2026年7月22日、中国電気自動車(EV)最大手のBYDが抱える巨額の「隠れ負債」が欧米メディアの分析で明らかとなり、習近平政権が掲げる「EV大国」戦略の持続可能性に深刻な疑問が投げかけられている。表面上は世界販売台数でテスラを追い抜く勢いを見せる同社だが、その成長は国家補助金と会計上の操作に支えられたものであり、実態は脆弱な構造に依存しているとの指摘が相次いでいる。


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 詳細によれば、香港の調査会社GMT ResearchはBYDの実質的な純負債が約3230億元、円換算で7兆円を超えると試算した。これは公式発表の数値を大幅に上回るもので、サプライチェーン金融を利用して支払いを長期化し、債務を表面上隠していることが原因とされる。欧米メディアはこれを「供給業者からの事実上の借入」と位置づけ、需要が減速すれば資金繰りが一気に悪化する危険性を警告している。

 さらに、ドイツのキール世界経済研究所の報告では、BYDは2018年から2022年までに約37億ドルの直接補助金を受け取っており、2022年には売上の3.5%を占めたとされる。補助金は電池製造や価格競争力維持に使われ、テスラなど競合に対して「不公平な優位性」を形成してきた。習近平政権は「中国製造2025」の柱としてEV産業を国家戦略に組み込んでおり、補助金依存からの脱却は困難とみられる。

 サプライチェーンへの圧力も深刻だ。BYDは平均127日の支払い遅延を常態化させ、西側企業の標準である45~60日を大きく超過している。内部商業手形「Dilian」制度では最大275日の待機を強制し、早期現金化には6%の罰金が課される。2024年には全サプライヤーに一律10%の値下げ要求を通知し、業界生態系を疲弊させている。欧米メディアは「成長のために供給網を犠牲にしている」と批判を強めている。

 欧米の金融機関も警戒を強める。
米調査会社BernsteinはBYDの「ブレード電池」やエネルギー貯蔵事業を高く評価する一方、利益率低下と金利負担増を「赤信号」と指摘した。AI JournalやFingerLakes1.comは「技術優位ではなく補助金と会計操作に依存した拡張」と論じ、欧米では「挑戦者から守勢へ転じた」との見方が広がっている。

 習近平政権のジレンマは明白だ。EV産業は「中国製造2025」の象徴であり、後退は国家戦略の失敗を意味する。しかし、隠れ負債の膨張と補助金依存は持続可能性を損ない、金融システム全体に波及するリスクを孕む。欧米メディアは「習近平は後戻りできない」と論じ、国家がBYDを支え続ける限り、構造的な歪みは拡大すると警告している。

 結論として、BYDの「快進撃」は国家補助金と隠れ債務に依存した脆弱なモデルであり、サプライチェーンを犠牲にした拡張戦略は限界に近づいている。習近平政権はEV産業を国家的威信と結びつけているため撤退は不可能だが、その代償は中国経済全体に重くのしかかる可能性が高い。欧米メディアの分析は、中国EV産業の未来が「成功の物語」ではなく「負債の連鎖」として語られる危険を示している。
【編集:af】
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