2022年10月1日に亡くなった国民的プロレスラー、アントニオ猪木さん(享年79)が1976年6月26日に日本武道館でプロボクシング世界ヘビー級王者ムハマド・アリさんと「格闘技世界一決定戦」で闘ってから50年を記念した展覧会「格闘技世界一決定戦50周年記念 アントニオ猪木VSモハメッド・アリ メモリアル展」(報知新聞社後援)が9日、新宿区の京王プラザホテル本館3階アートロビーで開幕した。

 オープニングセレモニーには猪木さんの愛弟子の藤波辰爾、藤原喜明、初代タイガーマスクの佐山サトル、前田日明が来場し記念のテープカットを行った

 藤波は、試合当時は米国武者修行中でノースカロライナに滞在していた。

試合会場の控室に置かれたテレビで試合を見た思い出を打ち明け「猪木さんがものすごい緊張感と誰しもがなしえなかったことをやり遂げた」とレスラーでありプロモーターとしてこの一戦を実現させた師匠の偉大さを改めてかみしめていた。

 藤原は、50年前の歴史的な試合で猪木さんのスパーリングパートナーを務め練習で猪木さんが「俺、勝てるよな?」と口にし不安を覚えるなど感情の起伏が激しかった秘話を披露し「万が一、負けたらおしまい。新日本プロレスも潰れるし猪木さんもプロレスラーとしていられなくなる。本当の意味の生か死か。真剣勝負ってこういうことなんだろうなぁ…と勉強させてもらいました」と思いをはせた。

 佐山は、アリに挑んだ時の猪木さんが33歳だったことに触れ、30代で一世一代の勝負に出た「勇気」に感動し「猪木対アリ」を「格闘技の原点です」と絶賛した。

 前田は試合当時、高校生だったが、学校を早退しテレビ生中継を見た思い出を明かし「総合格闘技、誰が作ったんだ?って議論有りますけど、自分は猪木さんだと思うんです」と師匠への敬意を明かし「相手になめられちゃダメなんだ」と猪木さんから指導された言葉を披露した。

 

 展覧会は京王プラザホテル、京王百貨店、猪木元気工場が共催。試合の写真パネル、激闘を物語る貴重な品々、猪木さんが1970年代に使用したリングシューズ、アリさんが猪木さんへ宛てた直筆の手紙などが展示されている。

 展覧会の会場となる京王プラザホテルは、記者会見、レセプション、計量、アリさんが宿泊した。会場では「ありがとうモハメッド・アリ&アントニオ猪木」と題し、会場に設置するメッセージボードへ想いを書き込むコーナーも設けられている。

 「猪木VSアリ」は15ラウンド引き分けとなり当時は「世紀の凡戦」などと酷評されたが現在は、リアルファイトと評され総合格闘技の源流と高く評価されている。

 ただ、生前、猪木さんは世間の評価が一変したことにプロレスと格闘技を「俺は区別してないから。リアルだから許してやる。そうじゃなけりゃ許さないって俺の価値観にはない」と語っていた。

 展覧会は今月31日まで。入場は無料。 (福留 崇広)

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