突然の倒産劇…その裏で何が!?

突然倒産した「全東信」。クレジットカード決済代行サービスを行う会社です。

飲食店などの事業者とクレジットカード会社の間に入り、売り上げを素早く立て替えて店に入金するというビジネスモデルで、店にとっては“救世主”のような存在だったといいます。

負債総額は1000億円超。

売上金が振り込まれていないと嘆く店も続出していますが…

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関西経済にも影響を及ぼしかねない倒産劇。その裏側で何が?飲食店にお金は返ってくるのか?

全東信の内情について、東京商工リサーチ関西支社の新田善彦氏ら専門家を取材しました。

負債総額は1151億円…全国約2万店への入金滞る

【負債総額1151億円】決済代行会社『全東信』の倒産劇…潮目が変わった「コロナ禍」「社員逮捕」決定打となったのは?飲食店は衝撃「お金は返ってこないと覚悟を」
MBS

今月6日、大阪地裁から自己破産手続き開始の決定を受けた「全東信」。

全国の飲食店を中心にクレジットカード決済の代行サービスを展開し、2018年には加盟店が20万店に上っていました。

負債総額は約1151億円。調査会社によると、現在全国約2万店で入金が滞っていて総額は50億円以上だと言います。

MBSが入手した破産申立書によると、少なくとも20年前から決算を粉飾していた疑いがあることも分かっています。

「数年に一度のレベル感」どのくらいの規模?

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「負債額1000億円超えは数年に一度のレベル感」と話すのは、信用調査会社・東京商工リサーチの新田善彦氏。

近畿2府4県で今年上半期に倒産した企業の負債額の合計約1400億円に迫る金額です。

「資金繰りが一気に楽になる」早期立替払いの仕組みは?

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では、全東信が提供していた「早期立替払い」とはどのような仕組みのものなのか。

一般的なクレジット決済では、飲食店などが決済端末を通して客から支払いを受け、加盟するカード会社に利用情報を送り、カード会社から店に入金される…という流れです。

一方、全東信の決済端末を店に置いた場合、カード会社の代わりに全東信から素早く「立て替え入金」が行われ、その後カード会社から全東信へ入金される…これが「早期立替払い」のシステムです。

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<店にとって…>
▼カード会社を使った場合
 ⇒入金までタイムラグ(1か月orそれ以上)
▼全東信を使った場合
 ⇒「5日後入金」など早期入金(プランによる)

新田氏によると、店にとってこのシステムは「資金繰りが一気に楽になる」「手数料は割高だったが、高金利の業者から借りるよりマシ」なのだといいます。

“最後の駆け込み寺”?前身の組織は「クレカ会社より審査が緩かった」

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全東信の前身は、大阪南飲食事業協同組合(1987年設立)で、「難波界隈の夜の街を支えていくというところからスタート」しました(新田氏)。

フードジャーナリスト・山路氏は「夜の街の店ではかなりのシェアだった」「個人経営だけでなく複数店経営の飲食店も利用していた」「クレジットカード会社より審査が緩かったという話はよく聞く」と話します。

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(MBS山中真解説委員)
「(大阪南飲食事業協同組合は)風俗産業にカテゴライズされるような店の利用もあったと言われています(規約上、風俗店は加盟不可)」
「普通のカード会社や決済代行会社では審査が通らない店にとって“最後の駆け込み寺”のような存在だったとも言われています」
「他の会社が手を付けない、ある意味グレーなところを商売にしていて、そもそもリスキーなビジネスモデル。それが今表面化したという一面はあると思います」

倒産に至るターニングポイント「コロナ禍」「社員の逮捕」

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新田氏によると、倒産に至るターニングポイントは2つ。

2020年以降「コロナ禍」で主な顧客である“夜の街”が長期間ストップしたこと、2024年に風俗店のカード加盟契約を他人名義で申請した容疑で「社員が逮捕」されたことを挙げます。

(MBS山中真解説委員)
「社員の個人的な犯罪だったのか、会社として組織ぐるみの犯罪だったのか…結果的に組織の責任を問えるほどではないということで不起訴になりました」
「ただ、粉飾決算の話も出てきている。企業の体質も今後問われていくと思います」

決定打は「金利上昇」利息だけで年間数十億円?

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そして決定打となったのは「金利上昇」(新田氏)。

全東信は加盟店への「立て替え払い」の資金を銀行などから借り入れていて(申立書の金融債権者=63社)、借入額が大きいため支払う利息だけで年間数十億円になっていた可能性もあると言います。

飲食店にお金は返ってこないのでしょうか…?

全東信→飲食店への入金「ほぼ返ってこないと覚悟を」

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新田氏は「ほぼ返ってこないと覚悟を決めたほうがいい」と指摘。

全東信の端末で決済しているため、カード会社から全東信に入る予定のお金はあるものの、倒産しているため難しいと見ています。

というのも、法律では税金・担保・給料が先に払われるルールとなっていて、残りを数万店の加盟店で分けると返金されてもごくわずかではないかと言います。

「カード使えないなら飲みに行くのをやめようと思う人は多いと思う」

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全東信と契約していた大阪市内の飲食店は、今月6日の営業中、突如クレジットカードが使えなくなり、7月以降(7/1~7/6)の売り上げ約15万円が未入金の状態だと言います。

(飲食店オーナー)
「カードが通らなかった。機械が壊れたのかと思って…」

全東信へ何度電話をしても全くつながらず、9日に1通の封書が店に届いたと言います。

(飲食店オーナー)
「『破産しました』という封書が届きました。20年くらい全東信さんでやっているから、まさかそんなことになると思っていない」
『カード使えないなら飲みに行くのをやめよう』『食べに行くのをやめよう』と思う人は多いと思う。

ダメージあるよね」

飲食店がつぶれる可能性は…?

「間違いなく一定数は連鎖倒産が起こる」特に“夜の店”へのダメージ大?

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フードジャーナリスト・山路氏は「間違いなく一定数は連鎖倒産が起こるだろう」と話します。

「資金繰りが厳しく全東信からの入金を待って支払いに充てていた所も少なくない」「特に夜の店の支払いは7~8割がカード決済で、機会損失の可能性も大きくなる」ということです。

また新田氏は「飲食店の連鎖倒産が広がれば、関西経済全体への影響も大きくなる可能性がある」とみています。

MBSの取材班が9日に大阪市内にある全東信の本社を訪ねたものの応答はなく、関係者に接触することはできませんでした。

(2026年7月10日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より) 

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