【あの頃、テレビドラマは熱かった】


「その気になるまで」(1996年/TBS系)


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 アムロにglоbeにトモちゃん……小室ファミリーのサウンドがあちこちで聞こえていた1996年春。フジテレビでは月9で木村拓哉(当時23)と山口智子(同31)の「ロングバケーション」が始まり、“瀬名”と“南”の物語は今でも語られる伝説となる。


 そんな春、TBS系の日曜劇場で始まったのが、明石家さんま(同40)主演の「その気になるまで」だった。


 脚本の鎌田敏夫ほか、「男女7人夏物語・秋物語」のスタッフによる“男女7人から10年経った、中年になった良介”というコンセプト。と言っても役名も設定も違って、さんまは母親と同居生活を送っているバツイチのサラリーマン“田口賢一”だった。


 ただ、キャラクターはあの“今井良介”の延長線上だったし、ひょんなことから出会った男3人+女4人の7人による行方の分からないラブコメなのが、同じと言えば同じか。男は、さんまの他に赤井英和(同36)と佐野史郎(同41)。2人ともTBS金曜夜9時とか10時とかで常連だった。女は手塚理美(同34)、山下久美子(同37)、秋野暢子(同39)、細川ふみえ(同24)。確か、さんまのセフレみたいな役で森口瑤子(同29)も出ていたっけ。


 今でこそ“民放連ドラナンバーワン”枠で、派手な印象の日曜劇場だけど、当時はまだ連ドラ枠になって4年目。休日のサラリーマンをターゲットにしていた頃だ。ショーケンがお人よしの課長サンだったり、マサカズ様がカミサンの悪口を言ってたり。まあ、さんまもサラリーマン役だから、その流れか。


 でも“リーマンあるある”よりも“恋愛あるある”のほうが濃いめだったのは、この枠としては新しかったかもしれない。でもでも、「恋愛はファンタジー、結婚は現実」とか、「寂しさってね、瞬間接着剤みたいに人をくっつけてしまうの、あっという間に」みたいな“鎌田節”がこの枠に合っていたかどうかはビミョーだ。


 主題歌のイーグルスの名曲「ホテル・カリフォルニア」も、どこか狙いすぎというか、こそばゆい印象ではあった。


 だらだらと書いてしまったけど、96年の春は日曜9時がさんま、月曜9時がキムタクだった……という話。どうしても96年のドラマというと「ロンバケ」しか語られないから、同じクールにさんまもいたことは明らかにしておきたかった。


 そしてキムタクは2000年に「ビューティフルライフ」で日曜劇場に初登場、それから月9と日9を行き来することになる。ちなみに、さんまが日曜劇場に再登場するのは11年後の「ハタチの恋人」(07年、長澤まさみとダブル主演)だ。


(テレビコラムニスト・亀井徳明)


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