【芸能界ぶっちゃけトーク】
放送開始から60周年を迎えた日曜夕方の長寿番組「笑点」(日本テレビ系)。今月に入って番組公式Xで「笑点がついに……重大発表」とポストしたことで、〈何だ何だ!〉と話題になっていた。
古株の三遊亭小遊三、三遊亭好楽はどちらも79歳なので、どちらかが勇退するのではないか、あるいは2人そろって卒業もある、座布団運びの山田隆夫(69)が交代なのではといった説がネットで取り沙汰されたものだ。
しかし、フタを開けてみれば、「笑点」がテレビコメディーパネル番組(週間)の最長放送となり、ギネス世界記録になったというものだった。〈な~んだ〉と思ったものだが、60年も続くというのはやっぱり凄い。日本中の多くの人が“物心がついた”頃から見ていた番組なのだ。
これが話題になったおかげで注目を浴びたのが林家三平(55)だ。2016年から21年までレギュラーとして活躍。父親が「昭和の爆笑王」の初代・林家三平さんで、兄の林家正蔵も大名跡を継いでいるが、芸風が番組にハマらないとか、大喜利の回答がイマイチなどと言われ、本人が「勉強し直す」と言って番組を降板した。
先月に開催された「笑点60周年特別展」では、歴史を振り返るコーナーに三平の名前がなかったとか散々な言われようだ。しかし、ここで話題になるのはやはり名前があるからだ。
確かに「笑点」という番組には凄い名前が出てくる。中でも僕は故・三平さん(不定期出演)と林家木久蔵(88)の2人だ。木久蔵は、笑点出演中の07年に名前を木久扇と変え息子に2代目の名前を与えている。
この2人の初代がなかなかのもの。普通、落語家は大きな名跡を継ぎたいもので、例えば、林家こぶ平は祖父も名乗っていた正蔵を継いだ。
しかし、「三平」と「木久蔵」は2人が努力でビッグネームに育て上げ、すでに一枚看板となっている。だから2代目の息子は大名跡を継いだようなものなのだ。
亡くなった三平さんを取材した時のこと。スポーツ紙の記者たちが楽屋口で先代を囲んでいると、後ろから若い女性が「三平さん」と声をかけてきた。先代は「お嬢さん、怒っているんじゃありませんが、噺家に呼びかける際は“師匠”と言った方がいいですよ」と諭した。どうやら記者と勘違いしたらしい。横からお弟子さんが「師匠、この方はファンです」と言うと、三平さんは血相変えて「ええっ、三平と呼び捨てにしてください」と返して周囲を笑わせた。
三平さんは大衆に愛されることを何より大事にした。江戸時代から続く林家正蔵、三遊亭円生、古今亭志ん生のように、三平や木久蔵も「〇代目」と呼ばれることが名誉になりそうだ。
(城下尊之/芸能ジャーナリスト)

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