【芸能界クロスロード】


 夏ドラマは前評判通りTBSの日曜劇場「VIVANT」が圧倒的な強さを見せている。3年ぶりとなるシリーズ第2弾も海外ロケを敢行。

さらなるスケールアップと、堺雅人阿部寛松坂桃李ら主演クラスが重厚な演技を見せている。


 初回の平均視聴率18.8%(ビデオリサーチ調べ・関東地区・世帯=以下同)は放送中の朝ドラ「風、薫る」の最高視聴率を上回り、配信の再生回数は歴代最高の642万回を記録した。早くも今年のドラマナンバーワン候補に挙がっているが、期待も含めた初回の数字。2話以降の視聴率がどう推移するかが注目される。


 今年70年を迎える日曜劇場はNHKの朝ドラ、大河と並ぶドラマ界のブランドだ。芸能界でも「脇でも注目度は上がり、ステップアップにつながる。出番を狙う俳優もいる」という。


「VIVANT」が話題を独占しているが、他局のドラマは蚊帳の外。なかでもフジテレビの伸び悩みがやはり目立つ。


 “月9”「ブラックトリック」には12年ぶりの連ドラ出演になるGACKTが主演。初回は6.2%とテレビ離れと言われて久しい今なら及第点だが、話題性に乏しくそう期待できない。


 放送前は期待値の高かった反町隆史の「GTO」。

初回の6.4%から2話にして4.8%にダウンした。


「1998年版は、バブル崩壊後の混沌とした90年代の時代背景と型破りな先生役を演じた若い反町だから良かった。28年ぶりに復活と言われても、今さらという感じ」と往年のファンも戸惑う。視聴率が2話にして下がったことに先行きの不安が漂う。


 反町は4年前に「相棒」を卒業後、主演を張ってきたが、代表作になるようなドラマはまだない。今年の1月期の「ラムネモンキー」は大森南朋津田健次郎のトリプル主演だったが、3%台と低調に終わった。


「そろそろカッコ良さから抜け出すような役が欲しい年齢」と言われている反町。俳優生活32年、転機を迎えている。


 今期のフジでは3人の主演女優が話題を集めた。小池栄子(写真)の「さよならノワール」、内田有紀の「ラストノート」、仲里依紗の「Tokyo middle30」と、主演としては馴染みの薄い3人。フタをあけてみれば小池、内田は3%台の視聴率。仲は2%台と振るわない。

9時、10時台のドラマとしては厳しい数字になっている。


 今期の目玉として主演に抜擢したのだろうが、3人は主演というより脇役のイメージの強い女優。


 小池はグラドルから演技派女優としての地位を確立。大河「鎌倉殿の13人」の北条政子役など三谷幸喜作品に欠かせない存在だ。


 芸能生活34年になる内田は、ショートヘアの似合うアイドル女優として人気を博した。かつては主演ドラマもあったが、近年は「ドクターX」など脇役で存在感を放っている。今年4月の柏原崇との再婚で話題性もあったが、視聴率に結びついていない。


 仲はモデルから女優に転身。現在、1児の母として発信するYouTubeの登録者数は200万人超えの人気だが、やはり脇役が適任。2年前の朝ドラ「おむすび」、「不適切にもほどがある!」などで存在感を放っていた。テレビ関係者の話。


「女優は長澤まさみが仕事をセーブし、綾瀬はるかは映画に重心を置くなど、主演を任せられる女優が案外少ない。

蒼井優や宮崎あおいらママさん女優の復帰組に頼っているのが現状。新たな主演女優として小池らに白羽の矢を立てたのでしょうが、脇のイメージが定着した人たち。主演で数字を取れるかは未知数」


 フジの自滅(?)で「VIVANT」がより際立っている。


(二田一比古/ジャーナリスト)


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