■これまで対バンがなかった理由
2人が最初に出会ったのは、1979年のヤマハ音楽振興会主催のアマチュア向けオリジナル曲コンテスト「ヤマハポピュラーソングコンテスト(ポプコン)」だった。根本は当時「きゅうてぃぱんちょす」で活動していた杉山について、「すごく真っ直ぐで王道で、こういう人が出るべきコンテストだよなと思った」と振り返る。一方の杉山は、スターダスト☆レビューの前身バンド「アレレのレ」の自由で存在感あふれるステージを観て、「楽曲で競い合うポプコンよりもパフォーマンスで競うEastWest(ヤマハ主催のアマチュアバンドコンテスト)が似合いそうなバンドだと思った」と回想し、互いの鮮烈な印象を語った。
当日は、きゅうてぃぱんちょすが本番中にPAの不調に見舞われ、アレレのレが優秀曲賞を受賞。根本は「(杉山たちを)慰めに行ったの。でも、全然“そんなもん大したことじゃないよ”みたいな感じで(笑)」と、当時から変わらない杉山のクールな一面を明かした。
長い付き合いにもかかわらず、今回が初対バンとなる。その理由について聞くと、杉山は「うちが早く解散したから」と笑う。今回のライブでは互いの楽曲を入れ替えて披露する企画も予定されており、根本は「よっぽどお互いを知らないとできないこと」と語った。
互いのライブに対するリスペクトも深い。根本は杉山清貴&オメガトライブについて「スタジオできっちり構築された音を、それぞれがきちんと再現する。
■「やりたくないことはやらない」
音楽の聴かれ方の変化についても話は及んだ。根本は「音楽は、ジャケットやクレジットまで含めて楽しむもの。参加メンバーの名前とか、そのバンドに付随する逸話とか。楽曲だけでなく、そういう部分も含めて楽しめる環境であってほしい」と語り、「楽曲だけでなく、ミュージシャンそのものに興味を持ってほしい」と思いを明かした。
近年のシティポップブームで杉山清貴&オメガトライブもファン層を広げており、杉山は「ここ数年はシティポップブームに後押ししてもらったところがある」と実感を語った。最近の若いアーティストについては、アニメを愛するリスナーとしての視点から、近年の楽曲傾向について言及。「最近の曲はアニメの主題歌みたいに感じてしまうことが多い」と語った。
ここまで長く活動を続けてこられた理由を聞くと、根本は「売れなかったこと」と即答。「売れることを拒んだわけではないけど、必要以上に大きくなりすぎなかったことが、ライブ中心の今の活動につながっていると思う。呼ばれれば、すぐにライブをしに行けるバンドが理想。
杉山も「売れたとか売れないとかは数字だけの話だし、好きなこと、やりたいことだけやっていけたらいいかなというスタンスでずっとやってきました」と語り、「やりたくないことはやらない」とピシャリ。大きな会場で特別なツアーを組むより、「暇さえあればライブをやっている」ような現在の活動が自分には合っていると語ると、根本はその言葉に「お互い40年やっているプロ、そんな奴が「暇さえあればライブをやっている」ってなかなか言えないよな」とうれしそうに笑った。
2人に共通していたのは、音楽とライブを続けることそのものを楽しむ姿勢だった。40年以上にわたり音楽を続けてきた2組だからこそ実現した初対バン。互いを知り尽くした者同士による一夜限りのステージに期待が高まる。今回のライブの模様は、7月1日午後6時半からWOWOWプライム、WOWOWオンデマンドで独占生中継される。
【プロフィール】
根本要(ねもと・かなめ):
スターダスト☆レビューのボーカル兼ギタリスト。1981年にシングル「シュガーはお年頃」、アルバム『STARDUST REVUE』でメジャーデビュー。スターダスト☆レビューがこれまでにリリースしたアルバムは49枚。
杉山清貴(すぎやま・きよたか):
1983年4月に杉山清貴&オメガトライブとしてシングル「SUMMER SUSPICION」でレコードデビュー。1985年に解散後、翌年5月にシングル「さよならのオーシャン」でソロデビュー。1980年代のミュージックシーンを駆け抜けたJ-POP/J-AORボーカリスト。ギターでの弾き語りの『アコースティクLIVE』から大規模ホールでのコンサートツアー(フルバンド)そしてライブハウスへの出演など幅広い演奏活動を年間通じて展開している。杉山清貴&オメガトライブとしても再集結を果たし、不定期ながらもコンサート活動を行っている(ただし、再結成はしていない)。


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