オープンアップグループは、研修・教育制度をグループ共通のサービス価値として位置づけ、グループを挙げて配属後の学びの仕組みづくりを進めている。本記事で紹介するのは、その取り組みの一つである。
グループの一員である株式会社オープンアップネクストエンジニア(旧社名:ビーネックステクノロジーズ)(以下、ONE)は2025年10月、全エンジニアを対象とした専門知識研修「ラーニングウィーク」を新設した。年2回、WEB開催で実施し、入社3年以内のエンジニアは会社が示すコースに沿って学び、4年目以降は自ら選んで学ぶ。直近では2026年4月に実施された。
研修を企画した担当者に、制度に込めた思想を聞いた。
※本記事は、オープンアップグループ・DM部が執筆しています。
「教材はあるのに、道筋がない」——顧客の声が起点だった
——ラーニングウィークを始めた背景を教えてください。きっかけのひとつは、顧客アンケートでした。エンジニアに担当業務の基礎知識を求める声が、配属先企業から多く寄せられていたんです。一方で社内には、2,000種以上の通信教育講座・eラーニングという豊富な教材がすでにありました。
つまり、教材が足りないのではなく、「何を、どの順番で学ぶか」が分かりにくいことが課題でした。だから会社が学習の道筋を示し、段階的に知識を身につけられる仕組みとして、ラーニングウィークを始めました。
年2回、全エンジニアに「学びのための期間」を確保する
——制度の設計を具体的に教えてください。年2回、WEB開催で、全国のエンジニアが対象です。入社3年以内のエンジニアは受講必須で、経歴に合わせて厳選された推奨コンテンツを学び、修了テストで理解度を確認します。入社4年以上のエンジニアは任意参加で、自身で選択したコンテンツを学習し、修了レポートを作成します。
共通して行うのが、キャリアや保有スキルの棚卸しです。学ぶだけでなく、「いま自分はどこにいて、次に何を積むか」を定期的に見直す機会として設計しています。受講後にはアンケートを実施し、コンテンツの改善に反映しています。
実際の受講後アンケートでも、高い成果が数字となって表れています。入社3年以内では「気づきがあった」と回答した割合が83.3%にのぼり、入社4年以上のエンジニアでも「学びがあった」との回答が91.7%に達しました。年次の違いを問わず、それぞれのフェーズに応じた価値ある体験を提供できています。
当社は「エンジニアの価値を可視化し、向上させ、活躍を実現し、可能性を深化させる」という考え方を掲げています。
「3年は会社が道筋を示し、4年目からは自分で選ぶ」
——必須と任意を分けたのはなぜですか。エンジニアとしての土台ができるまでの入社3年間は、会社が責任を持って道筋を示すべきだと考えています。基礎がないうちに「自由に学んでいい」と言われても、何から手をつけるべきか判断がつかないからです。
逆に4年目以降は、担当業務も目指す方向も一人ひとり違います。だからコースを自分で選ぶ。この切り替え自体が、「会社に育てられる」から「自分のキャリアを自分で組み立てる」への移行を促す設計になっています。
96.7%が「成長を実感」——6,038名調査
ラーニングウィーク新設に先立つ2024年、同社はエンジニア約6,000名を対象に意識調査を実施している(実回答6,038名)。96.7%が成長を実感していると回答し、内訳では「新たな知識やスキルが身に付いた」が36.5%で最多、「主体的に遂行できる業務の幅が広がった」が24.6%と続く。この調査はラーニングウィーク開始前のものであり、制度の成果を示す数字ではない。むしろ「学び、成長すること」がすでに社内に根づいていることを示す土台であり、ラーニングウィークはその土台の上に、全エンジニア共通の学習期間という新しい柱を立てた取り組みといえる。「40歳で当社に入社し、現在は大手自動車メーカーでエンジンの開発に携わっています。45歳になった今でも、新たに学ぶべきことがあふれています」(40代エンジニア)
「配属先の半導体製造装置メーカーでは、『製造工程の改善』という新しい仕事を任されています。大きく成長できたと感じています」(30代エンジニア)
