「客先常駐は孤独」。エンジニアの働き方について、ネット上でよく見かける言葉だ。
同期と同じオフィスで働くわけではなく、配属先も勤務地も一人ひとり違う。異業種からエンジニアに転職する人が増えるなか、「同期や仲間ができるのか」は、入社を検討する人にとって最も現実的な不安のひとつになっている。

オープンアップグループは、この構造的な課題への向き合いを「エンジニアコミュニケーション」というグループ共通のサービス価値として位置づけ、グループを挙げて「現場が分散していても、関係が続く仕組み」を複数の形でつくってきた。

オープンアップグループのエンジニア派遣事業を担う株式会社オープンアップネクストエンジニア(以下、ONE)と株式会社オープンアップITエンジニア(以下、OPE)は、この構造的な課題に対して「現場が分散していても、関係が続く仕組み」を複数の形でつくってきた。配属後に同期と再会する「Home Coming Day」、参加者600名を超えたオンラインのエンジニアコミュニティ、そして社内eスポーツイベント「OPeN CUP」。この大規模な取り組みを立ち上げた企画・運営チームに、その狙いと舞台裏を聞いた。

※本記事は、オープンアップグループ・DM部が執筆しています。

配属から約1カ月。全国13カ所で「同期に再会する日」をつくった

2025年5月、ONEは「Home Coming Day(ホームカミングデー)」を初開催した。対象は、2025年4月に入社し、配属から約1カ月の就業経験を積んだ新卒エンジニア。横浜・大阪・名古屋など全国13カ所で開催し、横浜会場には35名が集まった。

プログラムはシンプルだ。
ワークシートを使って1カ月の就業経験をグループで振り返り、直面した問題と対策を話し合い、代表者が発表する。最後に次の期間に向けた「目標」と「行動宣言」を書く。就業状況の把握、相談しやすい人間関係づくり、入社時研修で学んだ指針の復習、運営側が重視したのはこの3点だった。

参加したエンジニアからは「同期の仲間とたくさん話せて良かった」「久々に同期に会えて楽しかった」「みんなが頑張っていると知り、自分も頑張ろうという気になった」という声が上がった。

執行役員の下村浩二氏は、初開催にあたってこう語っている。長い社会人生活では思い通りにいかないことのほうが多い。だからこそ、仲間や上司に相談できること、エンジニア同士が支え合えるネットワークがあることを、心のよりどころにしてほしい。今後は開催を重ねながら、中途採用のエンジニアへの展開も検討している。「同期との再会」を新卒だけの特典にせず、途中から加わった仲間にも開いていく構えだ。

今後も、ホームカミングデーは年に4回のペースで定期開催されていく予定だ。開催時期や会場によって規模は異なり、ある時期の横浜会場のように35名が集まることもあれば変動もあるが、今も全国各拠点で毎回多くのエンジニアが参加している。この取り組みを継続・拡大していくことで、全国の仲間がつながり合い、互いに高め合える環境づくりを進めていく。


「見るだけ参加」も歓迎——オンラインコミュニティは600名を突破

再会の場が「点」だとすれば、日常の「線」をつくっているのがオンラインのエンジニアコミュニティだ。コロナ禍で拠点ごとの定例会や親睦会が失われ、交流機会の復活を求める声と、ベテランエンジニアからの「後輩をサポートしたい」「新人の不安を解消したい」という申し出をきっかけに2023年に発足。参加者は600名を超えた(2024年5月時点)。

トークルームは「PCスキルアップ」「QC検定勉強会」といった学習系から、「ねくすて広場」(雑談)、「車遊び大好きな人集まれ」(趣味)、「最新AI技術情報交換所」まで幅広い。技術相談や仕事の進め方の質問に現役エンジニアが答える「知恵袋」的な使われ方も定着し、車好きのルームでは愛車紹介やドライブルートの提案が飛び交い、オフ会の企画も進む。エンジニア自身の発案で新しいトークルームが生まれるのも、このコミュニティの特徴だ。匿名参加が可能で、投稿せずに「見るだけ」の参加も歓迎しており心理的なハードルを徹底的に下げている。こうしたコミュニティでのやり取りにとどまらず、学びの場としてWebセミナーも開催されており、累計参加者は1,800名を超えた。なかでもQC試験対策セミナーの参加者は合格率73%を記録。「同じ立場の仲間に聞ける」環境が、単なる居心地の良さにとどまらない、実際の学びや合格実績を後押ししている 。「同じ立場の仲間に聞ける」環境は、居心地の良さだけでなく、スキルアップの実効性にも直結している。

