2月にアルバム『REAL POP2』をリリースし、5月28日に東京・Zepp DiverCityにて『Aile The Shota Oneman Tour 2026 ”キセキセツ”』ツアーファイナルを素晴らしい形で終えた、Aile The Shota(Zepp DiverCity公演の模様はフル尺で、しかも無料、さらには期限なしで、誰でもYouTubeにて見られる状態になっている)。その中で、初の日本武道館公演を2027年3月13日に開催することが発表された。


武道館へと向かう過程で、まずは新曲「ONGAKU」がドロップされた。なぜ今「音楽」というテーマがAile The Shotaの内側から出てきたのか。楽曲の中では「音楽」の他、「夢」についても歌い届けられる。これを今、仲間、家族、BMSGファミリーなど、Aile The Shotaの周りにいる人たちと、さらにはその先にいるリスナーの心に浸透させたかった、その理由を語ってもらった。

ー2月にアルバム『REAL POP2』をリリースし、3月から5月にかけてはツアー『Aile The Shota Oneman Tour 2026 ”キセキセツ”』を回って、そのあいだにShowMinorSavage(BE:FIRST・SOTA、MANATOとのユニット)として1年9カ月ぶりのリリースまであって、2026年も止まることなく動いている中で新曲「ONGAKU」はいつ頃作った曲だったんですか?

ツアー中ですね。ツアーっていう、自分が一番自然で生き心地がよく、気持ちが動いている時期に書いたので、いい曲になったなと思います。ツアーファイナルで新曲をやるか否かという話がミーティングで上がって、それはなしになったんですけど、日本武道館公演を発表したあとに音楽的な音沙汰がないのはもったいないなと思って。何か1曲作ろうと思って、スピード感を持って直感的ないいクリエイティブが生まれると言えばTaka(Perry)なので、Takaのスタジオに行って作りました。「ROMEO」(Taka Perryがプロデュースを手がけたShowMinorSavageの楽曲)を出した直後だったので、ああいう音楽性――いわゆるトラップソウル、クリス・ブラウン系譜のものを自分ひとりの解釈でやりたいというところから始まったのが「ONGAKU」でした。

ーそこで「ONGAKU」という、ど真ん中を突き刺すテーマが出てきたのは、どういう心の動きからだったんですか?

ポジティブなマナーの曲で、明るくて希望のあるものにしたいというイメージがあって、Takaが作ってくれるトラックのBPMも速くて。それを聴きながらサビのトップラインをバッと入れていると、自分の中で一貫している踊ることに対する思想とか、人の心が踊る美しさみたいなことが出てきたんですよね。《音楽は好きか》というワードが出てから、「そういう曲かも」みたいなものが見えました。
でもTakaとの制作で、1日で歌詞を書かなかった曲はこれが初めてなんですよ。

ー「SAKURA」「Foolish」「キセキセツ」「ENOSHIMA ORANGE BLUE」とか、Takaさんとの制作は直感的に、そのときに感じていることがそのままメロディや歌詞に出るようなスタイルだったと思うんですけど、「ONGAKU」はどのあたりが丁寧に作り込みたいポイントだったんですか?

最初に作ったデモを、いつもよく名前を出す親友のミヤマに聴かせたときに「もうちょいかませると思う」って言われたんですよ。「タイトルが『ONGAKU』なんだったら、もうちょっといったほうがいい」みたいな。そうやってちゃんと言ってくれたことが、けっこうデカくて。そのあと、あいつが仙台公演を観にきたんです。それでライブ終わりにしゃべって、どんどん言葉が固まって、次の公演までにはできあがっていました。2バース目の入りとかは仙台の銭湯で書きましたね(笑)。リリックもトップラインもしっかりアップグレードしたおかげで、納得のいくレコーディングになりました。

ーミヤマさん、プロデューサーみたいなことを言いますね。

最初に書いていたものはもっと自分事だったんです。でも〈音楽は好きか〉というフレーズに繋げるには、そういう感じではないなと思って。Aile The Shotaからすると「夢」って、叶えた人の視点がどうしても入っちゃうんですよ。
夢を叶えている自覚があるので。そこから一個、大きく変わった点は――もともと最後のサビ終わりにもう2小節あって、〈君の瞳に映る僕が歌う 音楽が好きだ〉という行があったんですよ。自分を信じられないときは自分が信じている人に映る自分を信じてみればいいじゃん、っていうフレーズで背中を押したかったんですけど、それを入れちゃうと俺の曲になっちゃうなと思って外したんです。でも、どこかのライブで言っちゃうかもなとは思う(笑)。ODORI(Aile The Shotaがプロデュースを手掛けるダンスクルー)がツアーに帯同していて近くにいたこともデカかったですね。そもそもODORIは、「ダンスに夢見る子にもう一段階上の夢を見せる」「バックダンサーではなくダンスクルーを作る」というコンセプトでオーディションしたことがきっかけで、彼らと2年間くらい一緒にやっていく中でみんなが抱えている悩みをすごく近くで感じていて。ODORIのワンマンライブも発表したりして、今この段階で僕が彼ら彼女らに言葉及び音楽を渡すことが、それと同じような位置にいる子たちに届く何かにもなるんじゃないかと思ったところから、どんどん言葉が固まっていきました。より「この曲は最高だな」と思えたのは、親に聴かせたら泣いてくれたこと。そこで、これは夢見る人を支える人にも刺さる曲なんだなと思ったんですよね。一番近くにいるいろんな人の言葉と気持ちを借りてできたので、すごく思い入れのある曲になりました。

