仕事のスケジュールを組むうえで大切なことは何か。営業コンサルタントの黒田昭彦さんは「短い時間で区切ってタスクをこなす時間術で自分を追い込みすぎて休憩時間と余白時間を設けないのはかえって非効率だ。
予定通りにいかなかった場合に軌道修正する時間をあらかじめ設けるといい」という――。
※本稿は、黒田昭彦『15分スケジュール すぐに成果を出す人の時間術』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
■余白の時間を1日4マスは入れる
1日の予定を組む時には、必ず休憩時間と余白時間を入れるようにしてください。
なかには、タスクとタスクがずっと連続して、息つく暇もない細かく詰まったスケジュールを立てる方がいます。
まじめな方ほどそうなるのですが、予定には一定の余白や休憩が必要になります。
15分スケジュールを導入した、ある商社のチームリーダーの方に「15分スケジュール、いいですね。でも、もっとやれ! もっとやれ! と15分スケジュールにムチ打たれて追い込まれるんです」と言われたのですが、これはやり過ぎです。
あまりにも自分を追い込みすぎると、どこかで無理がたたって倒れてしまいます。
休憩は必ず必要ですし、常に予定通りにスケジュールが進むわけではありません。
一定の割合で余白時間を設けて、予定通りにいかなかった場合に軌道修正する時間は必要になってきます。
最低でも1日のスケジュールで4マス、できれば2時間おきに30分の余白があれば理想的です。なぜ、15分ではなく30分なのかというと、15分ではちょっとした連絡や雑務くらいしかすることはできないのですが、30分であればできる仕事の範囲が大きく広がるからです。

また、予定通りにいかなかった場合にリカバリーできる余白時間があると心に余裕を持てます。予定通りにいかず、時間が足りないとプレッシャーを感じながら業務をしていると、思わぬミスを招く原因にもなります。
仕事における休憩はサボりではありません。パフォーマンスの維持にとって非常に重要な要素なのです。
■必要業務として休む方がよい
休憩なしで、パフォーマンスが落ちるよりは、適切な休憩を取って高いパフォーマンスを保つ方が、成果を上げられるうえに時短にも有効です。
休憩の効能としては、集中力の回復、創造性の向上、ストレスや身体への負担軽減などがあります。
ですから適切な範囲では、むしろ必要業務として休む方がよいのです。
時短テクニックとしては、仕事を25分ずつに分けて、その間に短い休憩を取るという時間管理術があります。
ポモドーロ・テクニックという方法ですが、25分集中して作業をしたら5分休憩の1セットで、これを4回繰り返したら、15~30分の長めの休憩を取ります。
短いから集中しやすく、細かな休憩で疲れにくいので、集中力が自然と高まるといわれています。
15分スケジュールに置きなおすと、15分×2マスの仕事で、最後の5分は休憩。それを4セット、2時間こなしたら、15分×2マスの余白時間を作ります。
先程、できれば2時間おきに30分の余白時間を推奨させていただいた理由でもあります。
もちろん、そこまで余裕がない場合も多いかとは思いますが、基本としては15分×2マスの仕事(最後の5分は休憩)×4セット+15分×2マスの余白時間で「15分スケジュール」を設定してみましょう。
スケジュールには、休憩と余白を入れる!
■予備業務も考えておく
無駄な時間をなくして、時間を有効に使っていくためには細切れ時間、スキマ時間の活用が重要になってきます。意識して準備をしなければ無意味に過ぎてしまいがちな時間をどのように活用できるかは、その時間への準備が鍵になります。
「15分スケジュール」が1コマを15分に設定している意味合いはまさにそこにあります。5分では細か過ぎますし、30分では大き過ぎる。細切れ時間、スキマ時間の活用を見越した15分という単位は工程の大きさとしてちょうどいいのです。
緊急などで遅れることも多いのがスケジュールですが、逆に早く終わってちょっとした時間が空くこともあります。また、予定がキャンセルとなって、急に大きな時間がぽっかりと空くこともないではありません。
そこで、予定が早く終わった時のために、雑務など短時間でできる業務を予備業務として、15分スケジュールの備考欄にあらかじめ設定しておきます。
たとえば、1時間の商談のつもりが、30分で終わった。2時間かかるかと思った資料作成が1時間30分で完成したなど、時間ができる可能性はあります。

