「総裁選では高市さんに1票を入れました。高市事務所の依頼で総裁選や衆院選の対立候補の中傷動画を作っていたという報道が出たあとも、所詮、週刊誌の言うことだと思ってきました。
そう語るのは、自由民主党の党員で、都内で会社を経営するAさんだ。およそ20年前、仕事上の付き合いで自民党に入党。当初は会費を払うだけの“幽霊党員”だったというが、第二次安倍政権誕生後、安倍晋三元首相への期待から総裁選で投票したり、地元議員の会合に顔を出したりするようになったという。
高市早苗首相(65)が初めて立候補した2021年の総裁選以降は、一貫して高市氏に投票。「安倍さんの後継者だと思った」というのが理由だった。2025年10月に行われた総裁選で高市首相が誕生したときには「悲願が叶った思いだった」という。しかし、そんな高市首相への信頼は揺らぎつつある。
「さすがに(動画を作成した男性と)面識がなかったは厳しくないですか? 音声やメールまで出てるんですから、本人はないとしても、秘書はあると考えるのが自然でしょう。なのに、それすら頑なに認めないのは、何かやましいことがあるんではないかと勘繰ってしまう」
普段からYouTube動画などをよく観るというAさん。総裁選では対立候補の小泉進次郎氏(45)や林芳正氏(65)に対する“中傷動画”が作られたと報じられているが、明確にそのような動画を観た記憶はないという。
「ただ、(動画にあったとされる)小泉さんが『カンペ』とか『無能』とかのフレーズは頭にあるので、どこかで観ていたのかもしれませんね。いずれにせよ、私は高市さんに投票したと思いますが、他の党員の方が動画を観て投票先を変えたようなことがあったとしたら大問題だと思います」
2025年の総裁選で高市首相が獲得した党員・党友票は25万931票。
「党員票の数をみて、投票先を高市さんに変えた議員もいるはずです。動画が(総裁選の結果に)影響を与えた可能性はあると思います。仮に、動画が高市さんの事務所の依頼だとしたら、自民党の党則にも反することではないでしょうか」
今回の件で、初めて自民党の党則をしっかりと読んだというAさん。党則の「総裁選公選規定」には<何人も、選挙の清潔、明朗及び公正を害する行為を行ってはならない>(第十二条の2)と定められており、Aさんは「報道が事実なら党則に違反しているのではないか」と感じたという。
今年2月に行われた衆院選でも、野党の候補者に対して中傷動画が作成されたと報じられている。これが事実であれば、公職選挙法などに抵触する可能性が出てくる。
Aさんは「動画がなかったとしても、総裁選での高市さんの勝利や、衆院選での自民党の勝利は揺るがなかったと思う」としたうえで、こう語った。
「何もなしで優勝する実力を持っていたとしても、ドーピングをしていれば、金メダルははく奪されますよね。

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