ーたしかに「ONGAKU」という大きなテーマを掲げるのであれば一生歌える曲になるように、一切の妥協なく、しかも自分事だけでなく、いろんな人の心に残る曲にしたいという命題がついてきますよね。

タイトルを漢字にするかローマ字にするかで大きく変わるなと思って、ローマ字にしたのは、漢字にすると重すぎるというか。
俺の中では、そこまで重い曲じゃないよっていう気持ちがあって。言いたいことは単純で、夢見る中で「好き」を忘れないでねっていう。〈音楽は好きか〉もよくMCで言う言葉だし、他も自分が普段からよく言っているフレーズを音に乗せられた曲になったかなと思います。だから気に入っているフレーズが多いですね。この曲はいい顔で歌えるだろうなって思っているので、それがずっと続けばいいなって思います。

ーしかも、フレーズの「意味」だけじゃなくて「音」もいいですよね。韻の踏み方、めっちゃ気持ちいいじゃないですか。〈求められてるほど見つからない/本当に叶えたいこと/子供の頃みたいに憧れていたいのに〉の頭を、あのリズムで「O-O」で韻を踏むフロウとか、すごい。

やっぱりこのジャンルに挑戦するとなったときに、僕はダンスを通してクリス・ブラウンを聴いていたので、彼のフロウとか、母音でちゃんと踏んでくる感じは守りたいなと思っていました。メッセージソングにしたいわけでもないし、かといってこのテーマだったらチャラくは終われないしっていうので、そのあたりのバランスは取っているかな。

「大人だって夢を見ていい」合唱に込めた希望

ー〈言葉に出来ない 音があるから〉というフレーズは、音楽とは言葉にならないものを表現できるものであるということを表していて、それに続いて〈大人になっても 夢を見る〉と「夢」に光を当てるフレーズを、しかも合唱で歌っているのがめちゃくちゃいいですよね。

Takaが最初のデモで声を重ねてくれたんですよ。
もともとポップスの中で大きなテーマを歌うときの合唱感が好きで。YOASOBIの「群青」とかが近いんですけど。しかもあの曲はダンスのテーマにもなっていましたよね。あと、制作中にたまたまドラマ『GIFT』を見ていて、主題歌の「スターダスト」(Official髭男dism)に合唱っぽいアウトフックが入っていて「こうなるんだな」というイメージを持てて背中を押された部分もありました。ポジティブなアンセムにしたかったし、難しい言葉を一個も使っていないけど、Aile The Shotaらしいフレーズだから、これをコーラスっぽくするのはいいんじゃないかなと思って。ここまで自分の曲で合唱っぽいアレンジをやったのは初めてですね。

ーしかも、子どもやティーンエイジャーだけじゃなく大人たちにも希望を与える言葉を合唱するというのも、この曲の大切なポイントだなと思いました。

そう。背中を押す対象が若い子たちだけになるのも嫌だったし、自分の年代で高校生視点から歌うのはリアルじゃないなと思ったので。自分も「大人にならなきゃいけないのかな」「これが大人になるってことだな」と思うことはあって。もちろん夢を見ている高校生にも刺さると思うんですけど、「大人になってしまったな」という人へ「大人だって夢見ていいんだよ」っていう曲にできていると思います。

ーこの曲、ODORIはもちろん、BMSGのアーティストたちに対しても、大切な価値のある曲になったんじゃないかと思いました。
BMSGの規模が大きくなっている今、Aile The Shotaが「音楽」と「夢」の純粋性を歌の中から伝えることには重要な意味があるんじゃないですか。

絶対に『BMSG FES26』で歌います(笑)。HANAのNAOKOからも「泣けました」ってLINEがきました。僕の視点でしか歌えないなと思ったのは、夢を叶えていく中での難しさ――BMSGの中でも、夢と代償に手放さなきゃいけないものに気づいている子は気づいていると思っていて。2バース目の〈あの涙 言えてない バイバイ/覚めない夢のその代償が痛いよ〉っていうフレーズとか。

