【芸能界クロスロード】


 結婚の次は脱退──。


 CDデビューして12年を迎えた7人組アイドルグループWEST.に存続危機が囁かれている。


 8月9日にメンバーの重岡大毅と濵田崇裕が結婚を発表。重岡にはすでに第1子も誕生していた。昨年1月に桐山照史、10月に神山智洋が結婚。これで7人中4人が既婚者になった。ファンのショックも癒えぬ間に今度は藤井流星小瀧望が8月30日にグループからの脱退を発表した。


 最年長・38歳の中間淳太だけが身辺に変化なく在籍するが、グループのあり方を含め今後のことは「協議中」とされている。


 旧ジャニーズ時代から脱退者の出るグループは珍しくない。「NEWS」「KAT-TUN」「Hey!Say!JUMP」「関ジャニ∞(現・SUPER EIGHT)」と脱退者が出てはメディアを賑わせた。


 脱退の理由は一様に「方向性の違い」と仕事面を強調する。長年グループを続けていれば衝突はつきものだが、アイドルならではの理由も見え隠れしていた。


「アイドルになりたい」と事務所に入って来る少年の最終目標は個人としての安定した活動と人気だ。


 グループ活動は目的ではなく、俳優やタレントになるための手段に過ぎない。


 藤井はジャニーズに入所して20年、小瀧も18年経つ。すでに30代前半になった。この先の芸能生活を考えれば不安になる時期だろう。メンバーのひとりとしてアイドルを続けるか、個人活動に専念するかで悩む。結果、「脱退という道を選んだ」という見方が自然だろう。


 個人活動に軸足を移すには遅いかもしれないが、その背景にあるのが近年のアイドル寿命の長さ。


「ジャニーズはソロアイドルを売り出した時期もあったが、思うほど売れず。創成期の原点に戻りグループづくりにシフトして成功した」(芸能関係者)


 故・ジャニー喜多川氏の直感で選んだ子でグループを結成。1987年に誕生した“光GENJI”を機にSMAPと次々と人気アイドルグループを世に送り出した。グループと個人活動の両立で人気の長さがグーンと伸びた。


「アイドル人気は5年ぐらい」の常識を覆し、SMAPは28年、嵐は実質21年続いた。国民的なアイドルの出現により生まれたのが目詰まり現象だった。


 嵐のようなトップを頂点にピラミッド型でできているアイドル界。上が落ちなければ、下は上がれない。WEST.が活動していた頃、トップにいたのが嵐。冠番組はグループだけでなく、個人でも櫻井翔二宮和也ら全員が番組をほぼ独占。後輩の入る余地はなかった。そこに次々とデビューしてくる後輩グループ。その下には、脱退者は出たが、依然と人気の高い“King & Prince”。すでに冠番組を持つ“SixTONES”や“Snow Man”が追い越していく。さらに“なにわ男子”も頭角を現してきた。まさに上と下からの板挟み状態に見える。


 関西ジュニア出身の藤井も小瀧も個人としては俳優活動をメインにしている。藤井は今年1月期、深夜ドラマで主演しているが、まだ代表作には恵まれない。

小瀧も俳優としてはまだ発展途上にある。うかうかしている間に後輩にあたる“Aぇ!group”の佐野晶哉が朝ドラ「風、薫る」のシマケン役で注目を浴び「今後、俳優としてさらなら飛躍が期待されている」と言われている。


 メンバーの相次ぐ結婚に後輩の台頭。2人を取り巻く環境が脱退を決意させたか?


(二田一比古/ジャーナリスト)


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