2024年、私はボド・メラー・ケミー・ジャパン株式会社の事業を立ち上げました。

同年、日本進出を発表した記者会見では、日本法人の門出を記念して、だるまの目入れを行いました。


顧客ゼロから始めた日本法人づくり。ドイツ企業の中で挑戦する「...の画像はこちら >>


オフィスも、顧客基盤も、日々の業務の仕組みも、まだ十分に整っていない状態からのスタートでした。日本での取引先はゼロ。最初に必要だったのは、既存の事業を引き継ぐことではなく、日本市場に合った事業を一から形にすることでした。

ただし、私は独立して会社を起業したわけではありません。

Bodo Möller Chemie Groupは、1975年にドイツで創業した企業です。私はその一員として、日本法人を立ち上げました。

これは、独立して事業を始める「起業家=Entrepreneur」とは異なり、既存企業の中で新しい事業を生み出す「イントレプレナー=Intrapreneur」と呼ばれる役割です。

既存企業の基盤やブランド、海外ネットワークを活用しながら、その組織の中で新しい事業を立ち上げる。安定した企業に所属しながら、起業家のように考え、判断し、実行する仕事です。

既存の会社の中で、ゼロから事業をつくる

起業では、会社そのものをゼロからつくります。

一方、イントレプレナーには、すでに存在する会社の中で新しい市場や事業を開拓する役割があります。

ボド・メラー・ケミーの場合、ドイツ本社や欧州を中心とする各国拠点には、長年培ってきたメーカーとの関係、製品知識、物流の経験、財務基盤があります。

日本法人の立ち上げでは、それらを活用できるという大きな強みがありました。


しかし、日本市場で何を販売するのか、どの産業を優先するのか、どのように顧客を開拓するのか、輸入や倉庫の仕組みをどう整えるのかは、日本で考えなければなりません。

海外で成功している方法をそのまま持ち込めば、日本でも成功するわけではありません。

日本のお客様が求める品質、対応スピード、書類、納入条件、商習慣を理解しながら、日本に合った事業をつくる必要がありました。

最初の仕事は「売ること」だけではなかった

日本法人を立ち上げたとき、営業活動だけに集中できたわけではありません。

顧客への訪問や製品提案に加え、見積書の作成、仕入先への問い合わせ、輸入手配、通関、倉庫の選定、国内配送、請求書の発行など、事業運営に必要な仕事を一つずつ整えていきました。