そんな時、何をしようかと考えていると、時間はあっという間に過ぎてしまいます。しかし、備考欄にあらかじめ設定していれば、スムーズに予備業務へと移行して、時間を無駄にすることはありません。
すべての予定に予備業務を設定する必要はありませんが、5分程度で終わるちょっとした雑務から30分程度あるなら早めに取り掛かりたい、明日以降に予定している業務などを空いた時間用の予備業務として備考に入れておけば時間が空いた際には、そこを見ればすぐに取り掛かれます。
■移動中の電車内でもできる6つのこと
予備業務は、移動時間にできることも設定しておくとより効率的になります。電車に乗っている間は、ぼんやりして頭を休めるのも1つの手ですが、スマホで何か調べたり、メールをチェックするなど、できることは色々とあります。
ただし、あくまでも公共の場であることを頭の中に入れて、情報漏洩の防止には気を配りましょう。
【移動中の電車内でもできること】
・スケジュールの見直し

・メールチェック

・情報収集、調べもの

・AIでの壁打ち、企画検討

・商談などのイメージトレーニング

・雑務(諸連絡など)
【守秘義務を守るための工夫】
・スマホ画面にプライバシーフィルムを貼る

・イニシャル入力「顧客名・具体名はイニシャル」でメモする
移動時間でもできることをあらかじめ考えて、会社ではなるべく会社でしかできないことに注力すれば効率は高まります。
雑務は予備業務のスキマ時間で終わらせるべく、普段から3~5分でできるタスクをリスト化しておくと便利です。
時間もポイントと一緒で、細切れなスキマ時間も準備をしておけば、思った以上に活用することができます。スキマ時間を活用するために、「15分スケジュール」の備考欄には予備業務を予め用意しておきましょう。
予備業務を設定する!
■脳に負担をかけずに目の前の業務に集中
「15分スケジュール」及び、その前段で活用する「週間スケジュール」を作成する上で、重要なことがあります。それは、予定をすべて書き出すことです。

予定をすべて書き出さないで頭の中で抱えていると、優先順位も判断も曖昧になり、業務の抜け漏れが発生しやすくなります。
逆に予定をすべて書き出しておけば、脳に負担をかけずに目の前の業務に集中できるようになります。
これは、思考スピードの時短で、時間管理の第一歩となります。
また、細かなタスクまですべて書き出されていると、スキマ時間の活用がしやすくなります。たとえば、「この10分でこの書類に目を通しておけるな」といった判断がしやすくなります。
ところが、書き出されることなく頭の中だけに入っていると、そのような判断がとっさにはできないため何をすべきか迷ってしまい、そのスキマ時間を無駄にすることになってしまいます。
そして、予定が見える状態にあれば、上司や同僚への共有や相談もスムーズになります。
ただ、上司とのスケジュールの共有には、抵抗を感じる人もいるかと思います。特に、自分で「後回しにしている」「正直、着手したくない」と思っているような業務は、上司に怒られたくないという思いから隠してしまい、予定に書きづらくなってしまいます。
■予定表から1つずつ消していけば達成感も
しかし、そういった予定に書かれていない業務こそが、残業の障壁であり、業務のボトルネックになるものです。
それを見て見ぬふりをしても、虫歯と同じで自然と解消されることはありません。早く対処しなければ、むしろ状況は悪化して最後には他の業務にも悪影響を及ぼしてしまいます。

私もチームリーダーの時は、メンバーが提出する「週間スケジュール」を見て、毎週同じことが書いてあるのに、進捗が見られない項目に関しては、何か障壁があり、業務のボトルネックがあるはずと思い声をかけていました。
最初は苦い顔をしていたメンバーも、問題が解決されるとスッキリした顔になります。
予定は会議やプロジェクトだけでなく、メール返信、経費精算、ファイル整理といった一見些末に思える業務まで、すべて書き出しておけば、うっかり忘れるといった心配もなく安心して業務に集中することができます。
これさえ終われば家に帰れると安心できるのが15分スケジュールです。予定に抜け漏れや隠し事があっては、15分スケジュールは機能しなくなってしまいます。
全体が見えれば、対策も打てますし、必要なサポートをしてもらうことも可能です。
そして、業務が終わるごとに予定表から1つずつ消していけば、達成感も感じられます。
「15分スケジュール」の予定はすべて書き出して、抜け漏れの心配をすることなく作業に集中できる状態にしておきましょう。
予定は細かいことまですべて書き出す!

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黒田 昭彦(くろだ・あきひこ)

営業コンサルタント、営業改善 代表取締役

1971年生まれ大阪府堺市出身、甲南大学卒。マーケティング会社にて企画営業として23年間多数の企業の営業支援に携わる。会社員時代のある晩、チームメンバーが「明日は徹夜をしても業務が終わらない!」と泣きじゃくり始めて手が付けられない状態になった時に、業務を分解して15分単位で予定に落とし込む方法を実践。短時間で業務を前に進める手応えを得たことから、再現性のある手法として体系化した。
2019年、営業コンサルタントとして独立。現在は15分スケジュール、週間スケジュールを活用した営業の生産性向上と販売促進などを支援している。

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(営業コンサルタント、営業改善 代表取締役 黒田 昭彦)
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