2021年に大学の仲間同士で始まった、フィーブル・リトル・ホース(feeble little horse)。地元ピッツバーグのレーベル〈Crafted Sounds〉やインディロック・シーンに魅了された創設メンバーのライアン・ワルチョンスキーとセバスチャン・キンズラー(Gt)を中心に、ジェイク・ケリー(Dr)、リディア・スロカム(Vo, Ba)が加わり、フィラデルフィア・シューゲイズと呼ばれる潮流でもバンドの存在を示してきた。


同年10月、電子音ノイズとポップが行き交う初のフルアルバム『Hayday』をリリース。スネイル・メイルやHotline TNTから称賛を送られると、バンドは〈Saddle Creek〉と契約。ローカルで活動するアーティストにとっては、夢のような出来事が次々と訪れた。しかし2作目『Girl With Fish』(2023年)を発表した後、ツアーの中止、そしてライアンの脱退と状況が一変してしまう。

そんなフィーブル・リトル・ホースが3年ぶりとなる最新作『bitknot』を5月末にサプライズリリースした。前作に続きホームレコーディングで制作された作品の鍵を握る、ラスト曲「DMT」に触れておこう。アルバムタイトルにする案も出ていたという「DMT」は、現代の資本主義社会において、アメリカ人でいることの悩ましさについて歌われている。今回の日本初となる取材では、バンド結成時のエピソード、過去のアルバム、これまでに無いコンセプトを取り入れた最新作について、セバスチャンとリディアのふたりに話を訊いた。

クールな感覚を共有し、音楽を生業にするまで

ー日本向けのインタビューは初でしょうか?

リディア:ええ。

セバスチャン:ああ、確かそうだと思う。

ーそれは光栄です! まずはバンド結成に至る前から。大学で出会った創設メンバーのライアン・ワルチョンスキーとセバスチャンが意気投合したのが、フィーブル・リトル・ホースの始まりだったと聞いています。
どのようにしてバンドへと発展していったのでしょうか。

セバスチャン:ライアンとは元々別々のバンドをやっていたんだ。彼のバンドは僕より2、3年前からあって、そこに僕が合流した感じ。そのバンドの中で、僕たちだけが曲を作る方に興味があったんだよね。それで脱退して、自分たちの音源を作るようになった。リディアに会ったのは、ふたりともSoundCloudで音楽を作っていたのがきっかけだった。1曲コラボで作ってみたらスムーズに事が運んだから、「僕のバンドにぜひ入ってよ」と誘ったんだ。一緒にやるのが理に適いすぎていたからね。

ーリディアとジェイク・ケリーが加入した頃には、セバスチャンは「クールなサウンドとは何か、ダサいサウンドとは何か」という点で近いヴィジョンを共有していたそうですね。当時共有していたサウンドの基準を教えていただきたいです。

リディア:彼らが作るものが嫌いじゃなかったのが嬉しかったのよね。音源を送ってもらって、実際いいものだったのは滅多にないからワクワクしたわ。
何がクールかというのを決めるルールブックがあるとは思わないけど、話の中で色んなバンドの名前が出てきたり、様々な意見が合うというのが、スタートになるのは間違いないわね。例えばセバスチャンと『Hayday』を作っていたときは、アレックス・Gの『House Of Sugar』に入っている曲「Walk Away」の話をしていたの。

私は大学時代に、TAGABOW(THEY ARE GUTTING A BODY OF WATER)、FULL BODY 2とかフィリーのシューゲイズ・バンドをたくさん聴くようになったの。それでシューゲイズとは何なのか、私たちはそれに当てはまるんだろうか、話をしていた。それまでの環境もあって、似た嗜好の人に会ったのは初めてだったから、共通点があったのは嬉しい驚きだったわ。

ーTAGABOWのダグラス・ダルガリアンは「フィラデルフィア・シューゲイズは僕ら友達の間ではジョークみたいなもの」と話してました。あなた方は、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのような所謂シューゲイザー・バンドの影響を受けていますか。

セバスチャン:あの手の音楽は僕たち全員大好きだけど、僕らがシューゲイズから受けている影響は、ギターのサウンドとか、それを静かなボーカルと組み合わせるとか、通常シューゲイズと関連付けられるものじゃない気がする。ただ、色んなパートがオーバーラップしているところとか……例えばフルートとブレイクビートのドラムとか、そういうものに影響を受けているんだ。