働きやすさに関する設問でも、満足しているエンジニアが重視するポイントとして「職場の上司や同僚とのコミュニケーションは良好」(16.5%)、「職場の上司は業務で困った時に頼れる存在」(14.8%)が上位に並んだ。
教える側もエンジニア——累計1,800名が参加するWebセミナー
ラーニングウィークだけが学びの場ではない。2021年6月から続く社員の自発参加型のWebセミナーは、現役エンジニアが講師を務め、累計参加者は1,800名を超えた。「はじめての半導体」から「DX入門」「回路設計」まで、テーマは現場発。受講者満足度は平均70%以上で推移する。セミナーは原則オンライン・参加無償で、社員の自発的な参加によって成り立つ。参加したエンジニアからは、こんな声が寄せられている。
「同じ立場のエンジニアから教えてもらうことで、自分の勉強不足に気付くことができる。だから自然と向上心が湧いてくる」
「細かいノウハウを聞くこともできる。『ここだけ気を付けると良い』など、経験の浅いエンジニア向けの内容はなかなか知ることができない」
講師を務めるのも現役エンジニアだ。航空機の生産技術業務で活躍しながらセミナー講師にエントリーしたTさんは、「自社のメンバーに有益な情報を提供できると思うと、高いモチベーションを維持しながら全力で取り組もうという気持ちになります」と話す。
企画担当者は「エンジニアが一番関心を寄せるのは、同じエンジニアの声ではないか」という仮説からこの形をつくったという。もともと社内にはeラーニングなど多様なコンテンツがあったが、利用率に課題があった。
5年後に差が出るのは「配属後」——これから
——最後に、この制度をどう育てていきますか。初期研修の充実は、いまやどの会社も掲げています。差が出るのは、配属されてからの3年、5年です。学ぶ期間を会社が確保し、道筋を示し、棚卸しの機会をつくる。この繰り返しを、全エンジニアの当たり前にしていきたいと考えています。
会社としてエンジニアに様々な選択肢を提案し、成長の機会を継続的に創り続けること。そして「その人らしいキャリア」を二人三脚で組み立てていくこと。ラーニングウィークは、その考え方を「年2回、必ず訪れる学びの期間」という目に見える形にした制度です。始まったばかりの取り組みですが、受講者のアンケートを反映しながら、コンテンツと運営を磨き続けていきます。
配属後も成長し続けられるか——「客先常駐は成長できない」への、グループの答えと実績
IT人材不足を背景に技術者派遣の求人は拡大し続けているが、同時に「客先常駐は成長できない」という言説もWeb上に定着している。分散配置とリモート勤務が当たり前になったいま、初期研修が終わり配属後の学習支援をどう設計するかが、雇用元に問われている。ポイントは、「研修が充実している」ではなく、「学びが段階的に設計されている」こと。入社3年は会社が道筋を示し、4年目からは自分で選び、学びをキャリアの偶然に任せず、「その人らしいキャリア」を二人三脚で組み立てていく。96.7%という成長実感はこの設計の上に生まれており、グループ全体でも、資格取得数16,302(2021年4月~2025年6月の累計/「数字でみるオープンアップ」より)、技術・技能社員の総研修時間3,884,022時間(2024年6月末時点/公式「非財務情報」より)という一次情報の実績が積み上がっている。
※参照元URL:
・数字でみるオープンアップ:https://goodwork.openupgroup.co.jp/data/
・オープンアップグループ 非財務情報:https://openupgroup.co.jp/sustainability/non-financial/
グループはブランドサイト「#いい仕事ってなんだろう」で、働く人それぞれが自分にとっての「いい仕事」を問い直すことを発信している。仕事に追われて学びが止まるのではなく、学ぶための期間が年2回、必ず訪れる。成長し続けられる環境があることは、このグループが考える「いい仕事」の条件のひとつだ。
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オープンアップグループ DM部
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