JAおきなわが指定管理を担う伊江、伊平屋、粟国、小浜(竹富町)、与那国の5町村の黒糖製糖工場で赤字経営が続いている。2018年度から24年度の5工場の累積赤字は計約34億円に達した。

 JAは5町村に赤字補填(ほてん)を求め、応じられない場合は撤退も検討するという。
 24年度の単年度赤字は、与那国1億1900万円、伊平屋1億1400万円、小浜1億400万円、粟国6200万円、伊江1778万円に上る。
 財政基盤の弱い離島町村にとって、これだけの負担を引き受けるのは困難だ。指定管理を任せられる事業者は限られ、万が一JAが撤退することになれば、工場閉鎖に直結しかねない。
 赤字の要因として、JAが挙げるのはそもそもの生産規模の小ささだ。サトウキビ生産量は、JA指定管理の5島で平均3千トン。それぞれ民間が独自に黒糖工場を運営する多良間、波照間、西表の3島の1~5割にとどまっている。
 工場を動かすには一定の固定費が必要でコストが割高となる。近年では最低賃金の上昇、資材や燃料の価格高騰が重なり、さらに収益を圧迫しているという。
 18年度前後に台風や病害虫被害が少なかったことでサトウキビ生産量が増え、黒糖の在庫が積み上がったことも要因となっている。
 離島農家保護のため、工場には収穫されたサトウキビ全てを買い取る「全量買い取り義務」がある。豊作で仕入れが増える一方、販売が追い付かず、赤字幅を広げた可能性がある。

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 同じサトウキビを原料とする粗糖工場は、国の「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づき、交付金が支給される。安価な輸入糖から徴収した調整金を財源に、生産コストと販売価格の差額を穴埋めする仕組みだ。
 一方、地域特産品に位置付けられる黒糖工場はその対象外で、代わりに沖縄振興一括交付金を活用した県の「含蜜糖生産条件不利補正対策事業」で一部を支援する。近年では単年度で約20億円を計上するが、赤字を解消できていない。
 なぜなのか。町村側からは「予算の使途が見えない」「赤字の分析が必要だ」といった声が上がっている。
 県とJAは、支援金の配分や工場別収支、赤字の原因を見える化し、制度の問題を精査した上で、町村と情報を共有すべきだ。
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 県離島振興協議会は、黒糖工場の経営安定化に向けて、県や国に「粗糖並み」の支援を要請している。
 台風や干ばつに強いサトウキビは沖縄の農業を支えてきた。離島において、製糖業は、農家だけでなく運搬、資材販売、商店など地域経済に幅広い影響を与えている。
 製糖工場の閉鎖は、さらに離島の人口流出を加速させかねない。
 島に人が住むことで、農地を守り、伝統文化を継承し、活力を保つことにつながる。

 工場を存続させる方策の検討を急ぐべきだ。
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