ー具体的に言えば、こうやってアーティストとして夢を追いかけていると、家族や友人のお見舞いやお葬式にすら行けないことだってあるし。

そうなんですよ。夢を追っている人は、時間という有限なものを何に使うかで悩むと思うんです。「別れ」ということを含めて、自分が大事にしているいろんなテーマをぎゅっと詰め込めたなと思いますね。しかもそれを重たすぎずにこのフロウに乗せたというのが、夢を見ている子たちにはよかったんじゃないかなと思います。

仲間にダンスを委ねて描いた、「ONGAKU」の世界

ーあと、ミュージックビデオでもダンスにフォーカスを当てている曲なのに、歌が乗っていない小節はイントロの8小節とアウトロの4小節しかない、という構成にも驚きました。ダンスを引き立てるなら、歌のないパートを作りたくなるじゃないですか。


もともとダンスパートはあったんですよ。それこそブリッジの部分を思い切ってダンスパートにしちゃうという話で作っていたんですけど、2番を書き直したあたりで「俺、もう1個言いたいことあるわ」って、結果歌を乗せました。たとえばクリス・ブラウンの曲とか、間奏長めの曲とかあるんですけど、僕はポップスにしたかったし、今の時代にしっかり言葉を取りこぼさないで聴いてほしいから詰めたというのもあるかもしれないです。

ーミュージックビデオに関しては、どういう発想からあれを作り上げたんですか?

この曲ができたときから、信頼できるダンサーにコレオグラフをお願いして、それをODORIと一緒に踊ろうと思って。それでRHT.のMacotoとASUPIにお願いしました。Macotoはけっこう前から僕のソウルメイトというか、互いに深い話をできる相手だというのもあって、できあがったデモと歌詞を渡して、僕からは何もリクエストせずに「Macotoたちの解釈で作ってほしい」って委ねたら、本当に素晴らしいストーリーとクリエイティブをくれたので、ダンスが軸のミュージックビデオにしたいなと思いました。ダンスの部分はODORIとそのふたりに委ねて、自分は歌い手として出たことも、僕の中で新しい挑戦でした。結果、さすがにちょっと踊っているんですけど(笑)。Macoto、ASUPIと一緒にODORIのオーディションを回ったということもあったので、僕らのストーリーが詰まったミュージックビデオができあがったと思います。だから先に楽曲を出して、あとから、みんなの曲になっている状態でミュージックビデオを出すというのが、ある種正しい順番なんじゃないかなとも思っていました。ダンスという自分の好きな表現法をいい形でプレゼンテーションできているんじゃないかなって思えるビデオになったし、この曲のジャケットは武道館だし、「大事な曲なんだな」と思ってもらうための動きをしている感じですかね。

ーそして、いよいよ決まった初の日本武道館公演は、どんなライブにしたいと考えていますか?

今、アルバムに向けて動いています。アルバム制作中であることは、ここで初公開しようかな(笑)。

ー早っ! 『REAL POP2』を2月にリリースしたばかりなのに。

さすがに手ぶらで武道館には行けないので。武道館を集大成としては見せたくないので、エモに走りきらず、音楽ファーストで、また先を見られるようなアルバムとライブにしたいなとは思っています。こないだのツアーは、心の持ちようとかも含めていいライブができて楽しかったので、武道館もそれを普通にやろうかなっていう。「やっとここまで来ました」ではなく、「Aile The Shotaのライブは今こんな感じです」というライブをやれたらいいなと思います。「やっとここまで来ました、ありがたい」っていうのは、毎日思っていることなので(笑)。このあいだ、武道館を終えたPenthouseのふたりと話したら「武道館、めっちゃ楽しかったよ」って言っていたし、10年前くらいに初武道館をやったBLUE ENCOUNTの田邊(駿一)さんは「最初の武道館は負けると思ったほうがいいね」と言っていて、やっぱり武道館はキャッチできるものが色々ある意義深い箱なんだなって思ったので、そういうスペシャリティはすごく楽しみですね。今は「REAL POP」として進んでいるけど、その先はもっとエンタメな見せ方になってくるのかなとも思っているので、武道館は音楽を前に置いた状態で、ダンスも含めてストイックな形で行きたいなと思います。

自然体でステージに立つ――”REAL POP”が導いた現在地

ー前回のツアー『Aile The Shota Oneman Tour 2026 ”キセキセツ”』は、歌もダンスも人望も思想も、Shotaさんが持っているものややってきたことが1本の束になったような内容だったと思いました。ODORIプロデュースやオーガナイズイベントも、ダンスシーンのフックアップも含めて、「この全部をやってきたから、今Aile The Shotaはこの表現ができる」というものになっていて、まさに「Aile The Shotaとは何か」を示すライブだったんじゃないかなというふうに見ていました。

