とかく過保護な母親の元で育った男の子は、結婚相手としては敬遠されがち。でも、あふれる愛を受け取った子供は、その愛をおすそ分けすることのできる大人に育つような気がするのだが。

 不自由な足を理由に1人で外へ出ることもできず、シルヴィ・バルタンの歌声を聴く事だけが楽しみだったロランへの母親の愛情は、過激で過重で偏重。それでもロランの未来が光り輝くものになると信じ、そのために行動する母の姿は神々しい。しつこさは時に忌み嫌われるが、粘り勝ちはしつこさの結果だ。
 実話と言われてびっくりするより前に疑いたくなるほどの見事な展開は、全てがちょっとうっとうしい母の愛情が引き寄せてくれたこと。昨今はやりのタイパもコスパも、母の愛の前にはひれ伏すしかない。
(スターシアターズ・榮慶子)
◇プラザハウスで上映中
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