【スージー鈴木のゼロからぜんぶ聴くビートルズ】#135


 アルバム『パスト・マスターズvol.2』(1988年3月7日発売)③


  ◇  ◇  ◇


■『ヘイ・ジュード』②


 前回に加えて、この曲のさらなる魅力として、「シャウター」としてのポールの魅力が満喫できることがある。


 コード進行がシンプルな分、ポールがブルージーなアレンジやシャウトを自由自在に決めているのが何とも心地よい。


 というわけで今回は『ヘイ・ジュード』のポールの歌&シャウトの聴きどころ一覧を作成した。数字は、記事左下のQRコードからアクセスできるユーチューブの再生時間を示している。実際に再生していただき、それぞれの時間になったら聴こえてくるポールの狂気に耳を澄ませてほしい。【オリジナル記事で試聴する


【0:39】「♪アー」と入ってくるバックコーラスが初期ビートルズっぽくて美しい。


【1:45】ポールのリードボーカルとジョンのハーモニーが美しく絡み合う。このあたり三つ子の魂を感じさせる。


【2:15】「♪ドンチュー・ノウ・ザット・イッツ・ジャスト・ユー」と1番とはメロディーを変えてアレンジするのがかっこいい。


【2:39】ここでも「♪ヘイ・ジュゥゥゥゥー」と、節回しを変えてアレンジするのがたまらん。明らかにポールが乗ってきている。


【2:42】上にポール、下にジョンという「三つ子の魂ハーモニー」発進。


【3:07】ボーカル全員が上の上のFという殺人的高音に到達。


【3:49】ここでオーケストラがドーンと入っている。

さすが8トラックという音の厚みだ。ちなみにこの曲がビートルズ初の8トラック録音である。


【3:59】「♪ジュッジュール・ジュレジュレジュレジュレ・アーオッワオッ」とポールがいよいよ狂気ゾーンに入る。料理の「ジュレ」とは無関係。


【4:12】「♪ジューッジューッ・ジューッジューッ・ジュウウ」。お好み焼きの鉄板か。


【4:25】「♪(聴き取り不能)」。ポールのシャウトはより激しくなり、さらなる狂気へ突入。


【4:38】「♪ジュード・ヘイ・ジュード・ワーーーーオッ」とポールが志村けん化(『東村山音頭』の一丁目)。


【5:30】「♪ナナナナナナナナナナナー」と、ここではポールがジョイマン化してしまう。


【6:08】「♪エエエエイェー・イェー・イェー・イェー・イェー!」。ポールの狂気のピーク。

松鶴家千とせ化。イエーイ。


 以上、ずいぶん妙な記事になってしまったが(あと例えた芸人が古い……)、このリストを見ながら聴いて、ぜひ『ヘイ・ジュード』の重度のマニアになっていただきたい。イエーイ。


▽スージー鈴木(音楽評論家) 1966年、大阪府東大阪市生まれ。昭和歌謡から最新ヒット曲まで幅広いジャンルの楽曲を、社会的な視点からも読み解く。主な著者に「中森明菜の音楽1982-1991」「大人のブルーハーツ」「日本ポップス史 1966‐2023」など。半自伝的小説「弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」も話題に。日刊ゲンダイの好評連載をまとめた「沢田研二の音楽を聴く1980-1985」、最新刊「日本の新しい音楽1975~」は大好評。ラジオDJとしても活躍。


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