【「GTO」この生徒役に注目】#5


 大島美優(鈴木百花役)


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 ドラマ「GTO」(カンテレ・フジテレビ系)の第1話で、生徒役の中で最初に言葉を発したのは、大島美優が演じる鈴木百花だった。生徒たちと初めて対面して自己紹介しようとする鬼塚に対し、彼女は「検索したからもういいです」とやんわり断る。

物事をはっきり言う、クールなキャラクターのようだ。


 大島美優は2009年11月19日生まれ、埼玉県出身。22年に日曜劇場「マイファミリー」に二宮和也の娘役で出演したほか、24年度後期NHK連続テレビ小説「おむすび」では仲里依紗が演じたヒロインの姉の親友・真紀を好演した。


 朝ドラで少女時代役を演じて注目された女優には、「おしん」の小林綾子、「ふたりっ子」の三倉茉奈・佳奈、「ごちそうさん」の豊嶋花(杏が演じたヒロインの幼少期)、「おちょやん」の毎田暖乃(杉咲花が演じたヒロインの幼少期)らがいる。「GTO」には、「ちむどんどん」で黒島結菜の少女時代を演じた稲垣来泉も出演している。


 大島美優の場合は、ヒロイン自身ではなく、姉の親友の学生時代役だという点がほかの例とは異なる。しかも、震災で亡くなったその親友によく似た詩という少女の役で再登場して、性格が正反対な2役を演じ分けた。


 彼女が「GTO」で演じている百花は、朝ドラでの2役のどちらのイメージとも違う。普通の演技力の俳優が演じると、ただの嫌な子に見えてしまいかねない難しい役だが、表現力豊かで「美しさ」と「優しさ」を秘める大島美優が演じると、その裏にある陰と温かさがちゃんと伝わってくる。


「GTO」では週ごとに生徒役の中の誰かがその回のストーリーの中心として活躍して、鬼塚が「決めよう」と提案したあだ名が決まり、鬼塚のことを理解する仲間が徐々に増えていく。大島美優が演じる百花が、彼女のメイン回でどう変化するのか、ワクワク感しかない。


 彼女は間違いなく近い将来に連ドラの主演級で活躍する女優だが、清原果耶古川琴音に通じる切れ味のある演技を見せるので、濱口竜介(「ドライブ・マイ・カー」「急に具合が悪くなる」)、三宅唱(「きみの鳥はうたえる」「ケイコ 目を澄ませて」)、中野量太(「湯を沸かすほどの熱い愛」「私はあなたを知らない、」)など重さを秘めた世界観が魅力的な叙情派の監督による映画も似合いそうだ。


 100人の監督が彼女を主人公に作品を描けば、100種類の大島美優が生まれると思う。彼女は、そういう魅力を持った女優だ。


(高倉文紀/女優・男優評論家)


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