ーその手のバンドで特に好きなのってどういうのがありますか。

リディア:その手のバンドで最初に聴くようになったのがマイ・ブラッディ・ヴァレンタインだったのは確かね。心を吹っ飛ばされたわ。


セバスチャン:スワーリーズ(Swirlies)からも大きな影響を受けているね。

ーどんなところに影響を受けたんでしょう。

リディア:私たち、とにかくラウドな音楽が大好きなんだと思う。コーネリアスやParannoulを聴いていると、ヘッドホンでクレイジーな体験ができる感じ。まるで身体を触られたような気がするというか、フィジカルに近い感触を覚えるの。

セバスチャン:あのジャンルはマキシマリズムというか、周波数のスペクトラムを余すところなく活用するよね。そこがすごく楽しいんだ。だから僕たちの曲は、静かなときも何かがスペースをみっちりと占拠している。

ーリディアは加入時、大学で美術を学んでいたそうですが、特に印象的だった美術は何でしょう。またそれは音楽制作にどのように役立っていますか。

リディア:バランスの取れたヴィジュアル・アート教育を受けられた自分はラッキーだったと思っているわ。初めはミサイア大学という、ペンシルベニア州中部の小さなキリスト教系の大学に通っていたの。
超お金持ちの学校だったから、テクニカルなスキルをたくさん学ぶことができた。その後ピッツバーグのチャタム大学に転学して卒業したけど、そこではコンセプチュアルな強みを身に着けたと思う。それが私のソングライティングに編み込まれているのは間違いないわ。私のバンド内での役割もそう。Tシャツからフライヤーまで、ヴィジュアル面の担当をずっとしているから、自然とグラフィック・デザイン方面にものめり込んでいくようになった。

もし私の役割に誰も期待してなかったら、きっとアッサンブラージュで作品を作っていたと思う。アッサンブラージュ・アーティストのベティ・サール(Betye Saar)が大好きで。私はストーリーテリングが昔から好きだったからアッサンブラージュが好きなんだと思う。少しのヴィジュアルや装飾品を組み合わせてストーリーを作る芸術様式だからね。同じことを私たちの音楽でやっているのよ。曲の中でひとつの世界を組み立てていって、率直にというよりはヒントを与えながらストーリーを伝えるというか。

ーニューアルバムの話に入る前に、過去のアルバム『Hayday』と『Girl With Fish』について振り返ってもらえますか? 作品への手応え、制作当時の状況など。


リディア:やっぱりセンチメンタルにはなるし、マジカルな時期だったと思うわ。今がそうじゃないって訳じゃないけど、あらゆるチャンスがことごとく度肝を抜かれるようなものだった。ライティングに関していえば、今よりも自然発生的で、計算して作ったものが少なかった。みんな同じ部屋で3時間も曲作りに取り組めるだけでハッピーだったのが音楽にも表れているし、バンドの基盤を作ってくれたと思う。楽しく、ひたすら感謝しながら作ることができたわ。特に『Hayday』について振り返ると、感謝の気持ちが強かったことを思い出すの。

ー『Hayday』をリリースした頃、ピッツバーグを離れる事について「学生だし音楽が人生のすべてってわけじゃない。もし音楽が人生のすべてならそうするかもしれないけど」と話してました。音楽を生業にする事への葛藤もしくは抵抗感があったように感じますが、当時どのように考えていましたか。

リディア:音楽をフルタイムの仕事にすることについては、ずっと乗り気じゃなかった気がする。フルタイムよりも、趣味的でいいってハッピーに言うことができていた。でもこれで生活できるようになっていって、生業にすることが理に適うようになってきたのよ。
LAやNYに移住した訳じゃないし、今もピッツバーグに住んでいるけど、今は「いいとこどり」ができている気がする。選択してこうなったというよりは、自然の流れでたまたまフルタイムになったという感じかな。(パズルの)すべてのピースが収まるべきところに収まったような気がしているわ。

ーオーガニックなプロセスで今に至るわけですね。

リディア:ええ、オーガニックだったと思う。初期の頃はよくそういう話をしていたけど、実際にフルタイムになったときは、気づいたら「あれ、もうなっていたんだ」という感じだった。

