中国北京市中心部の最高層ビル「中国尊(CITICタワー)」への小型機激突事件を受け、欧米主要メディアは2026年6月29日から30日にかけ、首都防空網の決定的な脆弱性として「至近距離からのドローン攻撃」への無力さを相次いで指摘した。今回の事件は、高高度や遠距離からの侵入を想定した軍事用防空システムが、低空を飛来する小型機に突破された事実を露呈させた。
さらに欧米の軍事・治安専門家は、過密なビジネス街の死角から発進する小型ドローンに対しては、最新技術をもってしても防御はほぼ不可能との見解で一致している。

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 英フィナンシャル・タイムズ電子版は30日、都市型ドローンテロがもたらす「非対称戦」の脅威を詳細に分析した。同紙は、仮にテロリストが中国尊から数百メートルの距離にある高層ビルや路上から爆発物搭載ドローンを発進させた場合、北京周辺に配備された最新鋭の地対空ミサイルやレーダー網は一切機能しないと断言した。至近距離からの急襲では、検知から着弾までの猶予が数秒から十数秒しかなく、防空部隊が迎撃態勢を整える前に目標到達を許すためである。同紙は「北京の防空システムは国境外からの正規軍の脅威には堅牢だが、都市内部の隙間を突くテロリストには無力に近い」と厳しく論評した。

 米ウォール・ストリート・ジャーナルは29日付で、中国当局が重要施設周辺に展開する「対ドローン妨害電波(ジャミング)システム」の限界を指摘した。北京中心部にはドローンのGPS信号や通信電波を遮断する強力な電子戦装備が存在する。しかし近年の商用ドローンは外部通信に依存しない自律飛行技術や、搭載カメラ映像から自己位置を推定する「ビジュアル・オドメトリ」機能を備え、電波妨害が通用しない事例が増加している。加えて超高層ビルが林立する環境では電波が複雑に反射・遮断され、ジャミングの効果が及ばない「電波の死角」が無数に生じる。同紙は米情報機関関係者の分析を引用し「ビルの谷間から自律飛行で突如現れるドローン群を完全に阻止する技術は、現時点の中国治安当局には存在しない」と伝えた。

 仏ル・モンドは30日、この技術的限界が習近平政権に突き付ける致命的な治安上のジレンマを報じた。至近距離からのドローンテロを完全に防ぐには、北京市中心部全域で民間電波の常時遮断や市民のスマートフォン利用制限といった極端な措置を日常的に強いるしかなく、それは国家資本主義の中心地である北京の経済活動を自ら麻痺させることを意味する。
同紙は「今回の小型機激突事件は、ハイテク監視国家の限界と都市部における至近距離攻撃という防ぎ得ぬ脅威を白日の下にさらした」と総括し、体制への心理的・政治的打撃の大きさを強調した。
【編集:af】
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