日本とフィリピンの国交正常化70周年の節目を記念し、名古屋市中区の久屋大通公園エディオン久屋広場にて「フィリピンエキスポ2026 in 名古屋」が6月19日から21日までの3日間にわたり開催された。同エキスポの名古屋での開催は今回が初。
会場は連日、極彩色の熱気に包まれ、本場の味を求める人々や新機軸のエンターテインメントに沸くファンで埋め尽くされた。3日間の熱狂の模様と、来場者の心と体を癒やしたフィリピン政府観光省ブースの取り組みについて、現地から詳細にレポートする。

その他の写真:「フィリピンエキスポ2026 in 名古屋」

 東海地区初上陸、朝から途切れぬ大行列と地元メディアの注目

 梅雨の晴れ間の青空が広がった名古屋・栄。その中心に位置するエディオン久屋広場に、フィリピンと日本の国旗が力強く翻った。2国間の外交関係樹立70周年という記念すべき年に実現した初の名古屋開催は、主催者の予想を遥かに上回る大盛況となった。初日の開場直後から、会場内にずらりと並んだ飲食ブースの前には長蛇の列が出現。伝統的な豚肉の甘辛炒め「シスィグ」や、ジューシーな「フィリピン風焼き鳥」、ひんやりとした国民的スイーツ「ハロハロ」などの香ばしい香りが立ち込め、訪れた人々は本場の味に舌鼓を打っていた。

 この熱気は、名古屋メディアからも高い注目を集めた。地元有力報道機関がこぞって取材に訪れ、その賑わいを広く伝えた。番組や紙面を通じて紹介されたことで、中京圏全体におけるフィリピン文化への関心の高さが実証された形だ。単なる一過性のグルメイベントに留まらず、両国の深い絆を地域社会に再認識させる極めて説得力のある文化交流の場として、メディア各社からも高く評価された。

 興奮の坩堝と化した新プログラム――バスケとボクシングの衝撃

 今回の名古屋開催において、これまでのエキスポにはない全く新しい試みとして観客を大興奮させたのが、スポーツを軸とした体験型・観戦型の特設プログラムである。
フィリピンにおいて国技とも言える絶大な人気を誇る「バスケットボール」と、世界的スターを多数輩出してきた「ボクシング」の試合が特設ステージ周辺で展開された。

 ピッチ上に設けられた即席のコートやリングでは、目を見張るようなスピード感あふれるプレーや、迫力に満ちたミット打ち、エキシビションマッチが披露された。音楽に合わせて繰り出されるダイナミックなパフォーマンスに、会場のボルテージは最高潮に達した。国境を越えて純粋にスポーツを楽しむ歓声と熱い拍手が響き渡り、まさに言葉の壁を越えた連帯感が会場全体を包み込んでいた。これまでにない臨場感溢れるエンターテインメントの導入は、エキスポの新たな可能性を切り拓く記念碑的な企画となった。

 フィリピン政府観光省ブースが放つ魅力、「LOVE THE PHILIPPINES」の精神

 数ある出展の中でも、ひときわ洗練された存在感を放ち、連日多くの人々を魅了し続けたのが「フィリピン政府観光省ブース」である。「LOVE THE PHILIPPINES(フィリピンを愛そう)」という色鮮やかで力強いスローガンが掲げられたブースは、一歩足を踏み入れるだけで、南国の温かさと豊かな自然を感じさせる美しい装飾で彩られていた。将来的な現地への移住やリタイアメント生活を提案する案内も並び、熱心に質問を重ねるシニア層や家族連れの姿が印象的であった。

 そして、人気を博したのが、私が大使を務めるフィリピン伝統療法「ヒロット」の10分間1000円体験コーナー。

 【解説】フィリピン伝統療法「ヒロット(Hilot)」とは? ヒロットは、数世紀にわたりフィリピンの地で受け継がれてきた、心と体のバランスを整えるための伝統的な自然療法である。単なるマッサージの域を超え、体内のエネルギーの流れを阻害する「冷え」や「滞り」を素手で探り、ココナッツオイルなどを用いて優しく、時に力強く押し流していくことで、人間が本来持つ自然治癒力を引き出すことを目的としている。

 観光省ブース内に特設されたヒロット体験スペースでは、都会の喧騒を忘れさせるリラクゼーションの時間が提供された。
日頃のデスクワークやイベント散策で肩や首に疲れを溜めた来場者たちが椅子に腰掛け、セラピストの施術を受けると、わずか10分間の間にみるみる表情が和らいでいく。施術を受けた参加者からは、「驚くほど体が軽くなった」「じんわりと芯から温かくなるのを感じた」といった感動の声が相次いだ。フィリピンの豊かな知恵が詰まったホスピタリティに直接触れていただくことで、現地へ「癒やしの旅」に出かけたいという機運を格段に高める素晴らしい機会となった。

 絆を深めた3日間、未来へ紡ぐ両国の文化交流

 3日間にわたる日程を終え、大盛況のうちに幕を閉じたフィリピンエキスポ2026 in 名古屋。初めての地での開催という挑戦は見事に結実し、来場者に「忘れられないワクワク感」と「フィリピンへの深い愛着」を植え付けることに成功した。

 食、スポーツ、そして「ヒロット」に代表される伝統癒やし文化。多様な角度からフィリピンの真の魅力に触れた名古屋の人々の笑顔は、70周年を迎えた両国の外交関係が、今後さらに草の根レベルで強固なものになっていくことを確信させるに十分なものであった。政府観光省フィリピン盛り上げ隊の一員として、またヒロット大使として、この素晴らしい熱狂のバトンを次なる機会へと繋げ、これからもフィリピンの魅力を日本全国に発信する。
【執筆:政府観光省フィリピン盛り上げ隊 山口理津子ヒロット大使】
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