2012年、フードコート脇のSIDE-SHOW MESSEから始まったBABYMETALとサマーソニックの関係は、2026年、新たな段階へ進む。サマソニのオーガナイザーであり、クリエイティブマン代表取締役社長の清水直樹と、BABYMETALのプロデューサーであるKOBAMETALが語ったのは、25周年の節目に実施される「SONIC ”METAL” STAGE Curated by BABYMETAL」の背景だ。
フードコート脇のステージから、MOUNTAIN、SONIC、MARINEのステージへとステップアップし、そして今度は”出演する側”から”キュレーションする側”へ――。両者の関係は、サマソニの歴史そのものの変化とも深く重なっている。

【写真を見る】BABYMETALが出演したサマーソニックの過去のポスター

KOBAMETAL×清水直樹「フードコートから14年、サマソニとBABYMETALの現在地」

SUMMER SONIC 2012

フードコートから始まった接点

ーまずは、BABYMETALとサマソニの最初の接点から聞かせてください。今では2012年のSIDE-SHOW MESSE出演が”始まり”として語られていますが、当時はどういう経緯で決まったのでしょうか。

KOBAMETAL 最初の窓口になったのは柴田さん(元クリエイティブマンのスタッフ)でした。もともと柴田さんが前職のレコード会社にいらっしゃった頃から付き合いがあって、ワタクシはその頃まだインディーズのレーベルをやっていたんです。彼がレコード会社でラウド系のバンドを担当していて、うちも何組かラウド系のバンドをやっていた時期があって。そこからの関係なので、たぶんもう20年以上前ですね。その後も彼はバンドをやっていたりして、普通に交流がありました。一緒にバイオハザードのコピーバンドをやっていたりもしていて。

清水 うちはバイオハザードの来日公演をかなり早い段階でやっていて、現O-WESTのステージに何十人もお客さんが上がったりしたライブをやったことがあります。柴田が働いていたレコード会社の所属アーティストの公演も多くやっていたこともあって、しょっちゅう会社に来るようになって、「お前いつもいるな」みたいなって(笑)。
そのうち「実はクリエイティブマンに入りたいんです」みたいな流れで、さらっと入ってきた印象がありますね。

KOBAMETAL すごくひょうひょうとしたキャラクターなんですよ。その後、彼はクリエイティブマンさんでアイドルを扱うようになっていった。一方でワタクシは、ちょうどBABYMETALを立ち上げるタイミングで、「”METAL”という名前がついているからには、日本も海外も含めたロック・シーンを目指したい」と思っていたんです。それで何人か知り合いに声をかけた中の一人が柴田くんでした。ただ、その前に前日談があって。2012年に出演する前、2010年と2011年、ワタクシは別の立場でサマソニに参加していたんです。

ー別の立場、というのは?

KOBAMETAL フードコートの出店者です(笑)。

清水 本当にフードコートの人だったんだよね。

KOBAMETAL はい。当時、パティシエさんをマネジメントしていて、その方と一緒にサマソニにスイーツのお店を出そうという話になったんです。ワタクシ自身フェスが好きだったので、「仕事もしながらフェスも楽しむにはどうしたらいいか」と考えて、まだ自分の手持ちのアーティストがサマソニに出られる段階ではなかったから、「じゃあ店を出して、店員として紛れ込もう」と(笑)。
そんな流れで、2010年、2011年と2年連続で出店していました。

清水 いい年に来てたよね。

KOBAMETAL そうなんです。お店をやりながら、お客さんとしてもちゃんと観ることができて。そういう意味で、サマソニとの縁は2010年から始まっていたんです。その流れの中で、柴田さんとの会話から「いきなり大きいステージは難しいけど、フードコート横のお笑いステージならチャンスがあるかもしれない」という話になって、「ぜひ、それでもいいから」とお願いして実現したのが2012年でした。その結果、2、3曲しかやっていないんですけど、すごく人が集まってしまって。本当に事故とかになる前に終わらせた、みたいな感じでした。でも、たくさんのお客さんが来てくれて、それがBABYMETALとして初めてのサマーソニックでした。

