[県歯科医師会コラム・歯の長寿学](373)
 歯周病は世界で最もまん延している感染症といわれ、わが国でも1135万人が歯周病の治療を受けています(出典・日本生活習慣病予防協会)。
 歯周病治療で大切なことは、歯周ポケット底部に存在するバイオフィルム内の歯周病菌を除去、または殺菌することです。
従来の治療法はハンドスケーラーや超音波振動を有する器具を用いてバイオフィルムや歯石を取り除くことでした。
 重度の歯周病では歯周ポケットが深いために器具を視覚的に操作できず、歯周ポケット底部に器具が届きにくいことから歯周病菌を取り残してしまう恐れがありました。その結果、治療の効果が得られない場合には、歯肉を剥がして行う歯周外科治療や抜歯を行わなければなりませんでした。
 一方「ブルーラジカル」は、超音波振動による歯石の除去と同時に過酸化水素と青色レーザー照射によるラジカル殺菌(強力な酸化作用)により歯周ポケット底部に生息する歯周病菌を99・99%殺菌する画期的な治療法です。
 開発段階で行われた治験によると、重度の歯周病に罹患(りかん)した歯に対し、1回の治療で従来法より歯周ポケットを有意に減少させ、人体に影響がないことが証明されています。
 また、歯肉の切開を必要としないため、体への負担が少ない点がメリットとして挙げられます。
 デメリットは、治療に係る費用が自由診療となるため高価となる点、失われた歯周組織の再生(歯を支える骨の再生等)は行われない点です。
 歯周病は糖尿病、心疾患、早産などのさまざまな全身疾患の発症と関連性があるといわれています。歯周病をコントロールすることで、これらの発症を抑え、健康な体を維持することにつながります。
 ブルーラジカルは歯周病をコントロールし、歯周病から解放される新たな治療器として期待されています。(金城尚典=歯科口腔外科クリニック、名護市)

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