※本稿は、谷口恵子『最小のインプットで最大の結果を出す ずるい勉強法』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
■自分を縛る、勉強の「型」を破る
「勉強は机に向かってするもの」「本は最初から最後まで読むもの」「学んだら必ずノートはきれいに取るべき」。こんな、「勉強とはこうあるべき」という「型」を誰もがどこかで刷り込まれています。しかし、実はこの「型」こそが、学びをつまらなくし、継続を阻み、挫折を生む最大の原因なのです。
一方、成果を出し続ける人に共通しているのは、
・型を知っていても、それにとらわれない
・人のすすめる方法も参考にしつつ、自分でいろいろ試行錯誤する
・自分が楽しく続けられる学び方だけ採用する
という姿勢。望む成果を出せる学習者というのは、「真面目に学ぶ人」ではなく、「遊び心をもって学べる人」なのです。
①守らなきゃいけないルールが多すぎる
型にはまった学び方は、「毎日30分」「最初から最後まで読む」「メモを必ず取る」「静かに集中して取り組む」など、自分を縛るルールが増えすぎます。
ルールが増えるほど、「始めるのが億劫→途中で嫌になって続かない→自信が下がる」という負のループに入ります。
本来、学びに必要なのは「努力」ではなく「ワクワクする好奇心」。努力をしようとするほど、学びは重くなるのです。
②「正解」を求めすぎて動けなくなる
型にはまった学びの最大の落とし穴は、「これで合っているのかな?」「もっと正しい方法があるのかな?」という不安が止まらなくなること。
学びの本質は「間違えながら、試しながら、調整しながら進むこと」。正解はあとから見えてくるものであり、先に探しても見つかりません。
③「遊び」がないと脳が飽きる
人間の脳は、単調な作業を続けると飽きてシャットダウンしようとする性質があります。つまり、
・毎日決まった教材
・同じ方法
・同じペース
で学ぼうとするほど、脳は「退屈だ」と判断して忘れるのです。
反対に、「意外性」や「新鮮さ」がある学びは、脳が活性化し、吸収力が跳ね上がる。だからこそ、型を破り、自由に学ぶことが成果につながるのです。
■正しさではなく楽しさを優先する
「型を破る」なんで言うと一気にハードルが上がりそうですが、実はとてもシンプルです。
「学びにおいて、正しさではなく、楽しさを優先する」
これだけで、あなたの学びはもう「型破り」になります。
子どもの頃の自由研究を思い出すと、テーマを自分で選べて、紙粘土でも虫取りでも植物の観察でもよかったからこそ楽しかったですよね。私は粘土に色を塗って南米の魔除けのようなお面を作ったり、近くの田んぼで取ったタニシやザリガニの観察日記を書いたりしたのを覚えています。
何も思いつかなくて楽しくなかった、という方もいるかもしれませんが、そのときは、もっと前の幼児期、砂場や広場で何時間も遊んでいた頃の自分をイメージしてください。
大人の学びもまったく同じでいいのです。何をするか、どんなふうに学ぶかは自由です。いくつかの「型破りな学び」をご紹介します。
■小説や映画を「楽しい学び」に
【小説で学ぶ】
小説が好きなら、あなたはラッキーです。いろいろな小説が学びに向いています。
・この人物はなぜこの行動をしたんだろう?
・このストーリーにはどんな伏線が張られていた?
・この話は史実に基づいているのかな? どの部分がフィクションなんだろう?
少し意識するだけで、ロジカルシンキング、ストーリーテリング、ファクトチェックの力などが鍛えられます。
しかも、好きだから努力ゼロで続けられるし、何年経っても内容を覚えている、という最高の学びになります。
【映画やドラマで学ぶ】
映画やドラマもさまざまな学びが詰まった教材になります。
・どのタイミングで自分の感情が動いた?
・主人公はどんな言葉で相手の心を動かした?
・どんな演出で観客を引き込んだ?
