死去から4年、かつて自民党内で100人を擁し、権勢を振るった旧安倍派の面々が、われもわれもと「哀悼」アピールだ。東京・有明の東京ビッグサイトで開催中の安倍元首相の回顧展。

命日の8日、同派の有力者「5人衆」の萩生田光一幹事長代行、西村康稔選対委員長をはじめ、黄川田仁志地方創生相、鈴木英敬・政調会長特別補佐、高鳥修一衆院議員らが現地に赴いたことを、わざわざXで報告した。


 萩生田氏は回顧展であいさつ。安倍政治の継承を訴え、こう言い放った。


「この4年間、ややもすれば安倍政治を抹消しよう、こういう力も世の中にはきっとあったんだと思いますけど、われわれはそんなひ弱じゃありません」


 萩生田氏が豪語した通り、確かに旧安倍派の裏金幹部は復権。組織運動本部長に就いた松野博一議員を含め、派閥裏金事件の説明責任をロクに果たさず、高市政権下で党要職に返り咲いた。米国訪問時に安倍元首相のネクタイ代を立て替えたら、本人はすっかり失念。仕方なくプレゼントすると、そのことも安倍元首相は忘れていた──萩生田氏は故人との裏話を披露し、距離の近さを強調。派閥に属さず「安倍後継」を自任する高市首相に対し、「われこそが」とあてこすったようにも聞こえる。



5人衆が影響力を誇示する中…

 それだけ図に乗っている証拠だが、「派閥解散時に何もせず逃げた」と5人衆に不満を抱く旧安倍派議員も少なくない。彼らの「受け皿」を目指しているのが、先の衆院選で政界に復帰した西村明宏元環境相らだ。


「西村さんは裏金事件の逆風が吹き荒れた2年前の衆院選で落選。浪人中も旧安倍派メンバーを集めて情報交換を重ね、『面倒を見てくれた』と5人衆と距離を置く彼を慕う議員も増えている」(旧安倍派関係者)


 その西村氏は8日夜、銀座の日本料理店を借り切り、安倍元首相を偲ぶ会を主催。

官房長官として安倍元首相を支えた菅元首相を招き、稲田朋美元防衛相らが参加した。出席予定者は当初、店の定員の60人を超えたが、直前に「急用が入った」などと5人から欠席の連絡があったという。


 15日夜には萩生田氏らによる別の偲ぶ会が予定され、「より多くの議員を集め、影響力を誇示しようと5人衆が切り崩しに動いた」(ある自民党議員)ともっぱらだ。


 数の力に頼る醜悪な主導権争いもまた「安倍政治の継承」である。


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