◆第26回アイビスサマーダッシュ・G3(8月2日、新潟競馬場・直線芝1000メートル)

 “千直”マスターの手綱さばきがさく裂する。菊沢一樹騎手=美浦・菊沢隆徳厩舎=は過去10年、新潟の直線芝1000メートルで最多の15勝を挙げ、12勝の津村を突き放し、堂々トップを独走中。

その極意を明かした。

 「どうしても(馬群が)外ラチ沿いに集結するので、左にもたれる馬は外にスペースをつくってしまいます。修正すると一完歩ごとのストライドが小さくなってしまうので、その点を気にしないといけません。ですが、右にもたれる馬は、外を空けることなく走ることができます。右にもたれる馬は右へ右へと走らせてあげた方が、のびのびと走ることができる馬が多いですね。他の千直が得意なジョッキーも言っています」

 癖を知り尽くすエコロレジーナ(牝6歳、美浦・菊沢厩舎、父アメリカンペイトリオット)とは25回目のコンビ。5勝のうち前走の韋駄天Sなど直線競馬で3勝を挙げ、その3勝全て自身の手綱だった。昨年末に引退の話も浮上した6歳牝馬に、何とか重賞タイトルをという思いは強い。

 「千直を使い出した頃から将来、アイビスSDを使いたいという気持ちで乗ってきました。オープン馬にするまで時間がかかってしまい、(この馬に)一番多く乗っているだけに責任を感じています。この子の素晴らしいところは1200メートルも走れるところ。千直であまりいないような鋭い脚を使えたり、器用に立ち回ることができるので、それはこの舞台で生かしやすいと思います。

レジーナも昔は右にもたれる癖がすごく、千直が一番追いやすかったです」

 菊沢は今年ここまで26勝と好調の波に乗っている。昨年のキャリアハイの29勝を上回るペースで白星を重ね、周囲の信頼を得てきた。

 「まだまだだし、もっと頑張らないとと思っていますが、チャンスがある馬の依頼が確実に増えています。頭数を乗せていただいているのが一番のポイントだと思いますし、結果を出さなければという気持ちが強いです」

 自身の重賞2勝はともに父の厩舎の所属馬。今回は千直巧者との“父子鷹”で3つ目の重賞タイトルを狙う。

 「重賞でもチャンスのある馬に乗せてもらっているので、結果で返さないといけないと思っています。速い馬がいて甘くない戦いだとは思っていますが、十分チャンスだと思っています」

 父の思いに応え、人馬とも最も得意な舞台で最良の結果を出すつもりだ。(石行 佑介)

編集部おすすめ