しかも江戸時代、歯磨き粉はまだ一般的なものではなかったといいます。
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丁字屋喜左衛門という人物が朝鮮伝来の製法を取り入れ、1643年に「大明香薬」として初めて商業生産・販売を始めました。これが日本の歯磨き粉の端緒となりました。
特に、当初の歯磨き粉は、なんと砂から作られていたのです。江戸では房州産の質の良い砂が手に入り、これに薬草や香料を加えて歯磨き粉が製造され、笑いあり芸ありの香具師や大道芸人たちによって街で広められました。
香具師というのは、「こうぐし」と読み、元々は「あるき医者」とも呼ばれた、各地の市で山野の薬草を売っていた人々のことを指します。薬だけでなく、香具や匂袋なども売っていたことから、香具師と呼ばれていたが、本来は薬師でした。「やくし」のくの音が省略されて「ヤシ」とも呼ばれるようになったとされています。
歯磨き粉などを販売する香具師・松井源水(『近世職人絵尽』より)
また、大阪では、江戸時代中頃に、松井喜三郎という香具師が、歯の治療をしながら、歯磨き粉を売り出して、評判になっていたようです。
当初は、見世物として、大衆に歯磨き粉の効果を見せながら、宣伝しながら販売していたんですね。
1872(明治5)年になると、『新聞雑誌』54号に「西洋ノ名医某ニツイテ其治法ヲトヒ歯磨キヲ製セシ」という広告が載っています。
歯磨き粉の広告が書かれている『新聞雑誌』54号
1888年には国産の歯磨き粉が登場し、資生堂薬局にて販売がスタート。その名は「福原衛生歯磨石鹸」で、高価でもありましたが、歯磨き粉はますます一般の家庭に広まっていきました。
現代では科学技術の進歩とともに、歯磨き粉はますます進化しています。成分や機能性の組み合わせにより、歯の健康をサポートする製品が続々と登場しています。
参考
- 笹田富士雄 著『歯磨の歴史』 (1987 新潮社)
- ライオン歯科衛生研究所Webサイト 歯みがき 100年物語
日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan
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