カナダの山岳地帯から、車の底にこっそり潜り込んで約120kmも離れた住宅街までヒッチハイクしてきた野生のマーモットが発見された。
このマーモットは、到着した家のガレージから一度は逃亡し、数日間にわたって近所を放浪していたものの、なぜか再び同じガレージへと自ら戻ってきた。
最終的に、家主からの連絡を受けた野生動物保護団体によって無事保護され、元の自然へと帰されることになった。
こっそりヒッチハイクし120kmを旅したマーモット
2026年7月下旬、カナダのアルバータ州エアドリーに住むクリス・ラッツラフさんの自宅ガレージに珍客が忍び込んでいた。
最初にこの見慣れない動物を見つけたのはラッツラフさんの子どもで、慌てて家の中にいた父親に知らせた。
ラッツラフさんがガレージに入ると、驚いた動物が隠れようとして、慌てて周囲の物をなぎ倒していた。
その姿を見たラッツラフさんは最初、ヤマアラシかもしれないと思い、外へ出られるようガレージのドアを開けたままにしておいた。
だがガレージから出ていく動物の姿を見て、それが野生のマーモットであることがわかったという。
ラッツラフさんは、7月28日に、自然豊かなカナダの山岳地帯カナナスキスから車で戻ってきたため、この時にマーモットがこっそりと車に乗り込んだと考えている。
彼の車には、エンジンの下にある障害物から保護するための板「スキッドプレート」がある。マーモットが乗るのに絶好の場所だったのだろう。
まるで、トム・クルーズが飛行機の側面にしがみついている映画『ミッション:インポッシブル』さながらのヒッチハイクだったかもしれない。
逃走から数日後、なぜかガレージへ自ら舞い戻る
ラッツラフさんのガレージから逃げ出した後、このマーモットは住宅街を放浪していたようだ。
数日間にわたり、Facebook上ではコミュニティの住民たちからマーモットの目撃情報が相次いで投稿された。
ところが数日後の8月1日、マーモットはラッツラフさんが庭仕事をするために開けたままにしていた元のガレージに、自ら戻ってきたのだ。
発見したラッツラフさんは、動物を安全に閉じ込めておくためにすぐにガレージのドアを閉めた。
そして、野生動物の救助を行うカルガリー野生動物リハビリテーション協会(CWRS)に連絡を入れた。
健康な野生のシラガマーモットが無事保護される
CWRSの到着を待つ間、ラッツラフさんはガレージ内にカメラを設置してマーモットの様子を撮影した。
映像には、マーモットが濃い色の車の下から姿を現し、匂いを嗅ぎ回る様子が映っていた。
マーモットは設置されたビデオ機材を調べたり、大きな黒いケージにおびき寄せるために置かれたスナックを吟味したりしていた。
CWRSが到着した後もマーモットは網を避けるのが非常に上手で、捕獲するまでに少し時間がかかった。
このマーモットは、ロッキー山脈周辺に生息するシラガマーモットであることがわかった。
シラガマーモットはリス科の中で最大級の大きさを誇るげっ歯類で、体長は60cmから80cmほどにもなる。
「シラガ」という名前が示す通り、顔の白い模様や、背中や肩の毛が白と黒の霜降り状になっているのが最大の特徴だ。
主に高山地帯に生息する草食動物で、短い夏に草花を食べて脂肪を蓄え、1年の半分以上を冬眠して過ごす。
捕獲後の検査の結果、この個体はメスであり、健康状態に問題はなく元気いっぱいであることが確認された。
車のミネラル分が目的?山を離れる前の車両点検を推奨
CWRSの担当者によると、マーモットは車に付着した塩分などのミネラルに惹きつけられる習性があるという。
野生動物にとって塩分は貴重な栄養源であり、毎年何匹かのマーモットが車の下に潜り込み、そのまま都市部へ運ばれてしまう事例が発生しているという。
今回保護されたメスのシラガマーモットは、リハビリの必要がないほど元気なため、数日後に、彼女の元の住処であるカナナスキスの山に放される予定となっている。
CWRSはこのような事態を防ぐため、山を訪れる人々に向けたアドバイスを行っている。
山を離れる前には、必ず車のボンネットやフェンダーを叩き、エンジンルームの下に動物が隠れていないか点検することが推奨されている。
カナダでは猫バンバンならぬ、マーモットバンバンも必要なようだ。
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