清水 それが正式な出演かどうかというと微妙なところはあるんだけど、でも今となっては、もう伝説に繋がる出来事として語られているんだよね。

KOBAMETAL そうなんです。あらためて2012年のラインナップを見ると、PerfumeがMARINEに出ていて、ももいろクローバーZがRAINBOWに出ていて、きゃりーぱみゅぱみゅさんもいて、女性グループがフェスに一気に出だしたタイミングでもあったんですよね。


清水 お客さんの層も合っていたのかもしれないね。

KOBAMETAL そうですね。バラエティに富んだラインナップの中に、ひょこっと出演させてもらった感じでした。でも、あれがあったからこそ翌2013年の正式な出演に繋がったと思っています。

2013年、大阪で起きたミラクル

ーでは、その2013年について聞かせてください。メタリカとの邂逅は、BABYMETALの世界進出を大きく動かした出来事として知られています。

清水 2013年のラインナップは、今見てもすごいですよね。メタリカ、リンキン・パーク、フォール・アウト・ボーイ、ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン、マキシマム ザ ホルモン、ONE OK ROCK……。正直、今だったら「絶対無理です」と言い切れるぐらいの並びです(笑)。

KOBAMETAL でも、やっぱり2012年のフードコートがあったからこそ、2013年に繋がったんです。ワタクシにとってメモリアルなサマソニを3つ挙げるなら、確実に入るのが2013年ですね。メタリカは、メタル・アーティストにとって頂点みたいな存在じゃないですか。
我々も客席のほうからステージを見ていたんですけど、そこでメタリカのメンバーがBABYMETALのライブを観に来るっていうミラクルが起こった。あれは衝撃でした。しかも大阪だったんですよ。大阪って、ステージから楽屋エリアが少し離れているじゃないですか。そんなところから、昼間のBABYMETALのステージ袖にラーズ(・ウルリッヒ)がひょっこりいるっていう。あれは相当衝撃的でした。しかも現地のスタッフが、ラーズの顔を分かっていなくて(笑)。「なんか袖に知らないおじさんが来たんだけど、メンバーの邪魔になるからどいてください」みたいなことを言いそうになっていて。

清水 それ、大阪あるあるなんだよね(笑)。日本人の超有名アーティストも「これ以上入らないでください」って止められてたことがあるし。

KOBAMETAL 本当に(笑)。でも、あれはBABYMETALの歴史の中でもすごく大きな出来事で。
メタリカの専属カメラマンだったロス・ハルフィンさんも「BABYMETALを撮らせてくれ」という話になって、そこからライブ写真を撮ってくれて、さらにバックステージでもカーク・ハメットやロバート・トゥルージロたちと一緒にスマホで写真を撮る流れになった。その写真をさらにロス・ハルフィンが撮る、という不思議な状況でした。

清水 あれは大阪だからこそ起きたことでもあるんだよね。東京だとアーティストがある程度隔離されているから、ああいう交流が起こりにくい。でも大阪は、みんなが比較的近いところにいるので、ヘッドライナーも含めて自然に交流が生まれやすい。だからあのミラクルは大阪で起きるべくして起きた感じはあります。

KOBAMETAL そうですね。あれをきっかけに、海外からのアクセスも一気に増えた感覚がありました。

KOBAMETAL×清水直樹「フードコートから14年、サマソニとBABYMETALの現在地」

SUMMER SONIC 2013

MOUNTAIN、SONIC、MARINEへ

ー2012年のフードコート脇から、2014年のMOUNTAIN STAGE、2016年のSONIC STAGEのヘッドライナー、2017年のMARINE STAGEへ。ステージを上がっていく感覚はどういうものでしたか。

清水 2014年のライブは、やっぱり衝撃的でしたね。2013年までは「何かすごいことが起こっているな」というのは分かったけれど、まだブッキングとしては僕の範疇ではなかったんです。
でも2014年になると、MOUNTAIN、SONIC、MARINEの3つは、外タレも含めて完全に僕がコントロールしていくゾーンになる。その中にBABYMETALが入ってきた時点で、僕の中では「外タレ枠と同じ感覚でブッキングするアーティスト」になったんです。だから僕の中では、BABYMETALの伝説が本格的に始まったのが2014年なんですよ。