海外メーカーに在庫を確認し、輸送会社と航空便を手配し、通関業者と必要書類を確認し、日本のお客様へ納期を説明する。

会社を立ち上げるとは、華やかな戦略だけを考えることではありません。

小さな実務を確実に積み上げ、お客様が安心して取引できる仕組みをつくることです。

最初の一件を受注しても、製品を問題なく納入し、代金を回収できるまで事業は完了しません。

その一連の流れを繰り返しながら、少しずつ会社としての信用を築いてきました。

日本法人の立ち上げでは、営業活動と並行して、日々の業務を支える環境づくりも進めました。

お客様への対応、海外との連絡、輸入・物流の調整を円滑に行うため、東京に業務拠点を整えました。

顧客ゼロから始めた日本法人づくり。ドイツ企業の中で挑戦する「イントレプレナー」という働き方


現在のオフィスは日比谷フォートタワー内にあり、集中して働ける環境と、対面で相談しやすい共用スペースの両方を備えています。


日本で必要とされる製品を探す

当社は、接着剤、シーラント、エポキシ樹脂、表面処理剤、塗料、潤滑剤、熱マネジメント材料などのスペシャリティケミカル製品を取り扱っています。

これらの製品は、一般消費者が日常生活で目にすることは多くありません。

しかし、航空宇宙、防衛、エネルギー、電子、自動車など、日本の重要な産業を支えて

います。

日本で新しい事業を育てるためには、製品を紹介するだけでなく、業界の方々との信頼関係を築き、日本市場への理解を深めることが欠かせません。

そのため、私は業界団体や専門家との交流にも積極的に参加しています。

2026年1月には、西日本接着剤商業会の新年賀詞交歓会で、ボド・メラー・ケミーの日本での取り組みについてお話しする機会をいただきました。

顧客ゼロから始めた日本法人づくり。ドイツ企業の中で挑戦する「イントレプレナー」という働き方


2026年6月には、日本接着学会の年次大会で、ボド・メラー・ケミーの事業と日本市場での取り組みについて紹介しました。

顧客ゼロから始めた日本法人づくり。ドイツ企業の中で挑戦する「イントレプレナー」という働き方


日本のお客様からは、国内で入手しにくい材料や、海外メーカーが製造する特殊な製品について、多くの相談をいただきます。

単にカタログに掲載されている製品を販売するのではなく、お客様の仕様や用途を理解し、世界各地のメーカーや在庫を探し、輸入可能かを確認する。

必要に応じて、欧州や米国の仕入先、グループ会社、物流会社と連携し、日本まで製品を届けます。

この仕事では、製品知識だけでなく、調達、物流、法規制、価格、納期を総合的に考える必要があります。

顧客ゼロから50社へ

日本法人を立ち上げた当初、お客様は一社もいませんでした。

そこから一件ずつ問い合わせに対応し、見積書を提出し、納入実績を積み重ねてきました。

現在では、約50社のお客様と取引しています。
日本法人は黒字化し、事業として次の段階へ進みつつあります。

この数字は、単に営業先を増やした結果ではありません。

海外から特殊な製品を取り寄せ、希望される納期に合わせ、必要な書類を用意し、問題が起きた際には解決策を考える。

こうした日々の対応が、次の注文や新しいお客様の紹介につながりました。

特にスペシャリティケミカルの分野では、製品を一度販売すれば終わりではありません。

品質、供給の安定性、納期、技術資料、規制対応まで含めて信頼されることが、長期的な取引につながります。

イントレプレナーに必要なのは、すべてを自分で行うことではない

事業を立ち上げる初期段階では、どうしても一人が多くの仕事を担当します。

しかし、会社が成長するにつれて、同じ方法を続けることはできません。

売上や顧客数が増えれば、見積、受注、発注、輸入、在庫、納期、請求などの業務も増えます。

イントレプレナーの仕事は、永遠にすべてを自分で抱えることではありません。

次の成長に必要な人材を採用し、仕事を分担し、再現性のある仕組みをつくることも重要な役割です。

現在のボド・メラー・ケミー・ジャパンは、まさにその段階にあります。

日本法人の立ち上げ当初のように一人で幅広く対応する会社から、複数のメンバーが役割を持ち、組織としてお客様を支える会社へ移行しなければなりません。


大企業とスタートアップの間にある面白さ

イントレプレナーとして働く魅力は、安定性と自由度の両方を持てることだと思います。

独立した起業では、資金、信用、仕入先との関係、管理部門などをすべてゼロから用意する必要があります。

一方、既存企業の新規事業では、グループのブランド、海外ネットワーク、専門知識、財務基盤を活用できます。

そのうえで、日本での事業戦略や顧客開拓については、自ら考え、行動できます。

もちろん、グループ企業である以上、社内のルールや報告も必要です。

自由に何でもできるわけではありません。

しかし、制約がある中で現実的な解決策を考え、社内外の関係者を動かし、新しい事業を前進させることも、イントレプレナーシップの一部です。

