打ち上げからわずか30秒後、稲妻が空を切り裂き、中国のロケットに雷が直撃した。
2026年7月23日、中国航天科技集団は四川省の西昌衛星発射センターから長征3号Bロケットを打ち上げたが、上昇中の機体に雷が落ち、見物に集まった人々から驚きの声があがった。
それでもロケットは衛星を予定の軌道へと送り届けることに成功した。
上昇中のロケットに雷が直撃
2026年7月23日、中国航天科技集団は四川省にある西昌衛星発射センターから、長征3号Bロケットを打ち上げた。
長征3号Bは、中国が通信衛星などを高い軌道へ運ぶときに使う主力の大型ロケットである。
この日の空は荒れており、ロケットが飛び立ってからおよそ30秒後、雷が上昇中の機体を直撃した。
発射場の近くには打ち上げを見物しようと多くの人が集まっており、落雷の瞬間には驚きの声があがった。
落雷の様子は現場にいた人たちが撮影し、中国のソーシャルメディアを通じて広まった。
ロケットは飛行を継続、衛星は予定の軌道へ到達
落雷を受けたにもかかわらず、長征3号Bロケットは搭載していた衛星を予定どおりの軌道へ送り届けた。
運んでいたのは、天鏈2号06星という通信中継用の衛星である。
天鏈2号06星が目指すのは、高度約36000kmを回る静止軌道で、地球の自転と同じ速さで動くため、地上から見ると空の一点に止まっているように見える軌道である。
天鏈2号06星はそこから、中国の宇宙ステーション「天宮」や、そこへ向かう有人宇宙船と地上との通信を中継する役目を担う。
地上の通信施設が届かない場所を飛んでいる宇宙船とも、天鏈2号06星を経由すればやりとりができるようになる。
中国航天科技集団[https://www.space.com/space-exploration/launches-spacecraft/epic-photo-captures-lightning-striking-a-chinese-rocket-during-liftoff]は打ち上げ後、ミッションが完全に成功したと発表したが、落雷については何も触れなかった。
ロケットに雷が落ちることは過去にもあった
打ち上げ直後のロケットに雷が落ちた例は、これまでにもある。
1969年11月14日、月へ宇宙飛行士を送るアポロ12号を載せたアメリカのサターンV型ロケットは、打ち上げ直後に2度も落雷を受けた。
NASAがミッション後に出した報告書によると、飛行に必須ではない一部の計器やセンサーが落雷で恒久的な影響を受けたものの、3人の宇宙飛行士は予定どおり月へ到達した。
2019年5月27日にはロシアのソユーズ2ロケットが打ち上げ直後に落雷を受けたが、こちらも衛星を軌道へ投入している。
一方で落雷がロケットを破壊したケースもある。
1987年、アメリカのアトラス・セントール67ロケット[https://ntrs.nasa.gov/citations/19900024781]に雷が落ち、機体を誘導するコンピューターが故障して機体は空中で分解した。
上昇するロケットは、自然に発生した雷に打たれるだけでなく、雷そのものを自ら誘発することがある。
高く伸びる金属の機体と、そこから噴き出す高温の排気が電気を通しやすい道をつくり、雲の中にたまっていた電気を引き寄せてしまう。
NASAは、雷を誘発する恐れのある気象条件をあらかじめ避けるため、打ち上げを延期する条件を細かく定めた基準を作った。
NASAが公開している基準では、雷を発生させている雷雲から約19km以内では打ち上げず、最後に雷が観測されてから30分は待つと定められている。
氷点下まで達する高さに発達した雲の中や近くを飛ばないこと、発射台や飛行経路の周辺で大気中の電気の強さを測る装置が一定の値を超えた場合は打ち上げを見送ることも決められている。
NASAが基準をまとめた技術文書によると、トラス・セントール67の事故以降、アメリカでは打ち上げ中に雷を受けたり雷を引き起こしたりしたロケットは一機も出ていないという。
References: Space[https://www.space.com/space-exploration/launches-spacecraft/epic-photo-captures-lightning-striking-a-chinese-rocket-during-liftoff] / Spacechina[https://www.spacechina.com/n25/n2014789/n2414549/c4656973/content.html]