ー『Girl With Fish』の後はツアーの中止、ライアンの脱退と音楽から距離を置く期間がありました。今こうして『bitknot』でカムバックしていることが嬉しいですが、ブレイクスルーが起きたきっかけは何でしたか。

(ふたりで同時に言いかけて、リディアが譲る)

セバスチャン:その間も曲はずっと作っていたよ。出さなかっただけでね。

ーライブ活動をしていなかっただけで、曲は作っていたんですね。

リディア:私もそう言おうとしていたところ。ライアンは別の街に住んでいたし、私たちもフルタイムの仕事を続けていたから、ライブやツアーをやるのが難しかったというのもあって。その後ライアンがバンドから離れていったとき、(残された)私たちはもっとツアーできるようになるかもって気づいたの。その間にアルバムの半分くらいは曲を書いたんじゃないかな。ライアンがいない状態で、ピッツバーグで、その後曲をどうするかも決めていなくて。彼が脱退してから、「じゃあこの溜まっている曲を使ってみよう」という話になったの。他にも何曲か書き足して、それでアルバムができたのよ。

作りたかったのは「ヘンなアルバム」

ー新作『bitknot』はどのようなヴィジョンから制作が始まりましたか。

リディア:ヘンなアルバムを作りたかったのは確かね。アルバム全体のフィーリングに関しては、あまり計画していなかった気がする。最後の何曲かの間に、コンセプチュアルなアルバムかも、という手ごたえがでてきた感じ。マテリアリズムをポップなサウンドに織り込んでいったのよ。激しい内容ではないけど、歌詞をよく聴いてもらえれば、前のアルバムよりコンセプト的なものが強いと思う。予めコンセプトを作ってからそれを実行したというよりは、振り返ってみて初めて「あ、コンセプトがある」と気づいた感じだけどね。

ー新作ではギター・サウンドが前面に出ていたりギター主導で切り替わったりと、ロックの要素が以前より強いように思います。

セバスチャン:ギターの部分は僕にとってすごく難関だったね。全部録音したけど、僕にはレコーディングの才能がないみたいで(苦笑)。自分の持っているものを駆使して、できる限りのいいサウンドを作って、後で修正したんだ。

ーどんな感じのギターを目指していたんでしょうか。

セバスチャン:いい質問だなぁ。それぞれの曲によって違ったんだよね。「Poison」だったら超90年代風のスタイルが欲しかった。ベックのアコースティック・ギターのサウンドに近い感じ。ヘヴィな曲に関しては、僕はジュリー(julie)というバンドが大好きなんだ。最高級のヘヴィ・ギター・トーンを持っていると思う。僕の予算に合わせて(笑)、ジュリーにできるだけ近づけるサウンドを目指していたよ。

ーベック、ジュリーと出てきましたけど、どんなところが好きですか。確かに絶妙なギターの音だなと思ったんで。

セバスチャン:僕がベックを大好きな理由は……ポップ・ガイでもありロック・ガイでもあるところだね。すごくヘンになることも厭わない。アルバムもこの上なくラジオ・フレンドリーな曲があるかと思えば、その直後の曲で意味不明のことを叫んでいたりする。とにかく振れ幅が大きい人だと思う。

ジュリーは豪華で広がりのあるギター・サウンドを持っている。彼(Keyan Pourzand)がギターをかき鳴らすたびにカネが生まれるような音がするんだ。最高にいいよ。

ー前作『Girl With Fish』でもデジタルとアナログの境目を曖昧にするような手法が見られました。

セバスチャン:『bitknot』ではその手法を進化させたいと考えたんだ。デジタル・ミュージックをギターとミックスして、今の僕たちにできるところまで持っていく。2人目のギタリストだったライアンがいなくなってしまって、それまで通常書いていたのと同じようにはギター・パートを書くことができなかったけどね。

ーデジタルとアナログの融合に関しては、どんなことを意識していましたか。

セバスチャン:いい質問だね。簡単にできることではないよ。ひとつの世界から別の世界に移るというのはね。ギターをかき鳴らしていた次の瞬間ノートパソコンに向かうようなものだし。色んなものを試してみたよ。とことんヘンなギターやコンピューターの音を作ってみて、その中から耳に残って、なおかつ馬鹿っぽく聞こえないものを使ったんだ。

