ダブル世界戦の前日計量が1日、横浜市内のホテルで行われた。WBA世界ライトフライ級王座決定戦に臨む同級1位の吉良大弥は、前夜から「水抜き」減量で4・5キロを一気に落としてリミットちょうどの48・9キロでクリア。

田中恒成(畑中)に並ぶ日本男子最速記録となる5戦目での世界王座獲得に挑む。WBA世界ミニマム級王座決定戦で世界初挑戦する同級2位・石井武志は、リミットを100グラム下回る47・5キロでクリア。1ラウンドから勝負に出ることを誓った。

 吉良が自分との戦いに勝利した。「もう脱ぐしかない」。パンツを脱いで全裸で公式計量をクリアした。約1か月前はリミットまで約9キロ、2週間前は約7キロだった。計量前夜から最後の「水抜き」減量を行い、4・5キロを一気に落とした。「自分に勝たないと相手に勝てない。やっぱり自分が一番強いと思う。それに勝ったら、明日はやってきた過程を出すだけ」。最大の試練だった減量を乗り越え、笑みがこぼれた。

 公式計量の約10分前、全裸で予備計量に臨んだ。体重計は「48・90キロと48・95キロを行ったり来たり」だったが、クリアのめどがつきガッツポーズ。最後の50グラムは、ガムをかんで唾を絞り出した。計量後は約13秒間、フェースオフでカニサレスとにらみ合った。「計量をクリアしてうれしすぎて何も感じなかったが、いい人そうだった」と印象を口にすると、「いい人って強いので」と警戒も怠らなかった。

 本来のベストはフライ級(50・8キロ以下)だが、将来の複数階級制覇を見据えて過酷な減量に挑んだ。「KOでも判定でも、圧倒したい。アウェーの気持ちで、明確に勝ちたい」。あとはリングで、積み上げてきたすべてを結果に変えるだけだ。(勝田 成紀)

 ◆水抜き減量 計量直前に水分摂取を極端に制限し、汗や利尿などで体内の水分を排出して体重を一時的に落とす減量法。試合の約1週間前から塩分を制限し、減量計画の最終段階で水抜きを行うことが多い。計量後は速やかに水分・栄養を補給し、試合までに体重と体調を回復させる。

 ◆バキバキ石井必ず世界王者

 フィジカルでは石井が圧倒した。100グラムアンダーに仕上げ、上半身はバキバキだ。12秒間のフェースオフで、元WBO王者メンデスに闘志をぶつけ続けた。

 「コンディションはメチャクチャ良い。苦手なフィジカルトレを積んで、この試合にかける思いが体に出ている。(相手は)細いなと思った」。初回から攻めるか聞かれると「1ラウンド、僕がビビるか、強い自分が出るか明日にならないと分からないけど、ファーストコンタクトが大事だと思う」と石井。八重樫東トレーナーは「展開とか度外視していく。そうなれば石井のペース」と話した。

 勝てば大橋ジムから6人目の頂点だ。「ジムで6人目のチャンピオンになれることを誇りに思う。必ず世界王者になりたい」と意欲を見せていた。

編集部おすすめ