2026年8月31日、アジアの屋根――ヒマラヤ山脈。その標高5200メートル地点で起きた“氷の崩落”は、いまや国境を越えて三つの国を飲み込み、アジア史に残る破滅的災害へと姿を変えた。
発生から6日目。現場は依然として混乱の渦中にあり、被害の全貌は刻一刻と悪化している。

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■ネパール、壊滅的被害 死者約781人・行方不明2502人
ネパールの主要英字紙「カトマンズ・ポスト」が31日に伝えた最新集計では、国内の死者は781人前後に達し、行方不明者は2500人を突破した。捜索隊が山間部の集落に入るたび、土砂に埋もれた家屋から新たな遺体が発見され、数字は増え続けている。

特にヌワコット郡では、前日115人だった行方不明者が、自治体と捜索隊の確認で1158人へと一気に10倍以上に膨れ上がった。隣接するラスワ郡でも562人が消息不明のまま。現地ラジオ局「ラジオ・ネパール」は、家族が名簿を確認するたびに悲鳴が上がる“地獄の現場”を克明に伝えている。

さらに、ネパール側の安否不明者リストには外国人592人が含まれ、世界中から集まっていた登山客や旅行者が濁流に巻き込まれた可能性が高い。

水力発電所の作業員933人も連絡が取れず、施設は濁流に呑み込まれ壊滅。救助隊は重機を投入しているが、道路は寸断され、ヘリも強風で飛べない時間が続く。

■中国チベット自治区 氷河崩壊の直撃
中国国営の新華社通信によれば、チベット自治区側では死者16人、行方不明546人が確認された。発端となったランタン・リルン山の氷河崩落は、巨大な氷塊と岩石が一瞬で山肌を駆け下り、河川をせき止め、下流へ“鉄砲水の刃”を送り込んだ。


中国側の捜索隊は標高4000メートルを超える高地で活動しており、酸素不足と悪天候が作業を阻む。現場は「人が入れる環境ではない」と報じられている。

■インドにも被害が波及
インド北部ウッタルプラデシュ州では、ネパール側から流されてきたとみられる17人の遺体が河川で発見された。身元は確認中で、公式な死者数にはまだ加算されていないが、インド当局は「さらなる流入の可能性」を警戒している。

■死者800人前後・行方不明3000人超へ
ネパール・中国・インドの状況を総合すると、
死者は800人前後、行方不明者は3000人超に達したとみられる。
各国の防災当局は「数字はさらに増える可能性が高い」と警告している。

■“72時間”を過ぎても続く捜索
災害発生から生存率が急激に下がるとされる「72時間」はすでに過ぎた。それでも家族は捜索隊の背中を見つめ、奇跡を信じ続けている。
ネパール軍、警察、国際支援隊が投入され、ヘリと重機を使った捜索が続くが、再度の増水や二次災害の危険が高まっている。

ヒマラヤの氷河が崩れ落ちた瞬間から始まった“絶望の奔流”。自然の圧倒的な破壊力を前に、アジア3国は今も緊迫した救助の最前線に立たされている。
【編集:af】
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