遊びも、本気で——社内eスポーツイベント「OPeN CUP」

業務でも学習でもない接点として育っているのが、eスポーツだ。OPEのエンジニアが約20名配属されている中部テレコミュニケーション株式会社(ctc)との共同開催で実現した社内eスポーツイベント「OPeN CUP」は、OPEの名古屋営業所の松久裕貴氏の提案から始まった。

開催実績は、2025年6月に名古屋で約40名、2025年11月に東京で約50名、2026年5月に東京で約50名。
まずはオフラインでの開催からスタートし、オンラインの活用も視野に入れながら、将来的に全国の仲間を巻き込む一大イベントへと成長させていきたい考えだ。運営には東京本社の広報チームや営業担当など複数の部署が協力しており、現場発の企画を会社が本気で支える体制ができている。松久氏は「エンジニアに楽しんでもらいたいという想いで実行してきた」と語り、共催したctcの杉山将士氏は「エンジニアさんのことを一番に考える、その熱意が成功要因」と評した。ゆくゆくはプロのeスポーツチーム設立まで見据えているという。

偶然に任せず、仕組みで「仲間」をつくる

——なぜここまで、業務外のつながりに投資するのでしょうか。

現場が分散する働き方では、放っておくと接点は生まれません。だから偶然に任せず、仕組みにする。再会の場(Home Coming Day)、日常の場(コミュニティ)、遊びの場(eスポーツ)と複数の入口を用意しているのは、人によって「つながりやすい形」が違うからです。

特に意識しているのは、異業種からエンジニアに転職してくる人たちです。技術習得への不安だけでなく、「一緒に頑張れる仲間ができるだろうか」という悩みの声を耳にすることも多くあります。その不安に対して、私たちオープンアップグループは「できます」と言葉で答えるのではなく、再会の日程と、600名のコミュニティと、大会の開催実績で答えたい。仕組みとして存在していれば、人見知りでも、配属が地方でも、入口のどれかには入れますから。

「客先常駐は孤独」への実態提示——仲間と成長できる環境という、グループ共通の価値

分散配置やリモート勤務が常態化し、配属先が異なる社員のオンボーディングと帰属意識をどう設計するかは、いまや採用と定着の両面で多くの企業が直面するテーマとなっている。
「客先常駐は孤独」という言説に必要なのは、反論ではなく実態の提示だ。

ONEとOPEをグループ会社に持つオープンアップグループは、本記事で見てきた取り組みを「エンジニアコミュニケーション」というサービス価値として位置づけている。これは、フォロー支援・大手優良案件・研修・教育制度・キャリアパスと並ぶ、グループ共通の「5つのサービス価値」のひとつだ。目指しているのは「仲が良い会社」ではない。現場が分散していても関係が続くように、再会の場・日常の場・遊びの場という複数の入口で、関係性そのものを設計する。交流は目的ではなく、仲間の存在が学び合いを生み、エンジニアとしての成長を加速させる循環をつくるための仕組みである。

実態は、グループ全体の数字でも示されている。グループには24,466名のエンジニアが在籍しているが、そんな多くのエンジニアが異なる現場で働く中で、ONEのエンジニアコミュニティやホームカミングデー、OPEの「OPeN CUP」など、会社や仲間との接点をつくる取り組みが各社で行われている。

こうした一次情報は「数字でみるオープンアップ」で公開されている。

グループのパーパスは「幸せな仕事を通じて ひとりひとりの可能性をひらく社会に」。ブランドサイト「#いい仕事ってなんだろう」が問いかけるように、いい仕事とは、一人で耐えることではなく、仲間とともに成長できること——「客先常駐は孤独」という言説への答えを、この会社は理念と仕組みと数字の三つで示し続けている。

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