【スージー鈴木のゼロからぜんぶ聴くビートルズ】#84
ビートルズ来日スペシャル④
◇ ◇ ◇
ちょうど60年前のビートルズ来日公演について、ビートルズによる音楽以上によく語られるのは、日本人音楽家によるオープニングアクト、つまり前座である。
参加したのは、ボーカリストとして内田裕也、尾藤イサオ、望月浩。
この中では、望月浩だけが知名度で一段落ちるだろう。当日は1人だけ場違いな「エレキ演歌」=『君にしびれて』を歌っているソロ歌手。
さて、今回はこの名誉ある「ビートルズの前座」を断った男たちについて語りたい。
まずは、のちにザ・ワイルド・ワンズのリーダーとして名を上げ、作曲家としても大成する加瀬邦彦である。
当時彼は、ブルージーンズにいたのだが、前座に出ると、その後、楽屋に閉じ込められ鍵をかけられ、ビートルズのステージが見られないという情報を聞き付け、ブルージーンズを脱退するのだ。
前座を断った男たち、2人目はかまやつひろしだ。こちらはかまやつ単独ではなく、ザ・スパイダースとして前座を断っている。ムッシュかまやつ名義の『ムッシュ!』(日経BP)から、メンバー全員で前座参加の是非を検討するくだり。
「ビートルズと共演すれば箔がつくっていう人もいるけどな」「そんなに大勢の前座のなかの一本じゃあ、しょうがないよ」「やりたいことはやりたいけど……」「オレたちにもプライドってものがあるよな」「そうだな、よし断ろう」
今になって思うのは、もしこのときスパイダースが前座に出ていたら、ということだ。オリジナリティーあふれる傑作『ザ・スパイダース・アルバム№1』(1966年)をすでに4月にリリースしていた彼らのこと。
最後に、加瀬邦彦が信じた「前座は楽屋に閉じ込められてビートルズを見られない」という説は本当だったのか。
いや、実は尾藤イサオと内田裕也が、舞台にほど近い、ほぼ真正面のアリーナにふんぞり返ってビートルズを堪能している写真が残っているのである。
でも、その後の活躍を考えると、加瀬邦彦は、やっぱりブルージーンズを辞めてよかったと思うなぁ。 (この項つづく)
▽スージー鈴木(音楽評論家) 1966年、大阪府東大阪市生まれ。昭和歌謡から最新ヒット曲まで幅広いジャンルの楽曲を、社会的な視点からも読み解く。主な著者に「中森明菜の音楽1982-1991」「大人のブルーハーツ」「日本ポップス史 1966‐2023」など。半自伝的小説「弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」も話題に。日刊ゲンダイの好評連載をまとめた「沢田研二の音楽を聴く1980-1985」、最新刊「日本の新しい音楽1975~」は大好評。ラジオDJとしても活躍。

![【Amazon.co.jp限定】鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 豪華版Blu-ray(描き下ろしアクリルジオラマスタンド&描き下ろしマイクロファイバーミニハンカチ&メーカー特典:谷田部透湖描き下ろしビジュアルカード(A6サイズ)付) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51Y3-bul73L._SL500_.jpg)
![【Amazon.co.jp限定】ワンピース・オン・アイス ~エピソード・オブ・アラバスタ~ *Blu-ray(特典:主要キャストL判ブロマイド10枚セット *Amazon限定絵柄) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51Nen9ZSvML._SL500_.jpg)




![VVS (初回盤) (BD) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51lAumaB-aL._SL500_.jpg)


