[命ぐすい耳ぐすい 県医師会編](1385)
 沖縄では「ぽっちゃりしている方が健康的」と感じる人が少なくありません。温暖な気候や明るい県民性もあってか、昔から「食べることは元気の証」と考える文化も根付いています。

 しかし医療の現場で見ると、肥満が原因となる疾患が少なくないのです。動脈硬化や高血圧、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群など、放置すると命に関わることもあります。生活指導や体重コントロール指導を行うと「そんなに痩せたら病気になるよ!」と患者さんに言われることがあります。東京にいた頃はあまり聞かなかったのですが、沖縄ではよく耳にします。
 “やせ過ぎ”に関しては確かにリスクになることがあります。やせ過ぎることで筋力や免疫力が落ち、病気につながることもあります。しかし、私たちが生活指導で目指すのは“適正体重(おおむね標準体重)”であり、健康リスクになることはほぼありません。
 それでもなぜ、多くの患者さんは痩せたら病気になると思っているのでしょうか。それは原因と結果が逆なのです。心不全やがんの末期になると、羸痩(るいそう)状態になることがあります。医学的にこれを「カヘキシア(悪液質)」と呼びます。「がんの末期になると、ガリガリに痩せてしまう」のです。
その因果関係が分からないために、「ガリガリに痩せているからがんになった」と誤解してしまう人もいるのでしょう。その誤解を解くために話す例え話があります。
 「病院に通っている人」と「通っていない人」では、どちらの方が長生きでしょうか。多くの人が誤解しますが、通っていない人のほうが平均寿命は長いのです。持病の有無や年齢構成が違うからです。ちなみに年齢や持病などの条件をそろえると、通院している人たちの方が長生きになります。
 病気を見つけて治すことも大切ですが、そもそも病気にならない体を作ることこそが最良の医療です。肥満は万病の元であり、体重をコントロールをすることで、病状が改善する疾患は非常に多くあります。今日の体重を知ることが、健康で長生きするための大事な一歩です。(仲村健太郎 浦添総合病院循環器内科=浦添市)
ぽっちゃりは健康的? 医師が指摘する沖縄の誤解 肥満と寿命の...の画像はこちら >>
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