人生の後半戦を幸福度高く生きる人は何が違うか。経営者の規格外さんは「目先の利益や快楽だけを追うと、生きていく方向性がいつまで経っても定まらない。
人生の方向性が定まることでもてる自信が幸福度に深く影響する」という――。
※本稿は、規格外『すべては言葉からはじまる』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。
■40代以降は選択と集中による一点突破を
40代以降の競争を終わらせる。それがニッチ領域独占の
「ブルーオーシャン戦略」

40歳を過ぎたら、「できないことはできない」と素直に認めるべき。それまでは好奇心の赴くまま、可能性を試してみるとよい。混沌を通して適性が見えてくるためである。
そして40代以降は、戦略的に動くべきである。過去の経験の中で、あなたが「成果を出せ、かつ継続できた分野」にリソースをすべて投入する。
人生の中盤戦以降は、選択と集中による一点突破こそが、努力をレバレッジさせる最も確実性の高い戦略である。その先に、大きく道が開ける。
ちなみに40歳を過ぎてのキャリア戦略は、新たなスキルへの投資より先に「負債整理」から始めるべき。
過去、惰性で習得した、低リターンであるにもかかわらず心身を消耗させる「重すぎるルーティン」こそが、あなたの時間資源を食い潰す最大のリスクとなる。

これを切り捨てる覚悟が、中盤戦以降を身軽、かつ力強く生き抜くための第一歩となる。
補足すると、一点突破の真の目的は、その分野の頂点に立つこと「ではない」。
そこで培った深い専門性(A)を、過去の混沌期に拾った一見無関係な経験(B)と掛け合わせる。
AとBの交点に生まれるニッチな独占領域こそが、40代以降の競争を終わらせる「ブルーオーシャン」であり、あなたの唯一無二の価値となる。
■幸福感を長続きさせる取り組み
圧倒的な自信は、長い探求の果てにもたらされる

人間、40歳を過ぎれば、「これに人生を懸けてきた」と胸を張って言えるものがあった方がいい。それは、存在の深いところから湧き上がる自信となり、発する言葉に説得力を宿らせる。
反対に、あれこれ手を出して中途半端に終わり、「これ一つをやってきた」と言えるものがなければ、言葉の端々に 弱気さが滲み出るのは必然。当然、説得力も影響力も生まれない。
もちろん、そこに至るまでには探索期(モラトリアム期)が必要である。
だが、この期間を端折り、目先の利益や快楽だけを追えば、生きていく方向性がいつまで経っても定まらず、自信も育たない。
結果として、他人の言動に影響されては、あっちへフラフラ、こっちへフラフラ。軸足が定まらない。
これ一つを探求してきた、そんな絶対的な自信がなければ、幸福感は長続きしない。自信の有無は直接的にも間接的にも、幸福度に深く影響するからである。
長期的な視点で幸せに近づこうとするならば、探索期を経た上での「一点集中」が、どうしても必要となる。
私にとってのそれは「日記による言語化と、それを通して実現される変化・変容」というテーマであり、「幸福探求の旅路」そのものであったといえる。
有り難いことには、この旅路を歩む過程そのものが、私にとっての幸せとなっている。
■小さいが、確実に勝てる勝利を掴み取る
大きな夢を実現させたい人こそ
心がけるべき、
「小さな3連勝」

人が挑戦の前で足がすくむのは、「一発逆転」を夢見てしまうから。助走もなくいきなり大勝負に挑む者は、勢いがつかぬまま壁にぶつかり、心が折れてしまう。
そんな私に師匠が教えてくださったのは「3連勝主義」という考え方。大きな勝ちを一度で狙うのではなく、小さくていい、だが確実に勝てる勝利を掴み取りに行く。
その勝ちを三度積み重ねることによって勢いが生まれ、その余勢を駆って、さらなる高みに跳躍できるようになる。
最初の一歩は他人から見れば取るに足らない成果でも、それは次への助走となる。二歩、三歩と連続して勝ちを積めば、自信が生まれ、自尊心が育ち、やがて大きな流れに変わっていく。

だからこそ、私たちが目を向けるべきは、他人が笑うくらいの些細な「小さな勝ち」。
小さな勝利の積み重ねは「自分もやれる」という成功体験をもたらし、自尊心を引き上げる。それが次の挑戦へのハードルを低くし、動きやすくしてくれる。
「気負わず、小さく、確実に」これが3連勝主義の真髄といえる。壮大な構想を抱きつつも、足もとで小さな3連勝を積み重ねる。
やがて加速がつき始め、人生の風景が劇的に変わり始めることとなる。
■不透明な時代に立ち返るべきシンプルな原則
コントロールできることに集中し、コントロールできないことに悩まない