こうした観察はそのまま人間理解、プレゼン力、コミュニケーション力に直結します。
海外の映画やドラマからはさまざまな国の文化や価値観、歴史背景が学べますし、言語学習にも使えます。また、ストーリーの中から、さらに深掘りしたくなるテーマが見つかるかもしれません。
今は映画館に行ったりDVDを借りに行ったりしなくても、NetflixやAmazon Primeなどで気になったときに映画やドラマが見放題です。
■旅行は学びの宝庫
【旅行で学ぶ】
体を動かして、体験型で、贅沢な自由研究ができるのが旅行です。旅に出ると、さまざまな学びが勝手に発動します。
・初めての土地→観察力が磨かれる
・文化や価値観の違い→異文化理解とコミュニケーション力が伸びる
・街の歴史
・建物の由来→教養が深まる
・現地の人との会話や食文化→人間理解が進む
・道に迷う、電車を間違える→問題解決力が鍛えられる
と、学びがいっぱい。しかも、自分が行きたい場所、興味がある観光地を選べるので、全部「楽しさ」をベースに学べるのがポイント。
「なんでこの国の人はこんなに親切なんだろう?」「この建物、歴史的に何があったんだろう?」「なんでこの味つけになるの!」など、興味スイッチが勝手に入り続けます。
帰る頃には、1つの立派な研究テーマが完成していることもしばしば。旅行はまさに最高の総合学習になります。
■自分に新しい世界を見せてくれる本の読み方
本や動画などを使って学ぶ場合に、さらに楽しく、飽きず、続けられる学び方に変えるために、今日から使える「3つの型破りインプット術」を紹介します。
①本は最初から最後まで読まなくていい
読みたい章だけ読む。見出しと興味のある図だけ見る。「はじめに」から読むのではなく、「おわりに」から読んでもいい。
「読書=最後まで読む」という固定観念を捨てるだけで、読書は10倍楽しくなります。
実は私自身、学生時代から「本は一字一句じっくり読む」のが好きで、1冊読むのに1週間以上かかることもよくありました。でも今、仕事や情報収集のために本を読むときには、そんなにじっくり読むことはありません。「この本から得たいもの」を意識して、その答えを探すようにざっと読みます。それはもともとコンサル出身で「アウトプットを前提とした高速インプット」が得意な夫に教えてもらった読み方です。
「読書が苦手」という人は、学生時代の「テストに出るかもしれないから細部まで見逃さないように読まないといけない」という強迫観念のようなものが大人になっても残っているのかもしれません。
「全部読まなくてもいい」「読んで印象に残るところだけ覚えていればいい」と自分に許しを与えただけで、本を読むスピードは数倍速くなります。必要なら1日に何冊も読めるようになります。そして、本というものが自分に新しい世界を見せてくれる、素敵なインプット手段に思えるようになります。
■発想の転換が「楽しい学び」につながる
②動画は倍速でザッと観る、飛ばす、まとめだけ観る
動画は「全部理解しようとする」から疲れます。
・倍速でザッと観る
・つまらないところは飛ばす
・最後のまとめだけ観る
こんなふうに、視聴方法は自由でいいのです。この点、最近の大学生は「ドラマすら倍速で観る」人もいるそうで、情報収集、インプット効率の観点では感心させられます。
③インプットとアウトプットを「逆転させる」
普通は「インプット→アウトプット」の順ですが、それを逆転させるのも効果的です。
・自分が知りたいことへの仮説を作ってから読み始める、動画を見始める
・「今これに興味があって学んでいます」と先にSNS投稿してから学ぶ
・先に体験をしてみてから、方法を学ぶ
順番を変えると、学びは一気に楽しく、新鮮なものになります。
■勉強は「楽しさ優先」にシフトを
「型を破る学び」に慣れると、いろいろな効果があります。
・飽きずに楽しく学び続けられる
・嫌いなことをしないのでストレスが少ない
・「ルール通りにやらないと成果が出ないかも」という不安感がない
・能動的な試行錯誤、創意工夫をする場面が多く、脳が活性化する
・さまざまな感覚を使えるので理解が定着しやすい
・楽しいので学習量が自然と増える
・リアルな体験がしやすく、行動
・アウトプットにつながりやすい
……となると、学習の成果が出ないわけがありませんよね。
さあ、今日から「勉強のルールについての思い込み」を捨てて、「楽しさ優先」に学び方を変えてみませんか?
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谷口 恵子(たにぐち・けいこ)
AI活用コンサルタント/英語学習コーチ
プチ・レトル代表取締役。2002年東京大学法学部卒業。20年同大学大学院学際情報学府修士課程修了。日本オラクル、ソニー勤務などを経て13年プチ・レトルを共同起業。ビジネスや英語学習におけるAI活用を広めている。
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(AI活用コンサルタント/英語学習コーチ 谷口 恵子)

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