延長国会の会期末が25日に迫る中、自民党と連立を組む日本維新の会肝いりの「副首都法案」が崖っぷちだ。
東京が被災した場合に備え、首都機能をバックアップする副首都が必要──とはもっともらしい理屈だが、実態は2度も否決された「大阪都構想」を諦めきれない維新の、維新による、維新のための法案。
「ありえない、ありえない!」──。22日、副首都法案が審議入りした参院特別委員会で、国民民主党の山田吉彦議員がこう怒りをにじませる場面があった。直前に山田氏は首都機能の代替に関し、「日本の象徴である天皇陛下についてどのように議論してきたのか」と質問。法案提出者である自民の簗和生衆院議員が「事務的には宮内庁において、法案成立後に危機管理上の観点から議論を深めていただきたい」と答弁していた。
山田氏は「ありえない×2」と語気を強めた直後、すぐに「ちょっと怒ってしまいました」と相好を崩したが、実は続きがある。翌23日の参院特別委で、国民民主の足立康史議員が「山田先生がきのうの質疑で大変重要な指摘をされました」「皇室についてであります」と切り出し、「皇室は(法案の)第2条に定義する『首都中枢機能』に含まれますか?」と問うたのだ。
これに対し、法案提出者の維新の岩谷良平衆院議員は「首都中枢機能は立法・司法・行政、また経済の中枢的なものをいう」などと回答。曖昧な答弁のせいで速記が止まる場面もあったが、最終的に「首都中枢機能に皇室は含まれる」と答えた。
■「皇室の安全確保」は宮内庁に丸投げ
しかし、法案に「皇室の安全確保」については盛り込まれていない。足立氏は「霞が関(行政)については本則に、国会(立法)と裁判所(司法)については付則に書いてある」と指摘。「皇室・皇族の皆さまの安心・安全をいかに守るかについては一切書いていない」「なぜ、首都中枢機能に含まれる皇室についてひと言も書いてないんですか?」と迫った。
ところが、岩谷も簗と同様に「事務的には宮内庁が対応することになる」と丸投げ。あまりのズサンさに、足立氏は「もう論外ですね」「答弁になっていないので、理事会でしっかり書面で対応いただくよう検討いただきたい」と呆れていた。
「立法府の総意」を得ない皇室典範改正の片棒を担いだうえ、皇室軽視の副首都法案をゴリ押しとは、本当に維新は保守なのか。
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