「コントロールできることに集中し、コントロールできないことに悩まない」。結局のところ、これ以上の人生戦略はない。
不透明さが常態化した時代に生きていると、不安を煽るニュースや未来予測に振り回されがち。だが、そういうときこそ立ち返るべきは、シンプルな原則。
私たちが確実に手を加えられる領域は限られている。
たとえば、人とのつながりを大切にし、それを広げ、深めていくこと。
そこから信用や信頼が積み重なり、長期的な財産となる。あるいは、自らの知識や経験、能力を高めるために時間やエネルギーを投じる。これらは間違いなく、自分の意思で築ける領域。
さらにいえば、良い習慣を意識的に身につけることもそうだ。日々の小さな習慣がやがて大きな成果を生む。つまり「良い結果をもたらすであろう習慣」へとシフトする努力は、自分の手に委ねられた数少ないコントロール領域といえる。
加えて、健康を守ること、感情をプラスに維持することも同様だ。体調管理や心の状態は、最終的に自分にしか責任が取れない部分である。
大切なのは、「自身で何とかできること」にのみ焦点を合わせる姿勢。世の中には、自分の努力や意思ではどうにもならないことがあまりに多い。外部環境に右往左往させられず、目の前の「自分にできること」を一つひとつ積み重ねていくしかない。
■勢いが勢いを呼ぶ
出し惜しみせず、余力を残さず、エネルギーを使い切ることによって
「その時、人生が動いた」としか
言いようのない瞬間が訪れる

エネルギーは貯め込むものではなく、出し尽くすもの。
全力を出し切ったときにしか見えない景色があるからである。エネルギーは節約しようとすればかえって小さくなり、惜しみなく使えば倍加して返ってくる。
小学校の頃、プールの授業で全員が同じ方向を向いて歩くというものがあったけれども、あれを思い出してもらいたい。最初は水の抵抗が強く、思うように進めない。
けれども何周か回っているうちに、水は流れを帯び、やがて大きな渦となって加速し始める。立ち止まろうとしても止まれず、逆らおうとしても逆らえない。まさに「勢いが勢いを呼ぶ」瞬間。
人生やビジネスも同じ。最初の一歩、二歩は重たい。誰もが抵抗を感じ、心が折れそうになる。しかしその段階を越え、渦のような流れを生み出すことができれば、そこから先は自分でも驚くほどの加速度で物事が進み始める。努力が努力を呼び、成果が成果を呼び、引力が新たな人や資源を巻き込んでいく。

この流れが起きたとき、人は「自分の人生でありながら、自分の力を超えた力に動かされている」感覚を味わう。これはエネルギーを出し尽くし、全力で渦を作り出した者だけが到達できる領域。
歴史に「その時、歴史が動いた」と呼ばれる瞬間があるように、個人にも「その時、人生が動いた」としか言いようのないタイミングが存在する。
そこに至る唯一の道は、出し惜しみせず、余力を残さず、エネルギーを使い切ること。
■お金を世界に解き放ち、循環させる
止まらない流れを作れ。人生を変える加速度の法則

エネルギーは使えば使うほど増幅し、節約しようと握りしめるほど萎んでいく。人生やビジネスは全力を尽くすことで加速する。この法則は、エネルギーだけに留まらない。お金、人間関係、そして情報にまで及ぶ普遍的な原理といえる。
少なくない人はお金を貯め込もうとするが、惜しみなく適切な場所に流す者が大きな富を築くことになる。彼らは手元に入ってきたお金を死守しようとするのではなく、それを世界に解き放ち、循環させようと試みる。
その対象は事業であったり、投資先であったりするわけだが、適切な場所に投下された資金は1が2となり、2が5となって仲間を連れて戻り、加速度がついてくる。
人間関係も同様である。人から紹介を受けるだけで自分は誰も紹介しない態度を取り続ければ、つながりは細くなっていく。反対に、得た出会いを惜しみなくつなぎ、循環させる人のもとには、驚くほど豊かなご縁が流れ込む。
そして、人のつながりが生まれれば、情報も入ってくる。情報は孤立した場所ではなく、流れの中心に立ち、他者に惜しみなくシェアし続ける人のところに集まる。要するに、エネルギーも、お金も、人も、情報も、すべて出し惜しみせず、流し、散ずるべきということ。
その循環の中で勢いが生まれ、やがて止めようとしても止まらぬほどの「流れ」が形成されることとなる。

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規格外(きかくがい)

経営者

京都大学大学院中退。米系グローバル企業を経て、起業。ニッチ市場をゼロから創造し、20年以上にわたって億単位の営業利益を継続。自身の挫折と成功の経験から、「使う言葉を変えるだけで、人生いつからでも作り変えられる」という信念に至る。Xフォロワー数6.6万人。

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(経営者 規格外)
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