KOBAMETAL 2013年から2014年にかけて、じわじわと海外にも浸透していって。2013年末に幕張メッセのイベントホールでライブをやった時に、初めて「ギミチョコ!!」を披露したんです。それを撮影したライブ・ビデオを翌年に出したら、そこから一気にバズが起こって。その年はイギリスのSONISPHERE FESTIVALにも出て、サマソニで日本に戻ってきて、レディー・ガガのUSツアーの前座に出て、という流れだったので、結果的にはすごく凱旋帰国っぽい形になりました。

清水 2014年って、アヴェンジド・セヴンフォールド、メガデス、ゴースト、BABYMETALっていう並びなんですよ。そこに日本人としてかなり上のほうに入れている。だから僕の中では、この年からが始まりなんです。

ー2017年にはMARINE STAGEのセカンド・ヘッドライナーを飾りました。

清水 これはもう、自分の中で作ってきたストーリーが一つ形になった年ですね。BABYMETALを見つけてサマソニに出すようになってからの5年で、第一章のピークという感じでした。メインステージのヘッドライナーに完全に持っていけるかというと、まだそこまでは難しい。でも、日本人アーティストとしては”もうヘッドライナーだよ”と言えるところまで持っていく。その意味で、フー・ファイターズがヘッドライナーに決まった時点で、僕の中ではBABYMETALをセカンドにする、というのはかなり決まっていたことでした。

KOBAMETAL 2016年に東京ドームもやっていたので、その頃にはもうかなり大きな存在にはなっていましたよね。

清水 最初の数年は、メタリカだったりメガデスだったり、そういう人たちの近くに置くことで知ってもらう、という意味合いが強かった。でも2016年、2017年ぐらいになると、単純に動員力としても計り知れないものがあるので、逆に”サマソニにお客さんを呼んでくれるアーティスト”という考え方になっていった。ブッキングの意味合いが変わったんです。

KOBAMETAL あと、サマソニならではの遊びも毎年ありました。例えば2013年、僕らはリンキン・パークを見たかったんですけど、どうしてもフェスってタイムテーブルが被るじゃないですか。それで、BABYMETALのステージのオープニング紙芝居で「リンキン・パークはこっちじゃないぞ」みたいなセリフを入れたら、お客さんが結構受けてくれて。それがその後、ひとつのスタイルになっていったんです。翌年はRADWIMPSさんと被った時に、また近いことをやったら、野田(洋一郎)さんが反応してくれたりして。そういうサマソニならではの、BABYMETAL流の遊び方が毎年ありました。

清水 本当だったら、あの時はレッド・ホット・チリ・ペッパーズと被るはずだったんだよね。でもそこは被せたくないってことで、無理やり時間をずらしたんですよ。終わってからレッチリにも行けるように、って。

KOBAMETAL そうでしたね。そういういろんなお気遣いも含めて、サマソニの皆さんのBABYMETALに対する愛情みたいなものは、毎年感じていました。

KOBAMETAL×清水直樹「フードコートから14年、サマソニとBABYMETALの現在地」

SUMMER SONIC 2017

SONIC ”METAL” STAGEの狙い

ーそして2026年、「SONIC ”METAL”STAGE Curated by BABYMETAL」が実現します。25周年の節目に、この企画はどんな会話から始まったのでしょうか。

清水 ここ何年か、BABYMETALにはMOUNTAIN STAGEでしっかり出てもらう流れがありました。でも25周年という節目でもあるし、「BABYMETALが出ないサマソニはないだろう」と。オーディエンスにとってもそうだし、サマソニとして積み重ねてきた10年以上の歴史としても、やっぱりそうだよなと思ったんです。じゃあ今回はどういう形がいいだろうと考えた時に、ここ最近僕らがやっている”キュレーション”という形、つまりアーティストが丸一日をキュレーションするステージを、BABYMETALにやってもらいたいと思ったんです。