ーその一方で「Shady」「Cradle」のボーカルや優しい音色はノスタルジーを感じます。ソングライティングにおいて、どういう部分に焦点をあてる事が多かったですか。

リディア:ゾッとする感じとキュートな感じのバランスじゃないかな。自分は色んな声を出せると思っているの。いい意味だけじゃないけど。でも、色んなアクセントを加えられると思うし、ふざけたマンガみたいな声も出せるわ。このバンドに合ういい声を見いだすことができて良かったと思っているの。ただ、マインドフル(周囲を意識している)声になっているとは思う。例えば「DMT」のときは可愛い天使が歌っているのを演じきって、他のすべての音とコントラストを成すようにしたり、そういうのが楽しいのよね。ポップ・パンクな声を出すことだってできるし、ケシャみたいに歌うことだってできるけど、それじゃうまくいかないと思うし。だから静かめに歌って自分の役割を果たすのよ。少なくとも私にとっては、周りを引き立てたり、コントラストを生み出したりするようにしているわ。こんな歌い方もできるのよみたいにひけらかすんじゃなくてね。

ー今回もホームレコーディングで制作を進めたとあります。『Girl With Fish』と『bitknot』で録音環境や機材に変化がありましたか。

リディア:私の録音環境は今回の方が悪かったわ! 前はセバスチャンが毛布を使って作ってくれたステキな要塞があってね。その中に入ってボーカルを録っていると、みんなが飲み物を差し入れしてくれた。今回は何を録音するにも、まずは青リンゴを食べてからじゃないとダメだった。

セバスチャン:「青リンゴは歌うのにいい」ってどこかに書いてあるのをどこかで読んだんだ(笑)。それで絶えず青リンゴを食べまくっていたよ(笑)。

リディア:テイクを録る時に、「リンゴの皮が喉に引っかかっているからちょっと止めて」なんて言ったこともあった(苦笑)。あと、サウンドボードはクローゼットの扉で代用していたわ。白いクローゼットの中が真っ暗で、そこに入っていたら吹き出物ができてね。

セバスチャン:ベッドルームのクローゼットの内側にガラス繊維を貼って養生したんだ。するとそのガラス繊維の屑が空気中に浮いてしまって(苦笑)。

ー(笑)

リディア:でも何とか切り抜けたわよ! それ以外はそんなに悪くなかったよね。

「DMT」が照らす資本主義とアメリカ人であること

ー気になるのが、『bitknot』は事前情報を出さずにサプライズリリースを選んだ事です。アルゴリズムや資本主義に対する思いを込めているように感じなくもないのですが、実際のところはどうですか。

リディア:その推測は正しいとは思うけど、そんなに大それたことじゃないのよ。アルバムにこんなに合っているとは、サプライズリリースを選んだときには気づかなかったしね。単独でアルバムをリリースしたことは最高に良かったと思っている。ちゃんと聴いてほしいし、ストリーミングのプラットフォームに依存するだけじゃなくて、CDやヴァイナルも買ってほしいしね。だからこの選択をしたことはすごくハッピーだけど、深い意味はなくて、ラッパーたちもやってるから私たちもやろうよ、程度の判断だったの。セレンディピティ(偶然の幸運)的な展開だったと思う。

ーラスト曲「DMT」をアルバムタイトルにする案も出ていたと聞いていますが本当でしょうか。

セバスチャン:ああ、本当だよ。

ー「Death」「Money」「Tech」の頭文字をとったもので、アルバム全体のテーゼを象徴しているとのことですが、この曲の歌詞を書いた背景を教えていただきたいです。

リディア:「DMT」を書いたのは最後の方だったと思う。それもラスト曲として書くのは、今までやったことがなかった。最終結論として、すべて出し尽くしたものを書くのはとても大切なことだったと思う。当時は色んなセオリーについて読んでいたから、元カレのことを書いたりするより面白くなるかなと思って(笑)。歌詞の背景は、アメリカ人でいることについてかな。アメリカ人でいることが恥ずかしいとか。何てラッキーなんだろう、指1本で何でも注文して届けてもらえるなんて、という感じ。でも資本主義の多くは、モノがどこからやってくるかを知らない。ただ自分のためにやってくると考えているのよ。モノがどこからやってくるのかを考えて、一人の人間としての自分の責任について、それからすべてを与えてもらっていることの罪の意識について。解決策がなかったとしても、少なくとも会話を始めることが、そういう状態から脱却する唯一の方法だと思う。そうすれば、みんな思いを馳せることができるから。

