同シリーズのスタッフが再結集している「トゥーキョーゲームス」が開発している作品も、いずれも魅力的なストーリー体験が味わえて超おすすめなのですが、意外とまだ手を伸ばせていない人が多い印象。他にも「『ダンガンロンパ』は配信で見てすごく面白かったけど、スタッフが別の作品を作っているのは知らなかった!」という方も多いのでは。
そこで今回は『ダンロン』ファンの筆者なりの目線も交えながら、トゥーキョーゲームスの3タイトルを紹介。『2×2』のリリース時期は今夏から「2027年初頭」へと変更になりましたが、この空いた時間でまた違った角度の独特さ・ミステリアスさで溢れる作品をお楽しみください。
『レインコード』で謎解きと死に神ちゃんに酔いしれよ!
スパイク・チュンソフトとの共同開発で2023年に発売された『超探偵事件簿 レインコード』。
記憶を失ってしまった見習い探偵の「ユーマ ココヘッド」と、彼に憑りついた「死に神ちゃん」が、奇妙な事件を調査・解決していくタイトルの通りの探偵ミステリー。ジャンルが「ダークファンタジー推理アクション」となっているように、登場する「超探偵」たちは幽体離脱や念写、時戻しなどの探偵特殊能力を操り、事件の捜査にあたります。
とはいえ、めちゃくちゃ道理から外れたトンデモ展開ではなく、小高和剛氏と北山猛邦氏によるシナリオでロジカルさと奇想天外さが同居した謎解き&ストーリーが味わえるので、今回紹介する中では最もストレートに『ダンロン』ファンにおすすめしやすい作品でもあります。
そして本作を唯一無二たらしめているのが、事件解決のために死に神ちゃんが生み出す「謎迷宮」の攻略パート。敵の理論武装を証拠でぶった切ったり、死に神ちゃんがでっかくなったり、死に神ちゃんが樽の中から飛び出したり……エキサイティングに事件が解決へと向かっていく体験も、「学級裁判」的にお楽しみいただけます。
登場人物も相変わらず個性派揃いですが、こと『レインコード』ではW主人公とも言えるユーマ&死に神ちゃんコンビを推すしかありません。
独特の関係性と、ボケツッコミ的な掛け合い、そして身長差!謎迷宮での死に神ちゃんを“魅せる”演出含め、とにかくこの2人が好きなら遊んで欲しいと言える仕上がりに。
章立てで進行し、各章ごとに「事件発生→調査→真相解明(謎迷宮)→解決」の流れになっているのも手軽に遊びやすいポイント。ありきたりなフレーズですが「とりあえず体験版で1章だけでも遊んでみて!」とアピールしたくなる作品でした。
本作は7月29日から全編が配信解禁となりましたが、やはりネタバレを見る前に自力で楽しんでほしい要素は多め。このタイミングで価格改定も実施されてお手頃価格となりましたので、実は今がかなり良いタイミングです!
こんな方におすすめ!
ミステリーのトリックや犯人、動機を暴いて物語の結末に辿り着くのが好き
アクションやゲーム性がある推理システム、良いよね
一目見てユーマ or 死に神ちゃんが気に入った!
あまりにも極限。だからこそ絆が染みる『ハンドレッドライン』
ディレクションとシナリオを小高和剛氏に加え、『AI: ソムニウム ファイル』『極限脱出』シリーズの打越鋼太郎氏が手がけたのが、2025年発売の『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』。
地下シェルター「東京団地」で平穏に暮らしていた主人公の「澄野拓海」は、ある日突然謎の勢力からの襲撃を受け、「最終防衛学園」と呼ばれる学校での生活を余儀なくされます。特殊な能力を持つ仲間たちと協力し、巻き起こる絶望的状況の真相解明と脱出を目指す100日間を生き抜いていく……というのが大枠のストーリー。
「ある日学園に閉じ込められた学生たちが……」というイントロや、ゆるい見た目でありながら不気味な先生役などお馴染みの味も感じさせますが、ゲームとしては襲い来る「侵校生」とターン制バトルで戦う「シミュレーションRPG」パートの存在がこれまでのミステリーADVと大きく異なります。
何より『HUNDRED LINE』の名の通り、100種類のエンディングへと分岐するのが最大の特徴。ここだけ聞くと「なんか大変そう……」「1ルートがすごく短いとか?」と筆者も最初は思いましたが、案ずることなかれ。これがめちゃくちゃボリューム満点で、かつ飽きない仕上がりになっており、壮絶かつ壮大な戦いが描かれていきます。
1周目から謎が謎を呼び「続きはどうなるの!?」と思わせてくれるシリアスなミステリーと、極限の状況下での怒涛の展開の数々には引き込まれること間違いなし。
そんな限界の中を生き抜く過酷なストーリーだからこそ、キャラクターたちの魅力が染みわたるのも推しポイント。相変わらず一癖も、いや今作は百癖もある顔ぶれが仲間なので、きっと『ダンロン』好きならハマれるキャラがいるはずで、ルートごとに異なる姿を見せてくれて思い入れが深まる体験もこのゲームならでは。
一本道のタイトルでは気に入ったキャラが序盤で退場してしまったり悲運な立場を背負わされたりと不完全燃焼に終わることもあり得ますが、本作は100通りの世界でそのキャラとの生活を楽しめますので、キャラの深掘りが好きな方にはこれ以上なくオススメできます。
大ボリューム&SRPGで少しハードルが高く感じられるかもしれませんが、バトルパートは難易度変更できるのでご安心を(個人的にはちょっと苦労した方が物語の味が増す説を推したいですが)。発売後のアップデートによって周回プレイの快適さもどんどん上がっているので、“やり時”を見失っていた方は今がチャンス。夏の休暇を利用して全力で遊び尽くしてみてください!
