「被災した古い資料、捨てるの待って」熊本県が呼びかけ “地域...の画像はこちら >>


 泥をかぶった帳面、崩れた家屋から見つかった巻物、何に使ったのか分からない古い道具。災害後の片付けでは、こうした品が壊れた家財に紛れ、「捨てるしかないもの」に見えてしまうことがあります。


 しかし、その一つが地域の暮らしや産業、歴史を伝える資料かもしれません。


■ 熊本県が処分前の相談を呼びかけ

 熊本県文化課は、令和8年熊本地震で被災した古文書や絵画、生活道具などについて、処分する前に相談するよう呼びかけています。


 県が公開したチラシには、「被災した古い資料、すてるの待って!!」「その資料は、みなさんの地域の宝です!!」とのメッセージが記されています。


 対象は、古文書や古書、巻物、掛け軸、古い生活道具や職人道具、絵画、工芸品、彫刻など。明治時代より前がおおよその目安ですが、価値や年代が分からない場合も相談できます。


 ここでいう文化財は、博物館に展示される有名な美術品だけではありません。昔の商売の帳簿や地域行事の記録、農林漁業に使われた道具なども、その土地の暮らしを知る手がかりになることがあります。


「被災した古い資料、捨てるの待って」熊本県が呼びかけ “地域の宝”の可能性も
熊本県文化課の投稿

■ 災害のたびに繰り返される資料の廃棄

 災害後に歴史資料が失われる問題は、熊本だけのものではありません。


 東日本大震災では、損壊した建物の撤去などに伴う文化財の廃棄や散逸を防ぐため、文化財レスキュー事業が行われました。2024年の能登半島地震でも、指定文化財に限らず、個人宅などに残された古文書や生活道具の救出、一時保管が実施されています。


 災害直後は、安全の確保と生活再建が最優先です。一方で、家屋の解体や家財の処分を急ぐ中、由来の分からない資料は、十分に確認されないまま捨てられてしまうことがあります。


 一見すると何の変哲もない古い品でも、同じ地域に残る別の資料と照らし合わせることで、かつての暮らしや仕事を知る貴重な記録になるかもしれません。一度処分されれば、取り戻すことはできません。

■ 「価値がない」と決める前に相談を

 熊本県内での相談先は、熊本県教育庁教育総務局文化課。電話番号は「096-333-2707」、メールアドレスは「bunka@pref.kumamoto.lg.jp」です。


 自宅や実家の片付けで、由来の分からない古い資料を見つけたときは、「価値がない」と決めつけず、自治体の文化財担当部署などに相談してみてください。


 それは、その家だけでなく、地域全体の記憶を伝える品かもしれません。

<参考・引用>
熊本県文化課【公式】(@kumamoto_bunka)
熊本県教育委員会「被災した古い資料、すてるの待って‼」

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By おたくま編集部 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2026080603.html
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