MOUNTAINまでの大きい枠は、25周年ということもあって大物アーティストがかなり埋まってきていた。そういう中で、普通に一枠で出るより、逆にサマソニの肝であるSONIC STAGEを丸ごとやるほうが、すごくカッコいいんじゃないかと。そういう相談をKOBAMETALにしたのが、今回の経緯ですね。

KOBAMETAL その話をいただく前に、クリエイティブマンさんとはブリング・ミー・ザ・ホライズンのNEX_FESTだったり、BABYMETALがやったFOX_FESTだったり、最近の新しい形のフェスを共有する経験があったんです。その中で、従来型の「ヘッドライナーがいて、その下にこういう人たちが並ぶ」というフォーマットだけじゃなくて、もっと違う形のラインナップというか、フェスの見せ方を目指したいなという思いがワタクシの中にもあった。だから、今回の話はすごく自然に受け取れましたね。”ど真ん中のメタル”ではなく、BABYMETAL的な現在形というか。

清水 率直に言うと、最近は”ど真ん中のメタル”だけでステージを作るのが難しくなっているんですよね。昔はドリーム・シアターみたいな存在がもっと分かりやすく機能していた時代もあったけど、今はそういう形をそのままやるのが難しい。でも、BABYMETALがヘッドライナー的に一日を持つことで、マシン・ガン・ケリー(mgk)みたいな、サマソニに普通に出ていてもおかしくないアーティストたちを、その中に入れていける。そうすると、メタル/ヘヴィ・ロックの気持ちを持っている人たちを、BABYMETALの名の下、今の時代に合う形で集められる。僕らとしてもすごくありがたいし、やりやすいんです。

KOBAMETAL 我々も、今回のラインナップは「メタル」と言いながら、いわゆる”ガチメタル”だけを集めたものではないんです。むしろ、かなり変化球が多いと思います。もちろん、そもそもBABYMETAL自体が変化球なんですけど(笑)。だからこそ、「BABYMETALがキュレーションする」ということにフィットする、一筋縄ではいかないアーティストたちが集まったと思っています。

次の世代に橋を架ける

ー今回の企画は、BABYMETALが”引っ張られる側”から”引っ張る側”へ移っていく、その象徴でもあるのでしょうか。

KOBAMETAL そうですね。すごくそう感じています。BABYMETALも昨年で15周年だったので、その中で世界中いろんなところに行って、いろんなアーティストとも触れ合って、いろんなファンとも出会ってきた。そうした時に、次に目指すべき場所として見えてきたのが、今まで支えていただいた方々に恩返ししていくポジション、ということなんです。BABYMETAL的に言えば、”メタルの魂”みたいなものを、レジェンドたちが培ってくれたその道を、また次の世代に橋渡ししていく役割ですね。

それに、メタリカやジューダス・プリーストのロブ・ハルフォードなんかも、「君たちはメタルの未来だ」と言ってくれるんですよね。彼ら自身も、自分たちがずっとこのままステージに立てるわけではないと分かっていて、自分たちが作ってきたものを次に繋いでほしいと思っているんだろうなと感じるんです。

清水 彼らって分かっているんだよね。自分たちと同じことをそのままやるバンドが未来になるわけじゃないって。彼ら自身、自分たちでオリジナルのものを発明してきた人たちだからこそ、同じことをやっている人ではなくて、新しいことをやっている人のほうに未来を感じる。そういう意味で、自分たちにはないスタイルでいろんなものを生み出しているBABYMETALに対して、そういう言葉が出てくるんだと思います。

KOBAMETAL×清水直樹「フードコートから14年、サマソニとBABYMETALの現在地」

BABYMETAL

ーでは、今回のラインナップについて具体的に聞かせてください。

清水 基本的には、僕らのほうから「メタルだから大御所を」というより、「何か新しいもの」「今まで一緒にやってきていない人たち」を、BABYMETAL側から逆オファー的に出してもらって、「これはどう?」と一つ一つ確認していく形でした。全部で7組ですね。BABYMETAL、マシン・ガン・ケリー、ペンデュラム、Ave Mujica、ザ・ウォーニング、サウス・アーケード、METALVERSE……という感じです。マシン・ガン・ケリーは、メインステージとBABYMETALのキュレーション・ステージの「どっちがいい?」と聞いたら、「BABYMETALのステージがいい」と言ってくれて。

