たら「分かる」と思うところもたくさんあると思います。男性にも女性にも観ていただきたいですし、一度観始めたら、もう止まらないはずです。

■プロフィール
橋本梨菜
1993年9月13日生まれ。大阪府出身。「なにわのブラックダイヤモンド」の愛称で、グラビア・バラエティ番組を中心に活躍。アイドルグループ「sherbet」のメンバーとしても活動中。俳優としての主な出演作は、ドラマ『Chef~三ツ星の給食~』(フジテレビ系/16)、ドラマ『グラぱらっ!』(朝日放送テレビ/25)、映画『はぐれアイドル地獄変』(20)、Webドラマ『キューティーハニー BELOVED ENEMY』(DMMショート/26)など。

■『浅はかなシンデレラたちの婚活大戦争』ストーリー
物語は、結婚相談所の勧めで再び婚活の戦場へと足を踏み入れる主人公・香川菜々(小倉ゆうか)を中心に展開する。そんな彼女の前に最大のライバルとして立ちはだかるのが、豊満なボディを武器に欲望のまま突き進むCAの小泉ヴィヴィアン有紗(橋本梨菜)だ。彼女たちが奪い合う運命の相手は、馬主バッジを胸に輝かせる特級ハイスペック男子・中山真二(スタンミじゃぱん)である。この3人を中心に、あざとかわいい保育士や虚栄心をもつインフルエンサー、場を盛り上げるゲーム会社役員など、一癖も二癖もある強烈なキャラクターたちが参戦し、熾烈な争奪戦と波乱のドラマを巻き起こす。
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