福田雄一(57)が総監督・脚本を務めたアニメ映画「新劇場版☆ケロロ軍曹 復活して速攻地球滅亡の危機であります!」が、公開初日から大炎上となった。1日、2日に予定していた舞台挨拶は中止となり、払い戻しされる事態にまで発展している。


 本作とは無関係の「銀魂」「勇者ヨシヒコ」「HK/変態仮面」など、福田監督作品のキャラクターが脈絡もなく出演する展開に、原作ファンは困惑。さらに銀魂の主人公として出演した小栗旬(43)が「しぶしぶやりました」「なんの思い入れもありません」とコメントし、ファンの怒りを買った。


 福田監督は原作を大幅に改変する実写映画をたびたび制作しており、アニメ・漫画ファンからは《福田雄一と聞いて嫌な予感はしてたんだ》《福田監督の私物化、やめてほしい》《いい加減にしろよ》《福田はなんで干されないの?》と嫌悪されている。


 しかし、原作ファンには不評でも4月には目黒蓮主演の実写映画「SAKAMOTO DAYS」など、福田監督は実写化作品を手掛け続ているのはなぜか。


■「福田ブランド」の圧倒的な安心感


 原作ものの作品を多く手掛ける映画業界関係者は「原作と実写作品の乖離はどんなに気をつけても起こる問題で、業界内では誰もが“明日は我が身”という感覚がある」と話す。


 そんななか実写映画「ヲタクに恋は難しい」「聖☆おにいさん」などで、過去に何度も酷評されてきた福田氏が、監督に抜擢され続ける理由とは。


「映画やドラマは企画を通し、出資者や製作協力を募るところから始まります。実績も豊富で知名度もある福田監督は、出資者にとっては圧倒的に安心感がある。出来上がりのテイストもある程度想像でき、企画が通りやすいのです。原作者や出版社にとっても有名監督というブランドは商売上の箔になりますし、メディアも“福田雄一監督作品”という触れ込みがあれば取り上げやすい。また、皮肉ですが炎上することで注目が集まるという側面もあると思います」(映画業界関係者、以下同)



映像化成功の「鍵」を握るのは誰か

 今回の「新劇場版☆ケロロ軍曹」に限らず、映像化する際に原作ファンは忠実な脚本を求めるが、限界がある。特に実写化の際はそれが顕著だ。


「監督も脚本家も役者も、与えられた仕事をまっとうすることに命を懸けるもの。ですが、マンガの1コマを映像化するだけでもロケハン・撮影・エキストラ手配など何十倍もの労力がかかる。業界ではこれを“カロリーが高い”と言いますが、その取捨選択が実写化の難所です。その中で制作側は、原作どおりに再現すること、興行的に成功させること、原作ファン以外も呼ぶために個性を出すこと…この3つの間で常に揺れています」


 監督に全責任があるというわけではない。


「今回の件も福田監督の暴走というより、彼の作風を理解した上で起用し、制御しなかったプロジェクト全体の問題だと思います。映像化の成否を左右するのは、原作者と現場の間に立つプロデューサーサイドでしょう。その点でいえば、『おそ松さん』の実写化はうまかった。アニメの実写化として寄せるのではなく、Snow ManやAぇ! groupのアイドル映画として仕立てることで、原作ファンに“別物”だと納得させる手際がありました」


 問題となった今回の「新劇場版☆ケロロ軍曹」は公開3日間で動員10.2万人、興行収入1.5億円超の好スタートを切った。炎上しても話題になれば勝ち、なのか。


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