KOBAMETAL そうなんです。すごく嬉しかったですね。ペンデュラムは、もうベテランだしレジェンドですけど、ラウドなものとエレクトロを融合させていくスタイルの先駆けだと思うんですよね。実はBABYMETALの「いいね!」なんかでも、少し参考にさせてもらった部分があって。そういう意味でも、ワタクシの中ではちゃんとストーリーがある存在です。マシン・ガン・ケリーに関しては、僕の中では、イギリスのブリング・ミー・ザ・ホライズン、アメリカのマシン・ガン・ケリー、みたいな感覚なんです。どちらも若くて華があって、根っこにはロックやメタル、パンクがありながら、ヒップホップに行ったり、カントリーに行ったり、振り幅がものすごく大きい。BABYMETALも曲ごとにサウンドアプローチが全然違うので、その感じがすごく面白いなと思っています。

KOBAMETAL×清水直樹「フードコートから14年、サマソニとBABYMETALの現在地」

ペンデュラム

KOBAMETAL×清水直樹「フードコートから14年、サマソニとBABYMETALの現在地」

マシン・ガン・ケリー(mgk)

清水 その三角形にYUNGBLUDも入ってくるような感じだよね。

KOBAMETAL そうですね。ザ・ウォーニングは、ワタクシが個人的にも昔から注目していたバンドです。純粋にビジュアルがすごくいい(笑)。しかもメキシコ出身の三姉妹で、やっている音はちゃんとハードロック。この時代に、そういう意味で珍しい存在だと思うんですよ。しかも、BABYMETALってアナリティクスで見ると、メイン・マーケットがアメリカで、その次がメキシコなんです。実はラテン圏からの支持がすごく厚くて。2026年のワールドツアーのファイナルもメキシコのスタジアムなんですけど、去年のファイナルもメキシコのアリーナで、本当にものすごく盛り上がった。だから、今僕の中でもすごく注目しているエリアだし、ザ・ウォーニングとはそういう意味でも文脈があるんですよね。

KOBAMETAL×清水直樹「フードコートから14年、サマソニとBABYMETALの現在地」

ザ・ウォーニング

清水 ザ・ウォーニングって、カリン・レオンみたいなメキシコのトップ・アーティストともコラボしていたりして、すごく自由なんです。だからサマソニでも、何か飛び入りのようなことが起きてもおかしくないし、そういう柔らかさも含めて面白い存在なんですよ。

KOBAMETAL ワールドツアーの途中で同じフェスに出たことがあって、「いつか何か一緒にできたらいいね」という話をしていたので、今回こういう形で実現するのはすごく楽しみですね。サウス・アーケードも、海外ツアーをやる時に、向こうのエージェントからサポートアクト候補として名前が挙がっていたバンドなんです。その時からワタクシはすごく気になっていて。ちょっとパラモア的なニュアンスもあるし、女性ボーカルでキャッチーで、すごくいいなと思っていたので、ここで繋がったのは嬉しいですね。

KOBAMETAL×清水直樹「フードコートから14年、サマソニとBABYMETALの現在地」

サウス・アーケード

清水 サウス・アーケードを発表した時のSNSの反響は本当に大きかった。5年後に振り返った時、「サウス・アーケードってここに出てたんだ」と言われるような存在になってくれたらいいなと思っています。ザ・ウォーニングもそうだし、マシン・ガン・ケリーもそう。そういう意味で、後から効いてくるステージになればいいなという思いがありますね。