すでに完成された組織で決められた役割だけを担当する仕事とは、異なる面白さがあります。

失敗しないことより、早く学ぶこと

新しい事業では、最初からすべての判断が正しいわけではありません。

見込んでいた製品が日本市場に合わないこともあります。

想定より輸送費が高くなることもあります。

お客様が求める納期と、海外メーカーの製造リードタイムが合わないこともあります。

大切なのは、失敗や想定外の出来事を避けることだけではなく、そこから早く学び、次の方法を改善することです。

どの製品に需要があるのか。


どの仕入先が信頼できるのか。

どの物流方法が現実的なのか。

お客様へどの段階で情報を伝えるべきか。

実際の案件を経験するたびに、会社としての知識が増えていきます。

その学びを個人の経験で終わらせず、社内の仕組みに変えていくことが、次の成長につながります。

次の目標は、100社のお客様を支えられる組織

私たちは、2026年末までに日本でお取引するお客様を100社に増やすことを目標にしています。

50社のお客様を支える仕組みのまま100社へ増えれば、対応が遅くなり、納期管理や情報共有に問題が生じます。

だからこそ、営業活動と同時に、会社のオペレーションを強くする必要があります。

  • 見積書を早く正確に作成する。
  • 海外仕入先への発注を確実に行う。
  • 輸送状況を把握する。
  • 納期変更を早い段階でお客様へ伝える。
  • 在庫や倉庫の状況を管理する。
こうした仕事が安定して初めて、営業は新しいお客様の開拓に集中できます。

会社の成長は、営業だけでは実現できません。

営業とオペレーションが一つのチームとして動くことが必要です。

これからの日本法人を、一緒につくる仲間を募集しています

現在、ボド・メラー・ケミー・ジャパンでは、Commercial Assistant(営業事務・貿易事務)を募集しています。

このポジションは、単に書類を作成したり、指示された作業を処理したりするだけの仕事ではありません。

国内のお客様、海外の仕入先、グループ会社、物流会社、通関業者、倉庫をつなぎ、製品を日本へ確実に届ける仕事です。

主な業務には、次のようなものがあります。

  • お客様からの問い合わせ対応
  • 見積書、納品書、請求書などの作成
  • 海外仕入先への発注
  • 輸入、通関、国際輸送、国内配送の手配
  • 海外グループ会社との英語によるメール連絡
  • 納期および在庫の管理
  • 倉庫や物流会社との調整
  • 日々の業務フローの改善
入社時点ですべてを経験している必要はありません。

最初の3か月間を目安に、実際の案件を通じて、一つずつ段階的に学んでいただきます。

営業事務や貿易事務の経験を持ち、さらに仕事の幅を広げたい方。

化学を学んだ経験や資格を、国際的なビジネスで活かしたい方。

英語のメールを使いながら、輸入や物流について学びたい方。

完成された会社の一部になるだけではなく、成長中の日本法人の仕組みづくりに参加したい方。

そのような方にとって、非常に多くのことを経験できる環境だと思います。

Commercial Assistantは、私に直接レポートし、日本法人の運営を近くで支えていただく重要なポジションです。

将来的には、営業、調達、カスタマーサービス、サプライチェーン、事業管理など、さまざまな方向へキャリアを広げることもできます。

起業家でなくても、事業をつくる経験はできる

「いつか自分で事業をつくってみたい」と思っていても、独立起業だけが選択肢ではありません。

既存企業の中で、新しい市場や組織をつくる道もあります。

イントレプレナーとして働くことで、安定した企業の基盤を活用しながら、顧客開拓、仕入先開拓、事業運営、組織づくりを経験できます。

そして、その事業が成長すれば、一人ではできなかったことを、仲間と一緒に実現できるようになります。

日本法人を立ち上げたときは、顧客ゼロからのスタートでした。

現在は約50社。

次は、100社のお客様を支えられる会社をつくる段階です。

私たちは今、その次の段階を一緒につくる仲間を探しています。

ボド・メラー・ケミー・ジャパンの成長に参加してみたい方からのご応募をお待ちしています。

募集情報

職種:Commercial Assistant(営業事務・貿易事務)

雇用形態:正社員

勤務地:東京都港区・日比谷フォートタワー

勤務形態:業務習得後、原則週1日出社・週4日在宅勤務

必須条件:毒物劇物取扱責任者として選任可能な方

英語:海外仕入先やグループ会社とメールで連絡できる方

Commercial Assistantの募集詳細およびご応募は、以下のLinkedIn求人ページをご覧ください。

Commercial Assistantの募集詳細・応募ページ

ボド・メラー・ケミー・ジャパン株式会社

https://bm-chemie.com/regions/japan/
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