【スージー鈴木のゼロからぜんぶ聴くビートルズ】#136


 アルバム『パスト・マスターズvol.2』(1988年3月7日発売)④


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■『レボリューション』


 シングル『ヘイ・ジュード』(68年)のB面。ジョンはA面を望んだというが、ポールが繰り出したのが天下の『ヘイ・ジュード』なのだから、相手が悪かった。


 私はてっきり、シングル版の録音の方が先で、『ホワイト・アルバム』(68年)収録『レボリューション1』の方が後と思っていたのだが、実はアルバム版が先だったという。「1」をテンポアップして、ハードな音にしたら、シングルA面になるかと思ったら、『ヘイ・ジュード』が立ちはだかったという顛末。


 そう、音がハードなのだ。ビートルズというよりは、数年後のT・レックスの音という感じだ。


 ここでおすすめしたいのが、公式ミュージックビデオだ(試聴リンク参照)。残念ながら演奏はカラオケなのだが、ボーカルと一部楽器は生。


 そして、何といってもレコード音源にはない、「♪パッ・シュビドゥワ」というポールとジョージのバックコーラスが何度も全編に入っている。これがめちゃくちゃかっこいい。


 本連載は、もう『アビイ・ロード』まで紹介済み、解散を目の前にした段階。だからこそ、フロントマン3人のうち、リードボーカル以外の2人がコーラスでばっちりサポートするという、初期によく見られたこの姿こそがビートルズなんだよなぁ、とあらためて痛感するのである。【オリジナル記事で試聴する


 さて、ビデオの再生時間「1:52」から始まる、エレクトリックピアノのソロに耳を澄ませてほしい。少し聴き取りづらいのだが、何ともテクニカルなソロが決まっているではないか。

弾いているのは「5人目のビートルズ」のビリー・プレストンに負けないぐらい有名なキーボーディスト、ニッキー・ホプキンス。


 代表作は、ビートルズ関連で言えば、この曲に加えて、ジョンのソロ『ジェラス・ガイ』(71年)のイントロだろう。あとはローリング・ストーンズ『シーズ・ア・レインボー』(67年)のイントロとか。


 最後に。タイトルがなぜ「レボ“リュ”ーション」なのか。正しい発音は「レボ“ル”ーション」という感じで、ジョンもそのように歌っているのに。なぜか「ル」が「リュ」になってしまい、日本で定着してしまった。


 この「リュ」の響きがちょっと間抜けに感じるのは私だけだろうか。ここはひとつ、佐野元春風に「さよなら『レボ“リュ”ーション』」と言ってみたい。


▽スージー鈴木(音楽評論家) 1966年、大阪府東大阪市生まれ。昭和歌謡から最新ヒット曲まで幅広いジャンルの楽曲を、社会的な視点からも読み解く。主な著者に「中森明菜の音楽1982-1991」「大人のブルーハーツ」「日本ポップス史 1966‐2023」など。

半自伝的小説「弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」も話題に。日刊ゲンダイの好評連載をまとめた「沢田研二の音楽を聴く1980-1985」、最新刊「日本の新しい音楽1975~」は大好評。ラジオDJとしても活躍。


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