KOBAMETAL Ave Mujicaに関しては、ワタクシからもリクエストさせていただきました。もともとBanG Dream!のチームにはメタル好きのスタッフが多いんですよ。RAISE A SUILENがBABYMETALの「メギツネ」をカバーしてくれたこともあって、以前のサマソニでも、メンバーと一緒に実際に観に行っていたんです。その流れの中で出てきた新しい存在がAve Mujicaで、どちらかというと本当に正統派というか、様式美系のメタルをやっている。でも入り口は、いわゆるザ・バンドというより、アニメやゲームを含んだメディアミックス的なところにある。そこがすごく面白いと思っていて。違う入口からちゃんとメタルに接続している。そのこと自体が、すごく今っぽいし、広がりがあると思っています。

KOBAMETAL×清水直樹「フードコートから14年、サマソニとBABYMETALの現在地」

Ave Mujica

METALVERSEに関しては、ワタクシ自身が携わっているということもあって、BABYMETALよりさらに一回り若い世代のプロジェクトなんですけど、今回は”ガールズ・バンド・プロジェクト”として、新しい世代の10代、20代の演奏力のあるガールズ・ミュージシャンたちに集まってもらって、”ドリーム・バンド”のような形でチャレンジしようと考えています。これが5年後、10年後にまた何か大きな存在になっていけばいいなと思っています。

KOBAMETAL×清水直樹「フードコートから14年、サマソニとBABYMETALの現在地」

METALVERSE

清水 だから、その日のSONIC STAGEから動かない人がどれだけいるんだろうなっていう感じなんですよ。もうこのステージだけで一日いてもいいんじゃないか、ぐらいの気持ちになりますよね。

その先に見ている景色

ー最後に、BABYMETALにとってサマーソニックはどういう存在か。そしてこの先、どんな景色を目指しているのかを聞かせてください。

KOBAMETAL BABYMETALにとってSUMMER SONICは、”夏の実家”みたいな存在ですね。毎年そこに帰ってきて、自分たちの立ち位置を確かめながら、次に進むためのエネルギーをもらう場所。単なる出演フェスというより、自分たちの成長をずっと見てきてくれた場所だと思っています。メンバーがよく言っているのは、やっぱりMARINE STAGEの、一番いい時間帯に自分たちのステージをやりたい、ということですね。日が暮れてきて、フェスがクライマックスに向かっていく、あの時間帯です。

2024年、ブリング・ミー・ザ・ホライズンがヘッドライナーを飾ったMARINEで「Kingslayer」を一緒にやらせてもらった時、ほんの一曲だけでもその景色を体感できた。それがあまりにも強烈だったみたいで、「次は自分たちのステージであの景色を見たい」とメンバーは言っていました。

清水 『キングダム』でいうと、「これが将軍の見る景色です」みたいな話だよね(笑)。

KOBAMETAL 本当にそんな感じだったと思います。やっぱりフェスのヘッドライナーって特別なんだろうな、と。もちろんサマソニだけじゃなくて、海外のフェスでもそういう場所を目指していくことになると思いますけど、サマソニは特別なので、いつかそこに到達できたらいいなと思っています。

清水 サマーソニックにとってBABYMETALは、もう”なくてはならない歴史の一部”ですね。最初はフードコート脇から始まって、そこから自分たちの力でここまで這い上がってきて、今では逆にサマソニの新しい景色を作ってくれる存在になっている。フェスの成長そのものを体現してくれているアーティストだと思います。サマソニだけじゃなく、海外のフェスでもヘッドライナーを目指してほしいし、その先でまた一緒に新しい景色を作れたらいいですよね。

KOBAMETAL ぜひ、これからも末永くよろしくお願いします。

清水 こちらこそ、お願いします。

Edit by Takuro Ueno

KOBAMETAL×清水直樹「フードコートから14年、サマソニとBABYMETALの現在地」

Photo by Mitsuru Nihismura

KOBAMETAL×清水直樹「フードコートから14年、サマソニとBABYMETALの現在地」


SUMMER SONIC 2026
2026年8月14日(金)15日(土)16日(日)
東京会場:ZOZOマリンスタジアム & 幕張メッセ
大阪会場:万博記念公園

※SONIC ”METAL” STAGE Curated by BABYMETALは8月14日(金)大阪会場、16日(日)東京会場で開催

公式サイト https://www.summersonic.com/
チケット購入 https://www.summersonic.com/tickets/tokyo/
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