200ページ余りの報告書が繰り返し指摘するのは、生徒を守らなければならない教育現場における安全管理意識の欠如である。重い重い警鐘だ。

 名護市辺野古沖で3月、船2隻が転覆し研修旅行中だった同志社国際高校の生徒と船長の2人が死亡した事故を受け、学校法人同志社の第三者委員会が調査報告書を公表した。
 調査は法人や高校の安全管理に絞って実施。危機管理マニュアルに校外活動が含まれていなかったとして不備を厳しく批判した。
 船に教員が乗ることや、天候を誰がいつ確認して出航を判断するのかなど手順が定められておらず、航行中の生徒の見守りを全く行わなかったとして「安全管理体制などの不備こそが、本件事故発生の最大の原因」と断じた。
 米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する「ヘリ基地反対協議会」が運航する船に乗って、沖合から新基地建設現場を見る「辺野古コース」は、事故で亡くなった船長からの提案により同校の平和学習コースの一つとして2022年度に導入された。
 しかし、船の確認や教員による試乗など安全性を確認するための必要な下見をせず始まった経緯がある。背景には船長への「妄信」があった。
 その後も漫然と継続。乗船した生徒の感想文では船の安全性に不安を感じた記載もあったが、多くの教師は事後検証についても重要視していなかった。
 報告書は「安全管理について自分事として検証せず他人任せにする組織風土がある」と指摘した。猛省する必要がある。
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 こうした組織風土は生徒や保護者への説明不足の要因にもなった。
高校は毎年、研修旅行について事前説明をしているが、普段は抗議船として使用されていることや乗船時の注意事項には触れていなかった。
 その結果、生徒や保護者がリスクを十分に認識できていなかったとする。
 第三者委は(1)コースについて事前調査する義務(2)安全性を確保した研修旅行計画の策定・実施義務(3)生徒や保護者への事前説明義務-を挙げ、これら安全配慮義務違反を認定。リスク管理体制の再構築や校外活動の決定プロセスなどに関する監査の実施を提言した。
 生徒の尊い命が失われた。法人や高校は責任を直視し、指摘を重く受け止めなければならない。
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 前日には亡くなった生徒の両親が会見し、高校や反対協の関係者を刑事告訴した経緯を説明した。
 報告書では、反対協には過去に抗議船の出航準備中に水難事故が発生して死亡者が出たことを踏まえ、1隻に乗組員が2人は乗船するという申し合わせがあったともしている。
 ただ、事故に遭った船のうち1隻は亡くなった船長1人しか乗船していなかった。船長は過去に他校の乗船依頼も受けていたという。再発防止のためにも原因究明をさらに進める必要がある。 
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