ー最初は割とポップ・ソングが集まってできたアルバムという話だったと思うんですけど、最終的に出来上がったアルバムはどういう社会的意味を持つ作品になったと思いますか。

リディア:社会的なメッセージを持つことになったのは間違いないわ。社会的なメッセージの部分もありつつ、他人を指さしてどうと言っているわけではないけどね。むしろ自分自身の惨めさの中で、自分自身の役割について考えている感じ。とても内省的な内容だと思う。そこにポップというリボンを着けてね。

ーアートワークではコアメモリマトリックス(bit)がモチーフに使われてます。真・偽を表現するための最小の単位でもあるbitをモチーフに選んだ背景を教えていただけますか。今までの話に繋がっているのでしょうか。

リディア:ええ、完全にね。あのイメージで遊んでみたいと思ったのは……私はスキゾフレニック(統合失調症患者)ではないけど、スキゾフレニックの人というのはああいう図を描いて、こういうものに自分たちはコントロールされていると思い込んでいることが結構あるって研究結果が出ているんですって。

それを踏まえて今の世の中を考えてみると、いかに自分が色んなデバイスに依存していて、理解もしていないものにコントロールされているのか、と思うのよ。(元ネタは)古いコンピューターに使われていたパネルだけど、アートワークとして作ったものに関しては、基本的な構造しか知らない。でも遊び心を使って、自分が理解していないものを作ってみたの。コントロールできない力と格闘している感じで、アルバムの内容をヴィジュアル化するにはいいと思ったのよね。

それからタイトルの『bitknot』、これもこのマトリックス(土台)に有効だと思って。私たちのサウンドもビットの結び目みたいなものなのよ。それに記憶という概念でも遊んでいる。アルバムに色んなワイヤーが通っていて、様々な小さな記憶にアクセスするの。直感的に作ったアートワークで、あまり情報に基づいている訳じゃないけど、コアメモリマトリックスの図よ。

ーバイオの話が出ましたが、バイオには「目指すは世界最高のバンド、そのモチベーションだけで走り続けるプロジェクト」(”A project always and simply spurred on by the motivation of being the best band in the world”)とも書いてありました。フィーブル・リトル・ホースが考える「世界一のバンド」とは、どのようなアティチュードや精神性を持っている存在なのでしょうか。

セバスチャン:世界一のバンドはソニック・ユースだと思うな。世間の目なんて気にしないでヘンな音楽を作っていた。ラジオ・ヒットを出していたけど、狙っていた訳じゃなかった。自分たちらしい音楽を作っていただけだったんだ。しかもメンバー同士仲が良くて、みんなで出かけたりしていた。リディアは、世界一のバンドってどんなものだと思う?

リディア:世界一のバンドは……バンド以上の存在だと思う。みんなが大好きなバンドで、そのバンドを通じて人と人を繋げてくれて、友だちになれる。あと、億万長者でもあると思うわ。でも私たちが億万長者だったら、きっと世界一のバンドにはなれていないと思う。私たちらしさが台無しになってしまうんじゃないかな。「ちゃんとした貧乏」でないといけない気がする。つまり、今の私たちは「まだ」世界一のバンドにはなっていないということ。そこに向かってはいるけどね。

ー今のフィーブル・リトル・ホースは、自分たちが考える「世界一のバンド」にどれくらい近づけていると思いますか?

リディア:そうね。今はウズウズしているものを出し切りたかったんだと思う。次のアルバムがどうなるかはわからない。この路線でいくのか、別のウズウズを出そうとするのかはわからないけど、こうすることが私たちの行く道の中では大切なことだと思うの。

ー貴重な時間をありがとうございました! 日本でもぜひライブしてください!

リディア:そうなったら願ったり叶ったりよ!

feeble little horseが語るデジタルとシューゲイズの融合、現代社会でアメリカ人であることの葛藤

フィーブル・リトル・ホース
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再生・購入:https://silentrade.ffm.to/feeble-little-horse-bitknot
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