秋の登山シーズンが到来し、多くの山が登山客で賑わっています。登山は健康的で達成感を得ることができ、美しい四季の自然を体感できる人気のレジャー。
しかし、一歩間違えば遭難などの危険を伴うリスクもはらんでいます。

先日も、愛知県の71歳の男性が標高約2700メートルの中央アルプス千畳敷付近で体調不良になり、救助されたというニュースが。富士山では、2026年7月1日~8月24日までの遭難人数(救助件数)が前年同時期の約二倍に上っているといいます。

オムツの2歳児を背負って登山…父親の行動にヒヤッ。“登頂ハイ...の画像はこちら >>
なかでも、トラブルが起きがちなのが親子登山。8月20日には、富士山の山小屋付近に1人でいた男子小学生が警察に保護される出来事があり、置き去りにして山頂を目指していた父親に非難の声が相次ぎました。富士山に限らず、登山経験者はヒヤっとする“親子登山”に遭遇したことがあるようです。

オムツの幼児とベビーキャリーで登る父

「今年の春、登山をしていると、うっそうとした草が生い茂る物陰からガサゴソと謎の気配を感じました。奇しくもクマ出没が騒がれていた時期。怯えていると、親子の声とぷーんとした悪臭が……よくみると、その物陰にはオムツ替えをしている父親と2歳くらいの幼児がいたのです。

ある意味ホッとしましたが、まだオムツの取れていない子を連れてくるのかとびっくり。しかも、背負子(ベビーキャリー)を使っての登山でした。父親はよほど登山愛好家なのか軽々と登っていましたが、子どもはずっと父の背中でスマホに釘付け。オムツは当然持ち帰ったでしょうが、そうまでして登る意味を考えさせられました」(60代・男性)

オムツの2歳児を背負って登山…父親の行動にヒヤッ。“登頂ハイ”に陥る親たちの危なすぎる判断
山の天気は急変することも(筆者撮影)
このパパさんは、どうしても子どもを連れて行きたい理由があったのでしょうか。
まさか自分のトレーニングとして、お子さんを背負っていたなんてことは…。

子どもに登山の素晴らしさを教えたい、一緒に自分の趣味を共有したい。そんな気持ちはわからなくもないですが、子どもが大人になった時、その記憶は残っているのか疑問です。

未就学の子どもを危険な岩場に…登頂ハイで判断が鈍る?

「神奈川にある金時山の頂上は、芦ノ湖を一望できる見晴らしのいい場所。ですが、そこには崖のような岩場が多々あります。その中に足を滑らせたら生きては返れないくらいの大岩があるんです。

危険な場所なのですが、未就学の子どもをひとりで登らせて写真を撮っている親御さんが多いこと! 見ているこっちがヒヤヒヤしてしまい、思わず声をかけてしまったほどでした」(40代・女性)

オムツの2歳児を背負って登山…父親の行動にヒヤッ。“登頂ハイ”に陥る親たちの危なすぎる判断
富士山の山小屋(筆者撮影)
子どもは高いところに上りたがるもの。地上では少し高いところに上っただけでも親は注意するのに、登頂した達成感と浮かれ気分からか“危険”という認識が薄れてしまいがちです。

「みんなが撮影しているから」と安心してしまい、取り返しのつかない事態を招くようなことは避けなければなりません。登頂したからこそ、しっかり気を引き締めて下山したいものですよね。

子どもの意思を尊重した結果、親子バラバラに

「富士山の7合目を過ぎたあたりで、小学5年生ぐらいの男の子が一人で歩いていました。この時間から登頂は無理では…と思って見ていると、男の子もそれをわかったのか引き返していきました。心配でついていくと、7合目付近に気分が悪くなり休んでいる親の姿が。


話を聞いたところ、自分はこれ以上進めなかったのだが息子は元気いっぱい。今日のためにトレーニングを積み重ねてきたこともあり、『頂上まで行きたい』という息子の意志を止めることが出来ず、時間を決めてひとりで行かせることにしたのだそう。

オムツの2歳児を背負って登山…父親の行動にヒヤッ。“登頂ハイ”に陥る親たちの危なすぎる判断
富士山の八合目付近(筆者撮影)
モヤモヤが残りつつも私はその場を立ち去りましたが、先日の富士山で起こった“置き去り事件”とそれに対する世間の反応を見て『もっと注意するべきだったのかも』と反省しました」(30代・男性)

置き去り事件の親子の逆パターンですが、いずれにせよ、山で子どもがひとりになる状態は危険です。いくら元気でしっかり者だとはいえ、子どもは子ども。自分の体調の悪さに気づかない可能性や、トラブルが発生した時の対処など、不安要素はたくさんあることを認識しておいた方がいいでしょう。

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登山は、自然を学べ、身体を動かせ、多くのことを経験できる、子どもにとって精神的にも体力的にも成長できる趣味と言えます。多くの登山好きの親が、子どもと一緒に登りたいと思うのも当然です。ですが、登山は常に死と隣り合わせの危険を伴っていることを忘れないでほしいものです。

<文/小政りょう>

【小政りょう】
映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦
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