こんな方におすすめ!
個性が出過ぎているキャラクターと、極限状況で巻き起こる人間ドラマが好き!
シミュレーションパートや奇抜なルートなど、本筋以外の楽しみも多いほど良い
大ボリューム作品どんとこい! 膨大なシナリオを遊びつくしたい方
ダークで不気味な『終天教団』。最も恐ろしいのは……?
3つ目に紹介する『終天教団』は、人類の滅亡を願う「終天教」が統治する国家を舞台に繰り広げられるマルチジャンルADV。DMM GAMESとの協業で開発されており、また新しいエッセンスが入ったタイトルです。
プレイヤーは暗殺されバラバラ死体となってしまったものの神の力によって一時的に蘇った「教祖」となり、数日の間に「自分を殺した犯人は誰か」を突き止めていく、インパクトありまくりかつ謎に満ちた物語が描かれます。
容疑者となるのは教団の幹部5名。彼らのうち誰を疑うかによって個別ルートへと分岐するのですが、ムービーでも紹介されているように、王道の推理アドベンチャーだけでなく恋愛ADVになったりステルスアクションになったりと、まったく異なるゲームへと変化。
「謎ばかりの状況に置かれて何も分からないまま」な始まり方や人の生死が描かれる物語はトゥーキョーゲームス作品や『ダンロン』シリーズの共通点ではあるものの、本作は何せ主人公が滅亡を目指す宗教の教祖であり、しかも開幕から暗殺されてスタートなので血生臭い展開も多めで、個人的には最もダークなテイストが感じられた作品でした。
主人公の下辺零(仮)は生前の記憶を失っており、それを取り戻すのも目的のひとつ。すごく穏やかかつ良いリアクションの素敵な人物に見えるのですが、前述の通り教祖だと明らかになっているため、遊べば遊ぶほど教団の“ヤバさ”が盛り盛り見えてきて「これ、自分(下辺零)は大丈夫な人なんだよね?」と疑心暗鬼になる不気味さが印象に残ります。
これまで紹介した2作品における「超探偵能力」「我駆力」といった名前もなく、ただただ「神の力」と言われて超常現象が起こるのもちょいと不気味で、いつも以上にサイケデリックでカルトチックな音楽とアートが不安感を煽って来ます。
ルートが多いのでキャラも大勢登場しますが、やはり主人公と幹部の関係性が本作のミソ。幹部の中にビジュアルや声が刺さるキャラがいるのであれば、今すぐにでも手に取っていただきたい1本です。
こんな方におすすめ!
カルトで不気味……でも、そんなダークな雰囲気が好物です
どう考えても裏があるキャラに惹かれる。幹部のビジュが好み!
段階的に秘密が明らかになっていく構造や斬新なゲームシステムに興味あり
「何食べてたらこの名前と見た目思い付くんだよ」なキャラクターや、シリアスが軸にあるからこそ痛烈に印象に残るコミカルなシーン。そして勝手に深読みしてしまうほど雰囲気を煽るBGMなどなど……皆さんの中で「『ダンロン』といえば」の魅力は数あると思われますが、今回紹介した作品の中にもそれらは少しずつ形を変えて登場しています。
本稿ではネタバレになりそうな点には気を付けて紹介したため、実際にプレイすると「ここもめっちゃ『ダンロン』ファンに良い要素じゃん!」となる部分もあるはず。ぜひぜひ、楽しくて絶望的な物語の数々をご賞味くださいませ。


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