京都府八幡市の川田翔子市長(35)が来月下旬から産休に入る。
産休は出産前後の母体を保護するために労働基準法で定められた制度だ。雇用される全ての女性が取得できる。
ただ、特別職である市長には適用されない。今回は市職員に準じる形とした。産休中の給与も市職員に準じて減額しない。
職務については副市長を職務代理者とするものの、週1回以上オンラインで主要案件の報告を受けるという。産休明けは育休を取らずテレワーク勤務などで育児と両立する方針だ。
川田氏は先月会見を開き、自身の産休取得を契機に「よりよい制度設計に向けて議論が加速することを願う」と求めた。
女性国会議員の産休は2000年、橋本聖子参議院議員(当時)の妊娠判明後、参院規則の改正で認められた。翌01年には衆院でも議員の妊娠をきっかけに規則が改正されている。
海外ではニュージーランドのアーダン首相(当時)が18年に6週間の産休を取り、その間は副首相が首相代行を務めたことがある。
川田氏の産休取得は、全国最年少の女性市長の誕生により可視化された課題だ。男性偏重の政治の裏返しとも言える。
この機会を若い女性の政治参画を促す取り組みにもつなげたい。
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一方、市民からは「任期中の出産は無責任」との声も上がった。ネットのアンケートでも「意思決定を行う立場の首長は他の議員とは違う」など否定的な意見が目立つ。
自治体トップである首長が産休を取得することを不安視しているのだろう。
ただ、出産に限らず病気や災害などで首長が休職を余儀なくされる事態はままある。そうした時にも自治体が組織として機能できるよう日頃からの備えが肝心だ。
むしろ予定日が予測できる出産は計画的に準備を整えやすい。川田氏はことし2~4月から副市長や部長・課長級、市議らに順次妊娠を伝え産休中の協力を求めてきたという。
首長の産休取得は市民にとっても初めてのことであり、市は不安を払拭する発信にも努めてほしい。
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「政治は男性が行うもの」という固定観念の下で、首長は長く男性で占められてきた。
女性が首長になっても出産や育児を仕事に影響させないことが暗黙の了解となってきた側面がある。
だが、「責任ある立場の人は、いつ何時でも仕事が優先」とする考え方は、そうしたリーダーの下で働く人も追い込む恐れがある。
誰もが生きやすい社会の実現に、性別や年齢を含めさまざまな背景を持ったリーダーこそが求められよう。

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