〈皇室典範を再び改正して、女性の天皇を認めることに「賛成」は85%で、「反対」は8%だった〉──「愛子天皇」の誕生を拒む政権にシレッと怒りと意地をぶつけていた。7月27日付の読売新聞朝刊の1面。

同24~26日に実施した全国世論調査の結果を報じていたが、目を引いたのは皇室典範の改正を巡る「質問と回答」である。旧宮家の男系男子を対象にした養子制度の創設と女性皇族の身分保持について、世論の評価を伝えた最後の最後、冒頭の衝撃的な調査結果を掲載したのだ。


 改正皇室典範は17日に国会で成立し、24日に公布されたばかり。施行は3カ月後の10月24日だ。まだ施行前である改正法の「再改定」を前提とした世論調査の質問自体が極めて異例。そこにあえて踏み込んだのは、読売の強い決意の表れだ。


「男系」に固執する高市政権の改正皇室典範は、男尊女卑の古臭い思想ムキ出し。「静謐な環境」も「立法府の総意」も蹴とばす拙速な姿勢に対し、読売は「改正反対」の急先鋒と化していた。


 6月9日の〈皇位継承の安定 国民の総意へ議論仕切り直せ〉と題した社説では〈皇族数確保が目的と言いながら、実際は男系男子による継承の維持に道筋を付け、女性・女系の継承をあらかじめ封じようという意図が透けて見える〉として、政権の“だまし討ち”を痛烈に批判。


〈皇室典範改正案 「旧宮家」へ皇統が移る恐れも〉(7月1日付)


〈皇室典範改正案 審議を徹底して問題点ただせ〉(7月9日付)


〈皇室典範改正案 根幹変える質疑が3時間とは〉(7月11日付)


 この問題に関する7月以降の見出しを並べただけで強い危機感がにじむ。


 そして改正皇室典範成立の翌日、18日の社説では〈皇室典範改正 象徴天皇制の根幹を傷つけた〉と題し、乱暴な制度変更を批判した上で〈典範は改正されたとしても、その施行を凍結することも躊躇してはならない〉と主張。〈国会と政府は直ちに、現在の皇室をいかに継承していくかを正面から検討し、皇室典範再改正を急がねばならない〉と訴えたのである。


 今回の異例の質問は、読売の並外れた怒りを世論に問うたものだ。85%もの賛意を得たことで、ますます政権批判を強めるに違いない。曲がりなりにも日本最大の発行部数を誇る読売新聞も「敵」に回し、支持率急落の高市政権の命運は暗転の一途である。


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