イランによるホルムズ海峡開放、米軍によるイラン港湾封鎖解除という点では一致しているが、イランの核問題、イスラエルの動向などなお火種はくすぶり続ける。
覚書は公開されていないが、仲介国パキスタンのシャリフ首相は、米イラン双方が全ての戦闘の即時終結を宣言したと発表した。
ホルムズ海峡の開放は覚書の署名式が行われる19日からとしている。
海峡開放後もイラン側は通過船舶に「サービス料を課す」と主張するが、トランプ米大統領は米紙に「通航料は恒久的に無料」と反論している。今後の協議に委ねられる可能性がある。米国は実質的な譲歩を引き出せなかったとみられる。
双方の立場に隔たりが大きい核問題や制裁解除などを60日間で協議し最終決着を目指す方針だ。
エネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡の閉鎖は世界経済を混乱させただけに、今回の合意を歓迎したい。ただ、懸案を先延ばしにした側面が強く、壊れやすさを抱えた合意である。
トランプ氏の一貫性のなさ、イラン指導部の統制、イスラエルが受け入れるかという問題も大きい。
今後の協議を通じて恒久的な和平への道筋を示してほしい。
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米国とイスラエルは、イランの核兵器開発を理由にして、先制攻撃したが、差し迫った脅威はなく、明らかな国際法違反である。
オバマ政権のイランとの核合意を非難して一方的に離脱したトランプ氏だが、原子力の平和利用の権利を主張するイランにとってウラン濃縮活動の継続は譲れず、核施設解体などを求める米国との合意は遠い。
イラン側の死者は小学校誤爆事件を含め3千人以上、イスラエルは親イラン民兵組織ヒズボラ対策としてレバノンに侵攻し3700人以上が犠牲になった。
イランは、湾岸諸国にある米軍施設や民間施設への報復攻撃に及んだ。
人的、経済的被害に加えて今回の戦争が損なったのは国際秩序そのものだ。戦争へのハードルを下げた大国の横暴とそれを止められない国連をはじめとする国際社会の役割も問われる。
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米国とイラン双方の立場に相違があり協議は紆余曲折(うよきょくせつ)をたどりそうだ。覚書合意発表前、イスラエルはレバノンを空爆。米国の意向に沿い全戦線で攻撃を停止するかも焦点となる。
偶発的衝突を発端に戦闘が再燃する懸念もある。
多くの民間人を犠牲にしたこの戦争で、米国は何を得たのか。国内での物価高騰、イラン攻撃への不支持の高まりが停戦を後押しした。イランも米イスラエルへの復讐(ふくしゅう)心をたぎらせている。
合意事項の着実な履行と確実な停戦を実現してもらいたい。

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