中国遼寧省大連で2026年5月から拘束されていた富士電機グループの日本人社員2名が、6月中下旬に地元税関当局に逮捕されていたことが7月1日に判明した。容疑は「国家輸出入禁止貨物密輸罪」である。
通常のビジネスパーソンが、当局の恣意的な法運用によって突如「密輸犯」に仕立て上げられる現実は、決定的な段階へと進んだ。領事面会や弁護人選定といった基本的権利すら十分に保障されない密室司法の下、身体拘束は長期化必至である。

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 欧米メディアや海外通信社は、この逮捕劇を単なる税関トラブルではなく「人質外交」の延長線上にあると報じている。焦点はレアアースを組み込んだモーターなど加工品の国外持ち出しだ。業界では従来「取り外し不可能な加工品は輸出管理対象外」とされてきたが、中国当局はこれを突如違法と断じ、拡大解釈で網をかけたのである。

 中国国営新華社通信や外交部も事態を追認。外交部報道官は「中国の法律に違反したため法に基づき拘束した」と正当化し、日本側へ法令順守を要求した。さらに商務省は同日、重要鉱物の輸出管理違反について市民からの通報を奨励し、報奨金を与える制度を開始。国家の監視網に一般市民を組み込み、密告社会を強化する動きである。

 中国政府の狙いは明白だ。高市政権下で進む日本の安全保障政策強化に対し、中国はレアアース供給網を武器に圧力をかけている。商務省が輸出規制強化を「日本の再軍事化阻止」と公言する通り、今回の逮捕は経済と安全保障を連動させた対日牽制のカードである。
親日都市とされてきた大連での逮捕劇は、現地日系企業コミュニティに計り知れない恐怖を与えている。

 前回の記事でも指摘した通り、これは「コスト削減の成功」に隠されてきた日本企業の政治リスク軽視が招いた悲劇である。反スパイ法改正に加え、7月1日からは「民族団結進歩促進法」も施行され、域外適用を含む法的リスクは増大の一途をたどる。従来「普通の製造業だから安全」という認識は通用しない。富士電機のケースが証明したのは、昨日まで合法だった業務が今日には重罪となる現実である。

 今後、中国当局は国家安全や供給網保護を名目に外資系企業への締め付けを強化するだろう。法治ではなく人治が支配する国で、企業が社員の安全を確保することはほぼ不可能だ。日本政府の外交的抗議も、中国の壁に跳ね返され、逮捕者の人生の時間が不当に奪われ続ける。

 日本社会と企業に求められるのは「中国法令順守」ではなく、「君子危うきに近寄らず」という鉄則に立ち返り、中国ビジネスそのものを根本から見直すことだ。安価な労働力や巨大市場の魅力の裏には、社員が人質として奪われるという取り返しのつかない代償が潜む。

 企業トップは社員の命と人権を守るため、中国拠点依存からの脱却、東南アジアやインド、さらには国内へのサプライチェーン回帰を即断すべきである。撤退や縮小は敗北ではなく、先見の明を持つ危機管理である。
中国はもはや「世界の工場」ではなく「危険な隣国」である。この現実を直視し、完全脱却への歩みを加速させることが、日本企業の至上命題である。

 今回の逮捕について、古河電工OBの安間啓哲氏は『もはや中国との取引は損害しか生まないように思われる。現状ではリスク回避は困難であり、日本企業は中国依存から脱却し、アフリカビジネスへ舵を切る方が得策と感じる。海外駐在員に問題が生じれば、人質覚悟で業務に従事せざるを得ない。特に中国との取引は、現地駐在員を人質として差し出す形でビジネスを続けざるを得なくなる最悪の事態を招きかねない。そこまでして日本は中国を重視すべきなのか、疑問を抱かざるを得ない。今回のレアアース関連では、分解や組み立てといった通常業務が「国家密輸入」とされる事態に至った。信じがたいことであり、一刻も早く拘束された社員が解放されることを祈る。』と話している。
【編集:af】
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