ああよかったです。「REAL POP」を掲げているあいだは、それを毎回のライブでやらなきゃなとは思っています。ツアーを11公演もやったことがなかったので、セトリが呼吸ぐらい馴染んでくるというのも経験できたからこそ、1曲目から自然体で舞台に臨むことがいかに俺に合っているのかに気づけました。「Shotaは多分、笑いながらステージに行ったほうがいい」って、ライブの直前に社長(SKY-HI)からも言われましたね。それは今後も指針になりそうだなって思います。今、ライブをやっていて嘘がないので気持ちがいいです。ずっとステージ上で正直にいられる感じが楽しい。

ー1曲目からマジでいい顔されてましたもんね。しかも内容的にも、冒頭からすでにフィナーレみたいな雰囲気で。

飛ばしすぎちゃって(笑)。1、2曲目にRHT.が登場するから、アンコールみたいなことやって。去年のガーデンシアター(『Aile The Shota Oneman Live ”REAL POP”』)は1曲目からアンコールの最後まで緊張しっぱなしだったけど、それの真逆ができました。もちろん、ライブの中で緊張感のあるタイミングもあったんですけど。

ー前回のインタビューで「自分がちゃんと踊るというフェーズに入る」と言っていて、RHT.を入れてあそこまで豪勢にやってくるんだって驚いたんですけど、今後はあの日の「ShyなBaby」みたいに自分で歌って踊る曲が増えそうですか?

踊りたいし、それができるコンディションにはしたいなと思っています。うちのアーティストはみんなフィジカル的にストイックで、BMSGにいるとダラけようがない(笑)。社長、このあいだの武道館(『SKY-HI TOUR 2026 -Success Is The Best Revenge-』)が今までで一番ラップ上手かったし。それを見せられちゃうとフィジカリティが高いのは楽しそうだなと思いながら、最近は取り組んでいますね。あと、Ayumu(Imazu)ね!

ーフィジカルが最強に強い人! 歌って踊るアーティストが近くに加わって、自分のアイデンティティについてより一層考えるきっかけにもなったんじゃないかなとは思っていました。

いい刺激をもらっていますね。そういう中で、「ONGAKU」のジャンルをやったことはデカかったかもしれないですね。俺がダンサブルな曲を出すとこうなるっていうのを示せたというか。「これとこれだったらこっちだな」っていうのが、多分、Ayumuとはほぼ逆なんですよ。俺は、(ジャスティン・)ティンバーレイクよりクリス・ブラウンのほうが近いし。それが勉強になるし楽しいから、「もし一緒にやるなら何をやろうかな」っていうのは考えちゃいますね。Ayumuが近くにいるというのは心強いです。Ayumuの武道館もめっちゃ楽しみです。

ー来年3月の武道館までまた濃厚な半年間になりそうだし、Aile The Shotaは本当に変化が止まらないアーティストだと思っているので、この先はどんな姿が見られるのかを楽しみにしています。

何かを救い、何かを導き、ということができる人でありたいなとは思って、そこへの意欲が強くなっていますね。自分がオーガナイザーを務める『OMEN』『Place of Mellow』もいいイベントとして育っていて、いろんなアーティストが賛同してくれているし。人との繋がりはAile The Shotaにとって大きい要素だと思うし、1人じゃ限界があるので一緒に上がらせていただきたいなと思います。『REAL POP2』のタイミングで話した、人との向き合い方、人への期待、自分の守り方、希望的な諦めとかのバランスがより身体に馴染んできて、いい感じで過ごせていますね。ちゃんとドームと紅白に行きたいので、そこまで急がず焦らず、でも早めに丁寧に、そういうバランスで進めたいなと思います。

Aile The Shotaが語る、「ONGAKU」をダンスで解き放った理由──夢の代償も希望も抱えて、武道館へ


Digital Single 「ONGAKU」
配信中
https://orcd.co/ats_ongaku

Aile The Shota Oneman Live 2027 in 日本武道館
オフィシャル2次先行受付中
https://eplus.jp/ailetheshota/

⚫︎日程
2027年3月13日(土) 17:00開場/18:00開演

⚫︎チケット種別・料金
・VIP指定席(ファンクラブ限定):¥33,000(税込)※SOLDOUT
優良座席/VIP限定Tシャツ他、限定グッズ付/VIPパス付/優先レーン

・SS指定席:¥11,000(税込)※SOLDOUT

・S指定席:¥8,800(税込)

※座席指定
※小学生以上有料、未就学児入場不可
※譲渡・転売禁止

ODORI 1st ONEMAN LIVE
2027年1月25日(月)
OPEN 18:00 / START 19:00 / END 20:30
Shibuya WWW(東京都渋谷区)
チケット:https://buzz-ticket.com/e/odori-1st-oneman-live
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