東洋一のサウンドマシーン「クレイジーケンバンド」が通算26枚目のアルバム「何?」を明日(16日)リリース。フロントマンの横山剣に、ニューアルバムに込めた思い、そしてアルバムに収録されている「口笛を吹きながら夜を行け」を作詞した作家の五木寛之との出会いについて聞いた──。

(全2回の前編)


 ──今回のアルバムはバリエーションが豊かで、いつにも増して、一曲一曲の振り幅が大きく感じました。


「普通同居しないジャンルが同居してる感じですよね。かまやつひろしさんの『我が良き友よ』のシングルは、A面が吉田拓郎さん作詞作曲の『我が良き友よ』で、B面は、ガラッと変わって『ゴロワーズを吸ったことがあるかい』というバリバリのジャズファンクなんですよ。そういう振れ幅の大きいものが共存する自由さには影響を受けているところがありますね」


 ──収録されている、クレージーキャッツのカバー曲「アッと驚く為五郎」も強烈です。


「あの歌詞は、今の時代、ギリギリかも知れない。でも、不謹慎なんだけど、親子愛も感じるし、ちゃめっ気があって、いい歌だなって。昭和時代のおおらかさを若い世代にも知ってもらいたいという思いもありました。“アッと驚くタメゴロ~!!”のセリフ部分は、ハナ肇さんに声色が似ているメンバーのスモーキー・テツニがやったんですが、バッチリでした」


 ──それに続く「何?」ってフレーズがそのままアルバムタイトルになっているんですね。


「いろんなものがごった煮で、『何、これ?』と思うようなアルバムになればいいなという思いがありました。まあ、自分のやりたいことをやってるだけなんですけどね(笑)」



五木さんも曲と歌唱を喜んでくださって、すごくうれしかった

 ──そんな中の一曲に五木寛之さん作詞の「口笛を吹きながら夜を行け」があります。


「五木さんの歌詞に曲を付けることは、最初はすごくプレッシャーがありました。だけどいただいた歌詞は、すでにリズムになっていて、すぐにメロディーが思い浮かびましたね。

マイナー調の暗いメロディーなんですが、力強く、どこか明るい。短調の曲を明るく力強くやりたいって、五木さんからお話もあったんですが、そうだなと思って」


 ──「タイガー&ドラゴン」を思い出しました。


ズドン、ズドンとくる感じですね。でも、時代は先が見えない暗い夜だけど、それを深刻に捉えるばかりじゃなく、口笛を吹いて、おどけたステップを踏みながらやり過ごそう、と。粋な感じがしましたね。五木さんも曲と歌唱を喜んでくださって、すごくうれしかったです」


 ──そもそも異色のふたりを引き合わせたのは「車」だったとか。


「もともと、五木さんの『雨の日には車をみがいて』が大好きで。徳大寺有恒さんと生前、何度かお会いした時にも、よく五木さんの車の話を聞いていました。人気車でなくとも自分の思い入れの強い車が好きというスタンスが似ていて。『シムカ』とかね。お会いしてみると、まさにお互い“車フェチ”で一気に意気投合したんです」 =後編につづく


(聞き手=平川隆一/日刊ゲンダイ)


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▽クレイジーケンバンド26thアルバム「何?」(ユニバーサルミュージック) 「アッと驚く為五郎」「口笛を吹きながら夜を行け」以外にも、連続時代劇「心配無用ノ介 天下御免」(BS-TBS)のエンディングテーマ「心配無用節-無添加-」や、宮藤官九郎作詞の「狂い咲きセカンド・バージン・ロード」などなど、名曲揃いの豪華絢爛必聴版。ジャケットにも「何?」と思わせるギミックが盛り込まれている。


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