一方フランスでは、暑すぎてIKEAの店内でくつろぐ人々が話題に

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 スウェーデン発・世界最大の家具量販店として知られる「IKEA」の店内で、まるで自分の家のように寛いだり寝っ転がったりしているお客さんたち…。

 これは現在、記録的な熱波に襲われているフランスのパリでの光景だ。

 パリの6月の平均気温は、最低12℃~最高21℃前後だったが2026年は41℃に迫る日もあった。

 家にクーラーのない人も多いため、冷房の効いたIKEAの店内に大勢の人々が押し寄せ、展示用のソファやベッドで涼んでいたのだ。

パリのIKEAに「避暑」客が殺到

 こちらが現在、ネット上で拡散されているホットな映像だ。ソファに座る人、ベッドに寝ころぶ人、中には机に向かって勉強しているらしき人の姿も写っている。

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 パリの人々がIKEAに押しかけ、冷房の効いた店内で涼んでいる…この光景をもたらしたのは、ヨーロッパ各地を襲っている記録的な熱波である。

 フランス気象局によると、2026年6月23日、南西部にあるランド県ピソスでは44.3℃を記録した。

 首都のパリでも24日に40.9℃を記録し、6月としての観測史上最高気温を更新。25日も40℃超えの猛暑が続いていた。

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フランス全土に熱波による深刻な被害が

 今回の熱波による被害はすでに深刻なものとなっている。フランス公衆衛生庁[https://www.santepubliquefrance.fr/en/climate/extreme-heat-heat-wave/national-bulletin/heat-waves-and-health-france-bulletin-june-24-2026]によると、6月下旬の熱波では約1000人の超過死亡が確認された。その約85%を65歳以上の高齢者が占めたそうだ。

 熱中症や脱水症状などによる救急外来の受診は1日650件を超える日もあり、入院患者も1日160~220人に増加した。うちおよそ6割は75歳以上だったという。

 猛暑の影響は、国民の日常生活に及んでいる。

フランスでは教室に冷房がない学校も多く、1万3500校が休校または短縮授業などの特別対応を余儀なくされた。

 交通機関にも影響が広がり、フランス国鉄(SNCF)はレールや架線への影響を防ぐため、一部列車を運休し、線路の監視体制を強化した。

 一方、パリ市は図書館や市民施設、公園など約1400か所を「涼める場所」として開放し、市民に積極的な利用を呼びかけている。

 フランスではエアコンの普及率が25%にとどまっており、自宅に冷房設備がない住民も多い。

 そのためこの動画のように、IKEAをはじめとする冷房の効いた商業施設が、事実上の避暑スポットとなっているのだ。

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エアコン設置の是非をめぐる論争も過熱

 今回の熱波は、フランス国内でエアコンをめぐる議論も加熱させている。冷房のない住宅や施設が多いことに対し、国民からは「猛暑が毎年のように起きているのに、なぜ対策が進んでいないのか」という不満が広がっているからだ。

 実はフランスでは、歴史的な街並みや建物景観を守るため、集合住宅や歴史的建造物への室外機設置に厳しい規制がある地域も少なくない。

 また、フランスでは電力消費が大きいことや環境汚染につながる恐れのある冷媒を使用すること、熱を屋外へ放出することから、環境への負荷を懸念する声が根強く、エアコンの普及を妨げる原因となっている。

 その一方で、市民の間では、近年の猛暑を受けて「もはやエアコンはぜいたく品ではなく、命を守るために必要な設備だ」との声も高まっているのも事実である。

 実際、今回の熱波ではパリ近郊の量販店に、エアコンや扇風機を求める客が殺到し、店内で争奪戦が起きる場面もみられた。

 これまでエアコン導入には慎重な姿勢を示してきたフランス政府の態度も、今回の熱波を受けて少しずつ変わってきているようだ。

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 セバスチャン・ルコルニュ首相は、今後の猛暑対策として「必要であればエアコンも含めて」適応策を検討するよう関係閣僚に指示したという。

 エアコン設置の可否を問う問題は、政治的な対立も生んでいる。「国民連合」のマリーヌ・ル・ペン氏は、大規模なエアコン導入を主張している。

 だが地球の環境問題に取り組んでいる人々は、電力消費や屋外への排熱が増え、温暖化をさらに悪化させるとして反発している。

 もちろん、学校や病院などへのエアコンの必要性を全面的に否定しているわけではないが、建物の断熱改修や緑化などを優先すべきという立場をとっている。

 猛暑が常態化するなか、フランス社会は今、エアコンの設置をめぐり、大きな転換点を迎えているのかもしれない。

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今後も再び猛暑に襲われる可能性

 今回の熱波の被害はヨーロッパ全土に広がっている。

 スペインでは6月だけで1000人を超える超過死亡が報告され、ドイツやポーランド、チェコなどでも記録的な高温が観測された。

 イギリスでも6月の最高気温記録が3日連続で更新され、英国気象庁は制度開始以来初となる3日連続の赤色警報を発令した。

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 世界気象機関(WMO)は「広範囲で強烈な6月下旬の熱波」と説明し、健康、農業、インフラ、労働生産性に大きな影響が出たとしている。

 2026年6月28日、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が、自身の公式X(旧Twitter)[https://x.com/DrTedros/status/2071205410237723121]にこんなメッセージを投稿した。

ヨーロッパは地球上で最も急速に温暖化している大陸で、地球全体の平均の2倍の速度で温暖化しています。

現在、1億5000万人が極端な暑さの下で生活しており、数百人が亡くなり、学校は閉鎖され、電力網は耐えかねています。

気候変動と地球温暖化によって引き起こされる「一世代に一度」の熱波現象は、今やほぼ毎年発生しています。私たちは警告を受けていました。

6月21日以降、ヨーロッパで高温に関連した1300人以上の超過死亡が記録されています。

熱ストレスはしばしば「静かな殺人者」と呼ばれます – そしてヨーロッパの家庭、職場、学校はこれらの気温に対応するようには作られていないのです

 下は熱波に襲われた各地の様子を伝える報道映像だ。アスファルトが融け、エッフェル塔周辺では強力なミストが撒かれている。

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 フランス気象局の7月3日現在の予報では、各地の最高気温は多くの地域では23~26℃、南東部で30~32℃となっている。

 つまり今のところ、全国的な猛暑のピークはいったん過ぎたとみられており、学校や鉄道も、ほとんどが通常の運営に戻っているようだ。

 とはいえ、フランス気象局は再び猛暑が到来する可能性があるとしており、今後の気温次第では、再び休校や運休、速度制限が実施される可能性がある。

 再度猛暑が襲来する前に、国民の命を守る対策が取れるかどうか、フランス政府の早急な対応が求められている。

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References: Europe heatwave: Viral video shows Paris residents lounging inside IKEA to escape scorching heat[https://www.hindustantimes.com/trending/europe-heatwave-viral-video-shows-paris-residents-lounging-inside-ikea-to-escape-scorching-heat-101782905852779.html]

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