8月13日、アメリカ以外では初となる直営店として東京・表参道にオープンした「Google Store 表参道」
おなじみのアップルストアだけでなく、サムスンやシャオミ、そして8月にはGoogleの直営店もオープン。国内で人気のスマホメーカーが直営店を展開する理由、海外の直営店との違いなどを解説します!
【直営店は製品販売だけじゃありません!】8月13日。
これまで日本国内のスマホメーカー直営店といえば「Apple Store」ぐらいでしたが、最近になって人気メーカーがこぞって直営店を出店するようになった理由を、 ITジャーナリストの法林岳之(ほうりん・たかゆき)さんに解説してもらいます!
――東京・表参道にオープンしたGoogle Store 表参道はどんな特徴がある直営店でしょうか?
法林 スマホやスマートウオッチのPixelシリーズの展示・販売、そしてGoogleのAIであるGeminiの体験もできる店舗となっています。
Googleはアメリカですでに10店舗の直営店を運営していますが、海外の店舗としては日本が初。最新製品のAI機能を体験した上で、それに精通したスタッフから直接説明を受けられるのも魅力です。
Google Store 表参道。同社のスマホやスマートウオッチ、店舗限定の各種アクセサリーなどを販売し、製品だけでなくGoogleの最新AI技術を体験できるのが特徴だ。現在、Googleは日米で11店舗を展開している
Google Store 表参道
――なぜ、日本で海外初の直営店を出した?
法林 アメリカでのPixelシリーズのシェアは6位前後。一方、日本ではiPhoneシリーズに続いて、サムスンと熾烈な2位争いをするほどの人気端末です。そういった販売実績から日本が選ばれました。
――Googleの第1号店がオープンした東京・表参道は流行に敏感な若者が多い地域。ここに出店する理由は?
法林 2019年にサムスンが東京・原宿に「Galaxy Harajuku」をオープンして、ブランド訴求で大きな効果を発揮しています。
同店では過去にK-POPグループとのコラボイベントなども行なわれ、これまでの〝サムスンのスマホ〟というイメージから、最新機能が搭載されてオシャレ、フォルダブルスマホのラインナップも充実、というGalaxyブランドを若者に定着させることに成功しました。
同店舗はブランド訴求の発信地というだけでなく、現在では街のランドマーク的な存在になっています。道を挟んで斜め向かいに出店されたGoogle Store 表参道にも、サムスンと同様の効果が期待されています。
サムスンは2019年に東京・原宿に「Galaxy Harajuku」、23年に大阪に「Galaxy Studio Osaka」をオープン
また、表参道や原宿は海外からの観光客が多いという立地的な特徴もあります。Pixelシリーズはアメリカと日本以外ではまだまだ〝人気スマホ〟と呼べるほどの売り上げ実績がなく、同シリーズの認知度が低い海外のユーザーに対して表参道の直営店から〝日本で人気のスマホ〟とアピールできることは、メーカーにとってとても大きな意味を持っています。
現在、表参道にはApple Storeもあり、日本のスマホ売り上げベスト3の直営店が集結しています。
Appleは日本国内10店舗、世界全体では530店舗以上を展開している
――このほか、直営店を運営する海外スマホメーカーは?
法林 カメラの老舗メーカー・ライカと協業したスマホや多くのコスパモデルを販売するシャオミも、2025年から直営店の「Xiaomi Store」をオープンしています。
前出の3社は自社製品の〝最新モデルやAI機能の体験、ブランドの価値観の訴求〟という側面が強いですが、シャオミは販売面を意識した直営店の運営を行なっているのが特徴です。
現在、シャオミは国内に10店舗を展開しています。これはApple Storeと同じ店舗数ですが、シャオミの場合は、どの店舗もイオンモールやららぽーとなどのショッピングモール内に出店されています。
お客さんは普通の家電を買う感覚で来店して新モデルに触れることができ、その最新機能を熟知したスタッフが解説してくれます。直営店ならではのわかりやすさと買いやすさを重視しているのがシャオミの特徴ですね。
また、今年2月には東京・秋葉原にアフターサービスの拠点施設「Xiaomi Service Center 秋葉原店」もオープンさせており、ユーザーにとっての対面での安心感を重要視しているメーカーと言えます。
シャオミは25年から各地の商業施設に「Xiaomi Store」を順次開業し、1年で国内に10店舗という超ハイペースで出店中だ
――シャオミはゴリゴリの中華メーカーと思いきや、ある意味で日本的な販売戦略を熟知していると!
法林 シャオミは今後、冷蔵庫や洗濯機などの大型白物家電にも参入すると発表しています。こういった商品は対面販売が主力で、海外のXiaomi Storeでもスマホと各種家電が併売されており、その地固めとしても対面での応対を強化しているのです。
もともとはECでの販売で売り上げを伸ばしたメーカーですが、現在では世界で1万6000店舗以上も直営店を運営しています。
――ところで、海外でもスマホメーカーの直営店は増えているのですか?
法林 海外ではスマホをメーカー直営店で購入するのが基本です。フィーチャーフォンからスマートフォンに切り替わった00年代後半から、スマホならではの機能を説明するために専門の知識を持ったスタッフをそろえた直営店が増え始めました。スマホが一般的になった現在でもこの販売方式が主流となっています。
一方、日本はキャリアショップ、大手家電量販店でのスマホ販売が主流ですが、iPhoneからAndroid端末まで多種多様なメーカーの端末を扱う店舗は、専門知識という部分では直営店に一歩、譲ります。
キャリアや大手家電量販店にはそこまでスタッフに専門知識を教育するリソースがありません。それに、ちょっと新機能を知りたいだけのときでも、キャリアショップでは整理券を取って並ぶことを求められるケースもありますから。
――今後、日本国内に新規で直営店をオープンするメーカーもありますか?
法林 現在、デザインとコスパでガジェット好き以外からも注目を集めているメーカー、Nothing Technologyの直営店が予定されています。現状、同社はECでの販売がメインで、ユーザーが製品を直接触って体験できる機会が少ないのが弱点です。
すでにイギリスとインドで直営店をオープンしており、やはり専門的な知識を持ったスタッフをそろえて大盛況となっています。
2022年にイギリス・ロンドン、今年2月にはインドのテックシティ・ベンガルールに直営店をオープンしたNothing
Nothing。同社スマホのデザインテイストを取り入れた店舗は連日大盛況で、開店3ヵ月で130万ドルの収益を上げるほど! そして今年1月、年内にアメリカ・ニューヨークと東京に新たな直営店を開店することを発表している。これは期待大!
――海外ではスマホ購入の基本方式であること、さらにNothingの大盛況っぷりを考えると、日本でも直営店はもっと増えていいですよね。
法林 昨今、スマホの価格が上昇しており、キャリアショップで販売されるフラッグシップモデルは20万円前後が標準価格となっています。直営店は同じモデルでも1割前後は安く、分割手数料が発生しない後払いにも対応。今後は日本でも価格面から注目されるのではと思っています。
また、サムスンのフォルダブルスマホであるGalaxy Zシリーズは、開いた状態の大画面ディスプレーに貼られるフィルムの定期的な交換が必要です。
メーカーはユーザー自身での貼り替えを推奨しておらず、キャリアや直営店への郵送や持ち込みでの貼り替えとなります。今後、フォルダブルスマホが主力になると、アフターサービス面でも直営店の重要度が増すことになるでしょう。
――スマホやAIの最新機能の説明や、各種端末メンテナンスに細かく対応できる直営店。どこもオシャレ空間でのぞくだけでも楽しめますよ!
取材・文/直井裕太 写真/法林岳之 アフロ











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