急速に進化するAIはもはや未来の技術ではなく、私たちの日常に深く入り込んでいる。
だが、実際に使っている人々は決して手放しで喜んでいるわけではないようだ。
アメリカの中立的世論調査機関がアメリカに住む5,119人を対象に調査を行ったところ、平均して約半数が日常的にChatGPTやGeminiなどの対話型生成AIサービスを利用していることがわかった。
使用率が増加しているにもかかわらず、AIが社会に良い影響を与えると信じている人はわずか16%にとどまった。
不信感を持ちながらも使い続けるのをやめないという、奇妙な矛盾が生じている。
アメリカの成人の半数が日常的にAIを利用
アメリカのワシントンD.C.にある中立な世論調査機関「ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)[https://www.pewresearch.org/internet/2026/06/17/americans-and-ai-2026-chatbots-smart-devices-and-views-on-impact/]」が2026年2月に発表した調査により、アメリカにおけるAIの急速な普及が明確になった。
調査対象は18歳以上のアメリカに住む5,119人で、 全世代を含めた平均で49%が対話型生成AIサービス(チャットボット)を利用しており、2024年の33%から大幅に増加している。
利用者の割合を年代別に見ると、18歳から29歳までの若い世代が66%、30歳から49歳の層が61%、50歳から64歳の層が42%、65歳以上の層が25%未満となった。
サービス別ではChatGPTが依然として圧倒的な人気を誇っており、平均して44%が利用していると回答した。
次いでGeminiが24%、Copilotが17%の利用率となっている。
回答者全体の24%が、毎日AIを利用しており、利用目的としては情報の検索が42%で最も多く、職場で雇用されている成人の38%が実際の業務をこなすために活用していた。
社会へ良い影響を与えると信じる人はわずか16%
AIの利用が日常化しているにもかかわらず、人々の間にはテクノロジーに対する深い不信感が広がっている。
調査の回答者の40%が、今後AIが社会に悪影響を及ぼすと予想している。
自分個人の生活にも悪い影響を与えると答えた人も全体の31%存在した。
反対にAIが社会にプラスの影響を与えると信じている人は、わずか16%にとどまっている。
AIに不信感を持ちながらも、日常的に使用しているという矛盾が生じているのである。
最もAIを利用する若い世代ほど強い警戒心
今回の調査において最も興味深いのが利用率と警戒心のギャップである。
物心ついたときからインターネットに触れてきた18歳から29歳までの若いZ世代は、66%という全世代の中で最も高い利用率を記録している。
しかし同時に、Z世代の約半数の48%が、AIは社会にとって悪影響になると回答しており、全世代で最も大きな数値となった。
AIに触れる機会が多い若い世代ほど、AIがもたらす危険性を感じているのだ。
個人情報への恐怖と強制的な利用が示すAI業界の未来
アメリカの人々がAIに対して警戒を強めている大きな要因は、自分自身の個人情報が危険にさらされるという不安にある。
調査の回答者の71%が、AIの普及によって個人のデータ保護がさらに低下すると予測した。
また、回答者の63%が現在のAIの進化スピードは速すぎると感じている。
AI業界は現在、莫大な投資資金と世間のブームによって急速に拡大を続けている。
上司が従業員よりもテクノロジーに熱心であるなど、多くの大人が職場で必要に迫られてAIを使っている状況がある。
利用者は内心で技術への懐疑心を募らせており、人々がAIへの反感を抱き続けるならば、長期的に業界を維持するだけの顧客は残らない可能性が高い。
世界は単純な二元論では語れないからこそ、人間は矛盾を抱えたテクノロジーとどう向き合うべきか真剣に考える必要がある。
References: Americans' Views on AI Chatbots, Smart Devices and AI's Impact | Pew Research Center[https://www.pewresearch.org/internet/2026/06/17/americans-and-ai-2026-chatbots-smart-devices-and-views-on-impact/] / Americans Have Turned Against AI in Incredible Numbers[https://futurism.com/artificial-intelligence/americans-turn-against-ai-poll]











